鳥取県鳥取市の海鮮市場かろいちは、正式名称を「鳥取港海鮮産物市場 かろいち」といい、鳥取県鳥取市を流れる千代川の河口にある鳥取港から2分のところにあります。鳥取港のある町の名前が、加露町(かろまち)というところからその名前がつきました。また、鳥取港は以前加露港(かろこう・かろみなと)とも呼ばれていたこともあり「加露の市場」ということで「かろいち」となったようです。鳥取市街地からも近く、鳥取港とれたての海産物が販売されていることもあって「とっとりの台所」と呼ばれています。
「松葉かに」だけじゃないよ!はたはたもたくさん採れるよ!
日本海に面した地域は海洋資源が豊富で、通年にわたってさまざまな魚介類が採れます。冬場にはズワイガニが良く採れ、各地で名産となっています。
山陰地方で、冬場に採れるズワイガニは
「松葉がに」
と呼ばれますが、「松葉がに」の名称が発祥した土地は、なんと鳥取県だそうです。旬は11月頃から2月頃までです。
また、鳥取県で漁獲高の多いものは、意外にもはたはたです。鳥取県で採れる「はたはた」は2種類あり、
- あかはた
- しろはた
です。
全国的にいう「はたはた」は「しろはた」のことです。
「はたはた」というと、秋田県の名物で「秋田音頭」という歌にも唄われるほど
なのですが、山陰地方でも多く漁獲され、漁獲高は毎年上位に君臨しています。
「はた坊」なる、イメージキャラクターを商標登録してPRに努めています。
はたはたは、
- 干物
- 焼き魚
として食べるようですが、肉厚のものは刺身にして食べることができます。旬は3月頃から5月頃までです。
夏場に旬を迎える牡蠣。天然岩ガキ「夏輝」
別名「海のミルク」
とも呼ばれる牡蠣。日本国内で出荷される牡蠣には
- 岩牡蠣
- 真牡蠣
の2種類があります。
2種類を比べると、多くの点で違いがあります。旬として出荷される時期もそのひとつで、冬に出荷されるのが「真牡蠣」、夏場に出荷されるのが「岩牡蠣」です。
日本海側に面する鳥取県で多く出荷されるのは「岩牡蠣」です。
鳥取県では、岩牡蠣の漁を6月1日から8月末に限定したり、大きさや重さの制限をしたりなどと、品質の安定化や資源の保持に努めています。
鳥取県で生産物として初めて商標登録された天然岩牡蠣「夏輝」(なつき)は、鳥取で採れる天然岩牡蠣の中でも基準(横幅13センチ以上・形が平ら型なもの)を合格したものだけに「夏輝」のブランド帯をつけることができます。
鳥取県全体で「夏輝」を盛り上げていこうという取り組みです。
あまりの美味しさに「夏輝」のとりこになること、うけあいです。
鳥取の食文化「とうふちくわ」
実は江戸時代の鳥取は漁港の整備が遅れていました。そのため、川魚以外の魚が高価でした。
山間地も多く、大豆を多く栽培していたこともあり、時の因幡藩主は質素・倹約のおり「魚を食べずに、とうふを食す」ことを推奨しました。
そのため明治時代には、数多く豆腐屋があったといいます。
すり身につかう魚が不足する中で
「ちくわをたべたい」
という、庶民の要望もあり生まれたのが「とうふちくわ」です。
とうふちくわの里「ちむら」は、文禄元年(1592年)創業の老舗で、江戸時代の製法を愚直に守ることから、鳥取県での
「ハレの日には、とうふちくわ」
といわれるほど、定着し、現在に至ります。
かろいちには支店があり、工場直送のとうふちくわを購入することができます。
鳥取に来たなら「すなば珈琲」。「かろいち」にもあるよ!
すなば珈琲は鳥取県でのみ店舗を展開する喫茶店です。平成24年(2012年)に2店舗をオープンさせ、その後鳥取県民に愛されて躍進を続けています。
どこかの有名珈琲チェーンに名前すら似ていますが、その人気は鳥取県の観光イメージ調査では常に上位に位置するほどです。
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地元でしか食べられない「もさえび」
日本海側で主に採れるのですが、“足の早いえび”=鮮度の落ちが早いため、市場には出回らないえびがあります。鳥取県では、そのえびを
「もさえび」
と呼んでいます。
甘えびよりも甘く、食べ応えがあり。それこそ「焼いてよし・刺身によし・味噌汁にもよし」と言うことなしです。
かろいちでは、もさえびを使ったさまざまな料理を味わうことができます。旬は9月頃から5月頃までになります。
「かろいち」で食事をするならここ!ごちそう空間 若林
同じかろいち内にあるごちそう空間 若林では、鮮魚店である若林商店の直営店ならではの新鮮な魚介類を味わうことができます。
若林商店のお隣にあります。その他にも西日本で初めて”いけす”を創った飲食店などがあり、それぞれ魚介料理を味わうことができます。
かろいちへのアクセス情報
- 車の場合:中国自動車道・作用JCTに向かいます。その後、鳥取自動車道を経由します。
作用JCTから鳥取ICは約1時間、鳥取ICから「かろいち」、鳥取西ICから「かろいち」は約10分です。- JRの場合:鳥取駅が最寄り駅です。鳥取駅からは、車で約20分、路線バスですと5番乗り場から乗車し30分から40分くらいです。
- バスの場合:土日祝日・8月1日から31日まで運行している観光路線バス「ループ麒麟獅子」を利用すると約50分です。
- 飛行機の場合:成田空港から鳥取コナン空港まで約1時間20分。周遊バスに乗ると8分です。
※価格は平成29年6月現在の情報です。
海鮮市場かろいちの見どころ!鳥取だけで食べられる魚介類を手にするならここ!【鳥取県鳥取市】のまとめ
鳥取港海鮮産物市場「かろいち」は鳥取港に近く、四季折々の日本海の海の幸を比較的安価で購入することができます。鮮度が落ちるのが早いため、地元でのみ消費される「モサエビ」を求め、近畿方面から車を走らせて来訪する方も多いです。四季の旬な魚料理も楽しめる「かろいち」。鳥取に訪れた際には、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。