仁摩サンドミュージアムは、島根県大田市仁摩町天河内にある砂の博物館です。一年間の時を刻む、世界一大きな砂時計がメインシンボルになっています。建物はガラス張りの6つのピラミッド型をしていて、このユニークな形は旧・仁摩町出身の高松伸さんの設計によるものです。
仁摩サンドミュージアム
「一年計砂時計」と呼ばれているメインシンボルは、なんと1年間をかけて1tの砂を落とすという世界最大の砂時計なのです!
落とす砂の量はコンピュータでコントロールされているそうです。
1991年1月1日に、式典に集まった旧・仁摩町民がロープによって反転させ、砂時計は時を刻み始めました。
2015年5月16日には、来館者200万人を達成し、同年9月には一年計砂時計「砂曆」がギネス世界記録に登録されました。
毎年、12月31日から1月1日にかけて「時の祭典」が開かれており、地元アイドルのコンサートやライブといった催し物の後、一年計砂時計を翌年の年男・年女の方の綱引きで5分間、じっくり時間をかけてロープで反転させるイベントがあります。
直径1m、高さ5.2mという大きな大きな一年砂時計の中には、琴ヶ浜の鳴り砂が入っています。
鳴り砂とは、丸みを帯びた石英(せきえい)が65%以上含まれ、外からチカラを与えると、「キュッ、キュッ」という音がなるような砂です。
鳴り砂がある浜の数は約30ヵ所あるといわれており、ゴミなどで汚れていないことが絶対条件であり、さらには均一な砂粒出ないと鳴り砂にはならないというほど希少な砂なのです。
そのため、鳴り砂がある浜が今はとても少ないのが現状です。
しかしこの「琴ヶ浜」は、日本に数少ない鳴り砂の一つでとても注目されているので、琴ヶ浜に訪れた時は決してゴミなどを捨てないでくださいね!
琴姫伝説
ところで、 「琴ヶ浜」と「鳴き砂」の由来ですが、実は「琴姫伝説」という民話がもとになっているそうです。
壇ノ浦の源平合戦で平家が滅亡した寿永4年(1185年)の春、一艘の小船が浜に流れ着きました。
その小舟の中にいた美しい女性が、気を失ったまま琴を抱かれていたそうです。
その後、姫は村人たちに助けてもらい、何とか最悪の事態を避けられたそうです。
この姫が、村人たちから授かった恩恵のお返しに、抱きかかえていた琴の音をもって演奏し続け、村人たちは毎晩のように奏でに酔いしれていたそうです。
しかし、1年が過ぎたころにこの女性は亡くなってしまったのですが、翌朝にいつもの琴の音色が鳴り響いたそうです。
村に残してくれた音色は、村中で「琴ヶ浜の伝説」だと言われるようになったわけです。
民話がもとに今でも魅力溢れる仁摩サンドミュージアムに来た際には、ぜひこのお話を思い出しながら過ごしてみて下さい!
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漫画「砂時計」で一気にブレイク
漫画家・芦原妃名子氏の原作コミックの「砂時計」で、主人公「杏」が砂時計を買っていたシーンを観た方はいらっしゃいいますか?
その砂時計が、仁摩サンドミュージアムの砂時計なのです!
この漫画は、売上累計350万部を超える人気作品で、のちにテレビドラマ化され、さらには映画化され、日本中に「仁摩サンドミュージアム」の名を一気に知らしめる事になりました。
特に劇中に出てくる砂時計の人気が非常に高く、ミュージアムショップでは、ガラス細工のアクセサリーや器などの他、ドラマで出てきた同型の砂時計も販売されています。
しかし、この砂時計は日本で二人しかいない砂時計職人の一人、金子實さんが一品一品を丁寧に作り上げているため大量生産ができないそうです。
ドラマ放映時はあまりの人気に在庫もなく、すでに予約もいっぱいの状態でしたが、現在は仁摩サンドミュージアムのホームページにある「ミュージアムショップ」で通販できます。
もちろん現地でお土産として買っても喜ばれると思います!
ちなみに仁摩サンドミュージアムの館内の休憩スペースには、「砂時計」の原作コミックが置いてあります。
まだ原作を読んだ事がないという人も、ここで読んでから館内をまわってみると、また違った印象を楽しめるのではないでしょうか?
仁摩サンドミュージアムへのアクセス方法
実を言うと、仁摩サンドミュージアムはかなり交通のアクセスが悪いです。JR仁万駅から徒歩10分もかかり、ミュージアムへの直通バスもありません。
このためタクシー、レンタカー等で来場されるのをオススメします。
なお、大朝IC から80分、江津IC から40分、三次IC から120分(細道注意)、出雲IC から50分と、車でもかなり時間がかかります。
仁摩サンドミュージアムから琴ヶ浜へは、JRを使っての移動が便利です。 JR馬路駅で下車し、徒歩5分で琴ヶ浜へ到着します。
海岸には琴姫の碑もあり、鳴り砂を踏みしめながら、琴姫伝説に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
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大田市の他の見どころをまとめました。
仁摩サンドミュージアムに行ってみよう!漫画「砂時計」で大ブレイク!【島根県大田市】のまとめ
仁摩サンドミュージアムには、砂時計だけではなく、四季折々の花が植えられた大きな花壇が来訪者の心を癒してくれます。また、観賞するだけでなく、ガラス工芸品の制作も体験できます。コップ、灰皿、アクセサリー、キャンドルなど、約一時間で自分だけのガラス製品を作ることが出来るので、旅の記念に是非!(料金 1000円~1500円)また、屋上は水辺の庭になっており、ひとときの涼が楽しめます。都会の喧騒を忘れ、仁摩サンドミュージアムや琴ヶ浜でのんびりとした時を過ごして、あなたの胸の中の砂時計をくるっと回転させてみませんか? きっと素敵なリフレッシュが出来ると思います。世界一大きな砂時計は、さらさらと時を刻みながら、あなたのお越しをお待ちしております!