山梨県甲州市の勝沼堰堤 祇園の滝は明治時代に甲府盆地の治水のために作られた堤防です。堤防工事の際に作られたのが祇園の滝です。人工的な滝ですが、水量が大変多いので見ごたえがあります。それでは、勝沼堰堤 祇園の滝の魅力について紹介します。
これが作られた滝!?自然と融合した堰堤の迫力と美しさ
高低差約20mを大量の水が轟音とともに流れ落ちる姿が迫力満点の山梨県勝沼堰堤。
堰堤とつくだけあって、こちらは滝でありながら、実は防砂が目的の人口物です。この園庭が作られるに至るまでの地域の歴史と、そのめずらしい作りについてまとめました。
これを読んで、ぜひ現地でその迫力を感じてみてください。
勝沼堰堤 祇園の滝とは
山梨県は四方を山で囲まれており、昔から水害が多く発生していたため、明治44年、甲府盆地を水害から守ろうと国直轄の砂防工事が行われました。
勝沼堤防は大正4年から大正6年にかけ、山梨県甲州市勝沼町岩崎地先に作られた人工的な堰堤です。
※堰堤(えんてい)とは、貯水・治水・砂防などの目的で、河川・渓谷を横断してつくられる堤防やダムのことを指します。
勝沼堰堤 祇園の滝 特徴
山梨県を流れる日川には、祇園淵と呼ばれる蛇行点がありました。その蛇行点を閉鎖して作られた堰堤で、あたかも自然の滝のように水が流れるように作られている、めずらしい堰堤です。
脇にある岩盤を切り崩すことで岩盤自体を堰堤としており、自然を巧みに利用した人工物であることが特徴です。
もう1つ、他にはあまり見られない特徴があります。通常、砂防堰堤には水通しと呼ばれる、水を流すためのへこみが本体に備えられていますが、勝沼堰堤にはそれがありません。
代わりに川に向かって槍のように突き出していた岩盤を削って水を通しているので、川の流れを無理のない形に変えることができました。
ウォータークッション法
さらに、オーストリアから招かれた教授が日本に伝えた「ウォータークッション法」という、川の水を高所から落として勢いを弱める最新の手法が用いられています。
勝沼堰堤は、ほぼ周囲の自然物を利用して作られたものですが、一部基礎にコンクリートを使用しました。
当時はまだコンクリートが建設資材としてあまり認知されていなかった時代でしたが、海外では使われており、それを知っていた内務省の役人が、コンクリートで大きな壁を作り、川の流れを止める最新の工法と、その上に石を積む従来の工法を組み合わせた手法で建設を進めたのです。
従来技術に新技術を併せて作られた勝沼堰堤(祇園の滝)は自然の滝に引けをとらず、水量が多く見応えがあります。避暑スポットとにもおすすめです。
勝沼堰堤 祇園の滝 場所
国道20号線深沢入口の信号から階段を下りて10分程度で行けますが、階段が多いので足元に注意してください。足に自信のある方にお勧めです。
高台には東屋があり、そこから堰堤を見下ろすことができます。迫力ある滝の流れをお楽しみ下さい。日川の水が滝となって流れ落ちる姿は迫力がありますよ。
勝沼堰堤 祇園の滝と山梨県の歴史
明治初年から明治20年代に、四方を山に囲まれた山梨県では水害が多発しました。
明治20年代から明治40年代にかけても、引き続き大水害が多発し、特に明治40年の大水害は郡内地方においても大きな被害を出しました。
近隣住人の中には、作家・山本周五郎がいましたが、一家は被災して、東京へ転移することとなったそうです。このように転移を免れない住人は多くいました。
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祇園渕大竜神
勝沼堰堤近くの川沿いには、その昔、「祇園渕大竜神」と呼ばれる水の神がまつられていたといわれています。
堰堤の建設に伴い埋められることになってしまいますが、建設後は見事に災害がなくなり、日川の下流域の人々の暮らしは安全になりました。
住民から新たに神をまつる場所を求める声が上がり、堰堤の上に石碑が建てられることとなったそうです。そして、勝沼堰堤の滝はいつしか「祇園の滝」と呼ばれるようになったと言われています。
水害から地域を救った最新型の勝沼堰堤で、先人たちの知恵を学ぼう!
ここまで読まれたあなたは、勝沼堰堤の魅力について、その大きな役割について、知ることができたと思います。さぁ、次は実際に現地で本物を見てみて下さい。
そこには先人たちの知恵や工夫がたくさんちりばめられているはずです。先人たちの想いや知恵を感じる旅へ出発しましょう!
勝沼堰堤 祇園の滝を訪れた人の口コミ・感想
勝沼堰堤 祇園の滝へのアクセスにはかなりの段数の階段を登る必要があります。
ですから、訪れる際には動きやすいスタイルにするのがお勧めです。ここでは、勝沼堰堤 祇園の滝に関する口コミを紹介いたします。
「歴史の好きな仲間と武田家の由来の土地を回っていたときに、偶然寄ったところです。この回りには武田家由来のお寺やお墓などいろいろあってとても興味があるところでした。勝沼堰堤 祇園の滝のことはまったく知らずに立ち寄りましたがちょっと疲れました。」
「勝沼堰堤 祇園の滝は20号線からすぐ。ドライブにちょうどよい距離だったので行ってみました。ちょっと階段が多いので膝の弱い人や腰の悪い人にはおすすめできません。とても美しい景色ですが、やっぱり体力が必要かと思います。」
勝沼堰堤 祇園の滝の見どころ!水量が多く見応えのあるスポット!【山梨県甲州市】のまとめ
明治の近代技術によって作られた勝沼堰堤 祇園の滝はそのスケールの大きさに今も圧倒されます。国道沿いに位置しているので、車でのアクセスがお勧めです。近くにはフルーツ狩りを楽しめる施設も多くあるので、景観と味覚を同時に楽しめるお勧めスポットです。