三瓶自然館サヒメル(以下サヒメル)は、大田市三瓶町多根にある自然史博物館です。三瓶山を中心に島根県のさまざまな自然について展示・紹介しています。企画展を中心に毎週土日は楽しいイベントも開催されています。またプラネタリウムも併設されており、リクライニングシート式の座席で最大36万5000個の星を見ることもできます。近くにある三瓶小豆原埋没林の埋没樹標本の展示や、毎週土曜日の夜に天体観察会も開催しており、多岐に渡るコンテンツが魅力です。
三瓶山ってどんなところ?
三瓶山(さんべさん)は、島根県のほぼ中央部の大田市・飯南町にまたがりそびえる、島根県で最も高い山です。
大山隠岐国立公園の一部でもあり、平成15年の活火山の定義見直しで活火山に指定されました。
主峰の「男三瓶山」(標高1,126m)をはじめとする複数の峰が、「室ノ内」と呼ばれるくぼ地を取り囲むように、環状に連なる稜線を描く姿は、まさに圧巻のひとことです。
『出雲国風土記』では、三瓶山は「佐比売山(さひめやま)」の名で記されており、「佐比売」の名は、昭和29年に大田市に合併するまでの地名「佐比売村」として残っていました。
サヒメルの名の由来はここから来ています。
国引き神話の舞台
三瓶山は、『出雲国風土記』が伝える「国引き神話」に登場します。
国引き神話では、三瓶山は鳥取県の大山と共に国を引き寄せた綱をつなぎ止めた杭とされています。
「くにびき」は、島根県と鳥取県を結んだ特急の列車名にも使用されていたのをご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
三瓶自然館サヒメルの展示内容
三瓶自然館サヒメルでは
- 三瓶山の歴史
- 三瓶山の自然
をはじめ、
- 付近に生息する生き物
- レッドデータブックに記載されている絶滅の危機に晒されている生き物
- 「リャンコ大王」と呼ばれていた現存する最大のニホンアシカの剥製
などが展示されています。
プラネタリウム
また、プラネタリウムでは星の紹介だけではなく、20分程度のオリジナル映画も上映されています。
ここでしか見られないアニメ「鷹の爪」とのコラボムービーもありますよ。
プラネタリウムのドーム空間いっぱいに美しく鮮やかな映像が広がる大型ドーム映像は、平成28年4月にリニューアルされました。
それまでの70mmフィルム映写機にかわり、最新のレーザー光源採用デジタルプロジェクターを4台組み合わせたシステムとなり、今まで以上に臨場感あふれる映像になりました。
映画用の全天周映像システムとしては、日本でも屈指の明るさと鮮やかさを誇ります。
プラネタリウムの映像も素晴らしいのですが、三瓶山は空気が澄んでいるおかげで、非常に美しい星空を観賞することが出来ます。
近くにキャンプ場や宿泊施設もありますので、一泊して星空を眺めるプランもオススメですよ。
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サヒメル周辺の観光スポット
三瓶小豆原埋没林
まず最初にご紹介するのは、三瓶小豆原埋没林です。
三瓶小豆原埋没林は縄文時代の森が地中に埋もれ、生きていた時のまま根を張り、さらに長い幹を残したまま直立しています。
複数の樹木が根を張った状態で地層に埋もれたものが
- 「埋没林」
- 「化石林」
と呼ばれ、全国で数十カ所が知られています。
その大部分は根もと付近が残るのみで、長い幹を残すものは世界的にも珍しい存在です。
三瓶小豆原埋没林では、立木、倒木ともにスギが過半数をしめ、特に直径1mを超える大径木はほとんどがスギです。
スギ以外ではトチノキ、ケヤキ、カシの仲間などがあります。
埋没林の樹種構成から、縄文時代の三瓶山北麓の谷筋には純林に近いスギ林が広がり、その間にトチノキなどの広葉樹がわずかに生えていたことがわかります。
なお、現在、中国地方では小豆原付近の高さ(標高200m)にはスギの自生林は残っていません。不思議ですね!
小さな入口から中に降りていくと、約4000年前の木々の化石が出迎えてくれます。
樹脂でコーティングされているので腐食もせず、一部の木には実際に触れることもできるのが嬉しいです。
入口からは想像もできないほど中は広く、直径1mを超える大きなスギを実際に目の当たりにすると、感動もひとしおです。
ただ、最深部は地下13mにもなるので、降りたあとまた登るのはなかなか大変だったりします。
普段、あまり運動されない方は、どうか覚悟してください(笑)。
小豆原埋没林は、なんといっても夏に行くのがオススメです。地中は空気が非常にひんやりとしていて、涼みに行くのには絶好のスポットです。
また夜は美しい天の川がハッキリと観測でき、三瓶山の勇壮かつ美しい自然をたっぷり堪能できます。
5月末から6月初旬にはホタルの乱舞が見学できるそうです。
毎年6月には「蛍カフェ」という、地産食材を使った食事と、蛍の光をゆったりと楽しめるイベントも開催されています。
詳しくは「三瓶山広域ツーリズム振興協議会」で検索してください。
三瓶温泉
埋没林を見た後は、温泉でさっぱりするのはいかがですか? 三瓶山は火山ですので、温泉が沢山湧いています。
三瓶温泉は江戸時代から続く歴史ある温泉で、塩分と鉄分、炭酸が多く含まれ、そのぬくもりは長時間続くそうです。
「国民宿舎さんべ荘」では源泉掛け流しの湯を大人一名500円で楽しめます。
また、駐車場には無料で入れる足湯もあり、温泉に入らなくても三瓶の湯を体験できるのでオススメですよ。
アクセス
サヒメルへのアクセスは、車が便利です。JR大田市駅から路線バスがありますが、便数は1日2~3便に限られます。
【自家用車の場合】
- 松江自動車道吉田掛合ICより:40分(国道54号経由)
- 国自動車道三次ICより:90分(国道54号経由)
- JR出雲市駅より:70分
- JR大田市駅より:30分
詳細な地図はサヒメルのホームページをご覧ください。
また、毎週火曜日は休館日ですので、行かれる前にサヒメルのホームページで確認することをオススメします。
大田市の観光・お出かけスポット
大田市の他の見どころをまとめました。
三瓶自然館サヒメルの見どころ!自然の営みを楽しく学ぼう!【島根県大田市】のまとめ
他にもキャンプ、登山など、三瓶山を遊び尽くす方法は沢山あります。サヒメルで三瓶山について学んだ後、アウトドアを楽しむのもいいかもしれませんね!三瓶山の勇壮で美しい自然を余すことなく体験できるサヒメルに、あなたも是非足を運んでみませんか? マスコットキャラのテンピーも、あなたのお越しを首を長くしてお待ちしておりますよ!