鬼の舌震の見どころについて!島根県奥出雲町にある鬼の舌震をご紹介します。まっすぐ進む一本橋…ドキドキしながら下を見ると…?!どうぞご覧ください!鬼の舌震(おにのしたぶるい)は島根県奥出雲町にある峡谷で、ヤマタノオロチ伝説の斐伊川支流の大馬木川上流に位置するV字谷です。
鬼の舌震とはどんなところ?
国の名勝及び天然記念物に指定されています。正式指定名称は鬼舌振(おにのしたぶる)です。
斐伊川の支流馬木川の急流が岩を削ってつくりだした、およそ3kmにわたる大渓谷です。
Ⅴ字谷の左右には、大天狗岩、小天狗岩などの岩壁が屹立(きつりつ)しています。
また、谷のいたるところに、はんど岩や亀岩、千畳敷、天狗遊岩、畳石など、風化や水食による奇岩や怪岩が累々として横たわり、河底には大小の甌穴群がみられます。
清流はそれらの間を縫って急流をつくり、またいたるところに深淵をたたえ、壮大な景観を展開しています。
渓谷沿いの遊歩道は2km弱あり、紅葉の時期が一番美しくお勧めですが、春は新緑にツツジや夏には渓流の涼、都回の雑踏を忘れさせてくれる事には間違いありません。
一帯は粗粒黒雲母花崗岩からなっており、それらが長年に亘って浸食されたものです。
谷底には無数の甌穴、巨岩が至る所に露出しており、得も言われぬ奇観を呈しています。
一帯には樹木に覆われ、コナラの二次林が中心で、河川は清流で知られ、オイカワ、ウグイなどが泳ぐほか、ヤマセミ、カワガラスなど清流に棲む鳥類も見られます。
名前の由来は、『出雲国風土記』戀山(したいやま)の記述の中にあります。
かつてこの地には玉日姫という美しい女神が住んでいました。その女神をワニが慕い、夜な夜な通ってきたにのだが、それを嫌った女神は巨岩で川をせき止めて阻んでしまった。
その後、ワニは一層激しく姫を恋い慕い、「ワニが慕った」が転じて『鬼の舌震』という名前になりました。
もう一つの由来は、切り立った岩に立った鬼があまりの高さに舌を震わせたとも言われています。
あれ意外?!嬉しいバリアフリー設計の恋吊り橋!
また、2013年に高さ45m、長さ160mの「舌震“恋”吊り橋」とバリアフリー遊歩道が全開通しました。
宇根駐車場から下高尾駐車場まで全道がバリアフリー化され、車いすでも奇勝を見る事ができるようになりました。
高所恐怖症の方は鬼も怖がる程ですので、あまり下をご覧いただけないかもしれません。
それでは、お勧めルートの下高尾駐車場かららくらく遊歩道コースでの紹介をします。
全長約2.5kmに及ぶ「鬼の舌震」には、バリアフリーの遊歩道が設けられていますので、車いす使用者や高齢者も安心して散策が楽しめます。
下高尾駐車場から下流に向けて約600mの区間です。
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早速進んで見ましょう!!
