和歌山県伊都郡九度山町は、高野山の玄関口にあたる北谷エリアに属しています。ここは、激動の戦国時代を生きた武将・真田幸村が14年間を過ごした街なんです。2016年にNHKの大河ドラマ「真田丸」で幸村が取り上げられたことから、今静かなブームが訪れています。伊都郡九度山町は、とにかく幸村や高野山にゆかりの深い歴史スポットがたくさん!歴女のみなさんも大満足間違いなしです。
真田庵(善名称院)
真田幸村・真田昌幸
戦国武将・真田幸村とその父・昌幸は、1600年の関が原の戦いで敗れた罰として、徳川家康から高野山での謹慎を命じられます。
幸村は、いつか再び武将として戦に出られることを夢見て、鍛錬を続けながらこの地で14年間もの屈辱の歳月を送った末、ついには豊臣秀吉の導きにより、徳川家康を討つ立場として戦場に返り咲きます。
そんな幸村の波乱の人生の足跡が残されているのが、かつての二人の住居であった「真田庵(善名称院)」。
今なお根強い人気を誇る、悲劇の英雄の伝説的な生き様を垣間見ることが出来ます。
真田幸村と昌幸が謹慎を命じられた「高野山」の観光についての情報は、以下をご覧ください。
真田庵宝物資料館
真田庵に併設されている「真田庵宝物資料館」。
真田幸村にゆかりの深い鎧兜や、刀などの貴重な遺物が展示されています。
また、展示内容のひとつでもある「真田紐」は、真田親子が謹慎中に制作したという紐で、刀の柄や鎧兜の一部で使用されるとても丈夫なものです。
当時、家来たちがこの紐を全国の武将に売り歩いて、資金集めや情報収集に励んだといわれています。
謹慎中の二人の、我慢強い質素な暮らしぶりが伺えますね。
九度山・真田ミュージアム
2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」を記念して、幸村が生涯で一番長い時間を過ごした九度山にオープンした「九度山・真田ミュージアム」。
過去には「大河ドラマ展」を行っており、それ以降も様々な企画展を行っています。
十勇士伝説や、真田屋敷を模したからくり部屋などがあり、お子様から大人まで、そろって楽しめるミュージアムです。
14年という長い時間を過ごした九度山での、幸村の生活をここで覗くことができます。
真田古墳
真田古墳は、真田庵から170mほどの場所にある、古墳時代後期(4世紀頃)の古墳です。
かつてこの古墳の穴ははるばる大阪城にまで続いていると考えられており、真田幸村がかつてこの穴を通って大阪城まで出向いていたという地元の伝説が残されています。
実際には大阪への通路ではなく、単なる古墳ではありますが、どこか不思議な雰囲気のある古墳です。
米金の金時像
真田庵にほど近い場所にある「米金の金時像」。
九度山にゆかりの陶芸家・南紀荘平によって、大正のはじめ頃に作られた高さ2メートルほどの陶製の金太郎の像です。
これほど大きな陶製の像は全国でも珍しいのだとか。
躍動感のある堂々とした佇まいにどこかユーモラスな表情を浮かべる金太郎像は、今でもなお地元の人々に愛される九度山のマスコットキャラクターです。
慈尊院
九度山には、真田幸村以外にも魅力的な歴史スポットがいっぱい!
「慈尊院」もそのひとつです。
弘法大師空海によって建立され、空海の母上が長年暮らしていたとして知られる慈尊院。
女人禁制の高野山とは対照的に、こちらは女性のための高野山「女人高野」と呼ばれ親しまれています。
子授け、安産、授乳、乳がん平癒など女性にまつわる数々の祈願のため、おっぱいの形が付いたとても珍しい絵馬が奉納できることでも有名なんですよ。
丹生官省符(にうかんしょうぶ)神社
世界遺産にも登録
こちら「丹生官省符神社」は、空海が慈尊院を建立した際、地元にゆかりのある神、丹生都比売と高野御子を祀って慈尊院のすぐ裏手に創建した神社で、世界遺産にも登録されています。
長い石段を登って緑豊かな境内に入ると、高野山を背にした厳かな雰囲気の中に大きな社が静かに佇んでいます。
丹生官省符神社は、安産や子授け、縁結びの神様として古くから信仰されています。
勝利寺
丹生官省符神社のすぐ横にある石段を登ると現れるのが「勝利寺」です。
こちら勝利寺も空海の建立による寺院。
もともとは健康や安全など、10種類の現世での利益(厄除け)をもたらすといういわれのあるお寺でしたが、現在ではその名の通り「勝利」のご利益がある寺院として、受験やスポーツの勝利を祈願する人々が続々訪れています。
町石道(ちょういしみち)
「町石道」とは、九度山から高野山までの道しるべとして1町(109m)おきに全180本もの石柱が立っている道のことです。
かつては高野山参拝者が通った古い道ですが、現在ではトレッキングコースとして親しまれています。
九度山駅から高野山駅までのコースは約22キロと上級者向けですが、初心者には紀伊細川駅から高野山駅まで約10キロの短縮コースがオススメです。
歴史の息づかいを感じながら緑の中を歩くのはとっても爽快ですよ。
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旧萱野家(大石順教尼の記念館)
10代の若さで不幸な事件に巻き込まれ、両腕を失った大石順教。
口で筆をくわえて字や絵を書く技法を発明し、子供を抱えて両腕のないシングルマザーとして絵で生計を立てて暮らしました。
後には仏教に帰依し、身体障害者の支援活動と絵画をライフワークとして晩年を送りました。
そんな彼女が高野山で出家した際に菩提親(後見人)となったのが、ここ旧萱野家の人々でした。
ここでは、大石順教尼の残した優れた書画や愛用品が展示されており、激動の人生を送った大石順教尼の生涯に触れることが出来ます。
伊都郡九度山町の観光!大河ドラマ「真田丸」で注目の見どころスポット【和歌山県伊都郡九度山町】のまとめ
自然の中に歴史が息づく街・伊都郡九度山町。地元住民の皆さんも、九度山の歴史をとっても大事にしていて、町のいたるところに歴史ゆかりのアイテムが発見できます。この夏は九度山をぶらっと散策して、はるかな歴史に思いを馳せてみてくださいね。