島根県奥出雲町〜雲南市を走るトロッコ列車「奥出雲おろち号」をご紹介します。なんと1日1往復の限定運行!どんな絶景が拡がるのか、気になりますね。トロッコ列車「奥出雲おろち号」とは、出雲神話の舞台・奥出雲・雲南市の山あいを走り抜ける観光列車です。それでは、どうぞご覧ください!
奥出雲おろち号
この列車は、ガラスや壁のない、大きく解放された窓からはさわやかな風が通り抜け、爽快感バツグンのトロッコ列車です。
また、車体は、青と白の色に塗られ、星を散りばめたデザインになっています。
運転区間は、JR木次線の木次駅から広島県庄原市の備後落合駅間(60.8km)を2両編成で一日一往復します。
1両目はいわゆるトロッコ状態の車両です。窓ガラスがありません。4人席が16ックスで定員は64名です。
もう1両は、座席は同じ定員です。雨が降ってきた時などに備えて予備的な車両です。
要するに一人で2つの座席が指定席となっています。
列車には、観光ガイドが乗車しており奥出雲の神話や沿線の見どころなどの説明をしたり、お土産物の販売もしてくれます。
お楽しみは頭の上に…!!?
なんと特別な設備としてトンネルに入ると車両の天井にオロチが映し出されます。
久野(くの)駅付近で、約1kmのトンネルに入ります。物凄い轟音と共にトンネルに入ると天井にオロチです。
また、トンネルは、もう数十年前まで走っていた蒸気機関車のすすのにおいがかすかにしますので、いつかの情景を思い出し思わず窓を閉めようとしたら窓がありませんでした。
それにしても長いトンネルです。でも、直線なのでずーっと先に出口を確認する事が出来ます。
おススメ車内販売グルメ
車内販売では、
- 仁多牛弁当
- 米焼酎「奥出雲おろち号」陶器ボトル
- 笹ずし
- てなづちの里の「クリーム大福」カスタードプリン
など、沿線の美味しいものが販売されます。
ただし、仁多牛弁当は、要予約ですので注意して下さい。
駅長そばの扇屋
沿線の駅には、松本清張の「砂の器」で有名になった亀嵩駅があります。
その駅は、「駅長そば」で知られる食堂が併設されています。駅の事務室を改造して、おそば屋さんがきっぷを売る時は駅長の帽子をかぶって対応してくれます。
お店の名は「扇屋」です。トロッコ列車までそばを持って来て販売はしていませんので、ご注意ください!
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神話にちなんだ駅の愛称
もう少しで出雲横田駅です。この駅は、愛称は「奇稲田姫」(くしいなだひめ)です。木次線の各駅にはこうして愛称が付けられています。
トロッコ列車は順調に線路を少しずつ登って行きます。やまたのオロチ伝説の斐伊川の水源、船通山(せんつうざん)にちなんだ名前です。
沿線の見どころ
延命水
いよいよ木次線最大の見どころの出雲坂根駅に到着すると、駅ホームには、おばさんが、焼き鳥と缶ビールを販売しています。
また、ホームには、寿命百年の古狸も愛飲したという伝説の「延命水」が湧き出ています。
冷たくておいしい水ですので少し延命される事をお勧めします。ペットボトルに酌んでも無料になっております。
この駅では数分間、列車は停車していますので、十分間に合います。
三段式のスイッチバック
ところで、坂根駅は、全国でも珍しい3段式スイッチバックのある駅です。
スイッチバックとは進行方向と逆に引き込み線を設け、いったん後退してそこに入り、再び前進する急勾配の登坂法のことです。
トロッコ列車の一番前からは、スイッチバックの様子がよく見えます。列車が反対方向に走った時には、後ろから押したり引っ張ったりしながら走ります。
面白いのは、運転手さんたちです。押す時は、一旦停車したときに反対に走って運転するのかと思いきやトロッコの車両の前に見張り役(?)の人が椅子にちょこんと座って監視カメラ役をしています。
これってどうなんでしょうね。一度のスイッチバックで約50mずつ登っていくようです。
先ほどの焼き鳥のおばさんが手を振っています。おばさんを起点とすると、どのくらい登ったのかがよくわかります。
奥出雲おろちループ橋
スイッチバックが終わると進行方向の右手に赤い「おろちループ橋」が見えてきます。
奥出雲おろちループ(おくいずもおろちループ)は、島根県仁多郡奥出雲町(国道314号)にあるループ線です。
ぐるぐると回りながら登っていくので、オロチがどぐろを巻いている様子から命名されています。標高差は約105mです。
この辺りは、空きには紅葉の名所です。標高いくらくらいでしょうね。宍道駅を出発した時は暑かったのに随分と涼しさが増しています。
4~5℃は違う感じがします。気付くと、列車は、さっきまで懸命に登っていたはずですが、下っています。この辺りが分水嶺です。やがて三井野原駅にさしかかります。
駅直結のゲレンデ
駅の線路を挟んで両側がスキー場のゲレンデです。列車から直接滑れると有名な駅です。
すぐに滑れるなんて、冬にもう一度来たいものです。
列車は、終着駅の備後落合駅に到着しました。約2時間30分の乗車でした。ガイドさんから、一人ひとりに絵葉書を乗車記念でいただきました。
ここは、駅前でもほとんど何もありません。駅員さんもいないので全く静かなものです。
約20分の休憩の後に折り返しの出発です。帰りは、ほとんどのお客さんも変わりがないように思えますが席替えがありました。座席指定席が違うようです。
もうひとつの車両にはクーラーも効いていると思いますが、誰一人移る人はいないようです。
この列車の最高な時期は、秋の紅葉の季節でしょうか。
でも、標高差がありますので、春でも夏でもその季節の移ろいを体感出来ますので、いつでも(列車の運行期間)気分爽快になる事には違いありません。
運転案内
平年4月〜11月の半ばまでの金・土・日・祝日と、ゴールデンウイーク・夏休み・紅葉の期間は平日毎日運転します。
季節に応じた防寒着をご用意ください。
運転情報は JRおでかけネットでご確認ください。
島根県奥出雲町の観光・お出かけスポット
奥出雲町の他の見どころをまとめました。
奥出雲おろち号の乗車レポート!神話の里を駆け抜けるトロッコ列車!【島根県仁多郡奥出雲町】のまとめ
期間限定の1日1本、とても特別感のあるトロッコ列車です。島根に来た際には、ぜひこのトロッコ列車に乗ってみてくださいね。きっと、あなたの旅の思い出が、より一層色濃くなること間違いなしです。島根県でみなさまをお越しをお待ちしております!