最初にお出迎えしてくれるのはは「獅子頭岩」です。川の流れも穏やかなところにあり、5月中旬のころには、カワツツジが川面に映る奇岩です。
近くにはシャチに良く似た「鯱岩(しゃちいわ)」もあります。
そして、奇岩が顔を覗かせ始めます。「鬼の陰陽石」は、遊歩道の対岸に見える石です。大きな石に一筋の割れ目が入り自然の力を感じる石です。
ここからは、自然林の中を進むようになります。
間近に見える木の幹、そして、木立の間にたたずむ、山野草などを見ながら、次第に大きくなる川の流れの音、鳥のさえずりを聞きながら、自然の中に溶け込んで行く感覚になります。
木立の間から見え始めるのが「舌震橋」です。この橋は、つり橋になっていますので、少しゆれてスリルがあります。
舌震橋を渡ると、遊歩道の足元に「試刀岩」が見えてきます。大きな巨岩を刀で切ったような、きれいな切り口が特徴的な巨岩です。
本当に、刀の切れ味を試したかのように思えます。
少し進むと、「千畳敷」です。この岩は、この渓谷の中で最も板状の平面が大きく美しい岩です。
ここら辺りは、すでに断崖に作られた遊歩道を進みます。後で「あんな高いとこ進んできたんだ!」と思うほど、自然に溶け込んでいます。
このあたりでは、急な川の流れでゴーゴーいう音と水煙を立てる「牛の首」や「大亀岩」「姫の投扇跡」なども見ることが出来ます。
この断崖の遊歩道からは、いよいよ迫力あるスポットが見えてきます。
先ず遊歩道から目に入ってくるのが、「鯨岩」と「舟岩剣岩」です。遊歩道の高さを感じる事が出来ます。
ここからは、さらに大きな奇岩・巨岩が川をふさぎます。大きな岩が、「鯨岩」です。
その名のとおり、大きな体付きに凸凹した岩肌が、ザトウクジラのようにも見え、「鬼の舌震」の激流を横切っているように見えます。
その横で、断崖に身を任せるのが「舟岩剣岩」です。舳先(へさき)を天に向かって突き出した舟のようにも見え、古くは「天の岩舟」とも呼ばれていました。
また、この岩を下流から見ると切っ先の鋭い剣のようにも見えることから「剣岩」とも言われています。
そして、この岩のほんの少し下流には、激流の中から頭を覗かせた、小さな岩が見えてきます。これが「大山椒魚岩(おおさんしょうおいわ」です。
この岩は、清流に住むオオサンショウオに良く似た形から、名づけられました。水の多い日は、頭の部分しか見えない変った岩です。
この岩が見えるところ辺りからは、「鬼の舌震」のシンボル的な奇岩、「はんど岩」が対岸の中腹に見えてきます。
この岩は不思議な岩で、逆三角形の形をしていて、立っているのが不思議なくらいの岩なのです。小さな足元に、頭でっかちな図体で、鬼の舌震を見下ろしています。
少し揺すっただけで、ひっくり返ってしまうのではないかと心配になります。
この「はんど岩」には、「畳岩」にかかる橋を通って遊歩道を少し登ると、間近に見えるスポットまで歩いて行くことが出来ます。
この辺りでバリアフリーの遊歩道の終点です。
ここの、回転場所でUターンとなります。ここまでで、所要時間は約45~60分です。
ここから先は、徒歩だけでの散策となりますが、見どころはまだまだ沢山あります。
例えば、鬼が涙を流しているように見える「鬼の落涙岩」・烏帽子をかぶり口を突きだした烏天狗のように見える「子天狗岩」・姫の湯殿と言われる「雨壺」などが迫力満点です。
観光に訪れる季節は、春から秋がメインなりますまた、なだらかなスロープの遊歩道が整備され、多目的トイレも設置されていますので、安心してゆったりと散策下さい。
また、真冬の積雪時にはあまりお勧めは出来ませんが、少しであれば雪景色もなかなかの風景で、それなりの覚悟で訪れれば期待は裏切らないと思います。
鬼の舌震の基本情報
- 所在地:島根県仁多郡奥出雲町三成
- お問合せ先:奥出雲観光協会
- 電話:0854(54)2260
- FAX:0854(54)1229
- 尚、最寄りの公共交通機関は、JR木次線出雲三成駅からタクシーで約15分です。
島根県奥出雲町の観光・お出かけスポット
奥出雲町の他の見どころをまとめました。
鬼の舌震の見どころ!恋吊り橋と呼ばれるドキドキのスポット!【島根県仁多郡奥出雲町】のまとめ
自然が拡がる場所だと、どうしても車椅子では行きにくいイメージがありますが、これなら誰とでも一緒に大自然を楽しむことができますね。絶景の景色も、緑の気持ちよさも、そして吊橋のドキドキも、みんなで楽しめる素敵な場所でした。ぜひ、みなさまも一度ご体験してみてくださいね!