島根県出雲市の一畑薬師についてご紹介していきます! 一畑山麓の 日本海の赤浦海中から地元の漁師・与市(後に補然と改名)が引き揚げた薬師如来をご本尊としてお祀りし、医王寺として創建したのが始まりです。与市の母親の目が開いたり 戦国の世に小さな幼児が救かった事から「目のお薬師」「子供の無事成長の仏様」として広く信仰されるに至りました。
畑薬師(一畑寺)の歴史は
一畑寺(いちばたじ)は、出雲神話の国引きで名高い島根半島の中心、標高300mの一畑山頂にあります。
「一畑薬師(いちばたやくし)」とは「一畑寺のお薬師さま」の意味で、仏さまのお名前ということも表しています。
寺の名称は正式には「一畑寺」ですが、「一畑薬師」という通称が広く親しまれています。
創建は平安時代の寛平6年(894年)まで遡ります。
江戸時代中期になると、一畑信仰は中国地方をはじめ、九州、四国、近畿、東北にまで広まりました。
遠方からこの一畑薬師まで参拝に来るのは大変だったので、遠隔地からの遥拝所として「一畑灯篭」が建てられました。
出雲地方ではこの灯篭を様々な場所で見ることが出来ます。
あの小泉八雲も松江に来る途中にこの灯篭に見入ったと言われています。
伽藍
- 薬師本堂(1890年再建)
- 観音堂(1938年建立)
- 八万四千仏堂
- 法堂(1809年建立)
- 書院(1813年建造)
- 東陽坊
- 鐘楼堂(1936年建立)
- 守礼堂
- 仁王門
- 開基堂
- 文化財・県指定
- 絵画
- 紙本墨画著色書院障壁画(22面) – 文化12年(1815年)
- 絹本著色阿弥陀三尊像 – 高麗絵画
年間の主な行事
- 1月1日 修正会
- 1月1日 – 1月16日 開運福引
- 1月8日 開運星まつり、交通安全祈願祭
- 2月8日 開基会
- 3月8日人形供養祭
- 3月24日 – 3月28日 中国・普陀山参拝
- 4月4日 – 4月6日 坂東観音霊場巡拝
- 4月8日 春季大祭、花まつり
- 4月23日 出雲國神仏霊場巡拝
- 4月29日 – 5月8日 二歳児まつり 四歳児お礼まいり
- 6月8日 八万四千仏供養祭
- 6月18日 お経を学ぶ会
- 7月15日 出雲國神仏霊場巡拝
- 7月22日 – 7月23日 右矢印夏季一泊坐禅会
- 8月8日 盆供養祭
- 8月18日 ― 8月19日 右矢印夏休み子ども体験道場
- 9月2日 万灯祭、奉納一畑踊り
- 9月2日 – 9月3日 一畑薬師茶会
- 9月8日 秋季大祭、眼病・諸病平癒特別祈願祭
- 10月8日 報恩感謝祭
- 10月15日 出雲國神仏霊場巡拝
- 10月21日 お経を学ぶ会
- 10月22日 赤浦参拝
- 10月29日 一畑薬師マラソン大会
- 11月8日 めがね供養祭
- 11月5日 – 11月7日 右矢印中国観音霊場巡拝
- 12月2日 – 12月3日 右矢印冬季一泊坐禅会
- 12月8日 古札供養祭
- 12月31日 除夜の鐘
札所
- 出雲十大薬師霊場第1番
- 出雲國神仏霊場第3番
- 出雲観音霊場特別霊場
- 中国観音霊場第26番
一畑薬師への参拝
「目のお薬師様」として、古くから全国的な信仰があり、1300段余りの参道石段でも有名ですが、現在では、石段を登ることはなく車で山上の駐車場まで行く事が出来ます。
参道にはお土産物やそば、うどん、丼物などの飲食も出来ます。
全国から年間70万人余の参拝があり、日々のご祈念、例月祭、座禅会、団体研修、茶会、奉納音楽祭など年間を通してさまざまな行事が催されています。
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何故「一畑」なの?
「一畑」 の地名の由来は 薬草(お茶)畑の番号だったそうです。
壱畑には、『お茶湯(ちゃとう)』と呼ばれる特別なお茶があります。
『お茶湯(ちゃとう)』は境内の薬草畑『一の畑』で採れたお茶の葉を煎じ、一畑山に湧き出る清水で淹れ、薬師如来にお供えしてご祈念したものです。
創開当時から、万病に効くといわれ、ことに眼病を患っている人は、まぶたの上にお茶を塗り、両手を合わせてご真言を唱えていただくことで、目を守ってくださると伝えられています。
「畑電」は一畑薬師の参拝電車だった?!
島根県の出雲・大社~松江を結ぶローカル私鉄に「一畑電鉄」があります。
どうして一畑なのでしょうか。と思われた方も少なくないでしょう?
そもそも、この電車は沿線の一畑薬師参拝用に敷設された私鉄なのです。一畑電鉄には一畑口という駅があり、昔は一畑パーク(遊園地)もあって一畑山までここから線路も伸びていました。
「一畑口」の駅は 現在でもスイッチバックになっているのもそういう理由です。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)も一畑薬師を参拝していた?!
小泉八雲は16歳のときに事故で左目を失明し、右目の視力も弱く、来日時は0.05以下だったとされています。
また、来松時に宿泊した大橋川沿いの富田旅館の女中さんが目が不自由だった事もあったようで余計に興味を持ったようです。
八雲はそれ以来幾度も一畑薬師を参拝に訪れ、外国人として初めて本堂に上がったと言われています。
一畑薬師に目玉おやじ像が何故あるの?
ここでやっと目玉おやじ像の登場です。 ゲゲゲの鬼太郎の作者である水木しげる氏は、幼少の頃に一畑薬師を篤く信仰する「のんのんばあ(水木家のお手伝いさん)」に連れられ、参拝に訪れていたのだそうです。
平成24(2012)年4月8日に「のんのんばあまつり」が開催され、境内には
- 「のんのんばあとオレ像」
- 「目玉おやじ像」
など4体、そしてお寺の玄関口である「一畑口」駅に「目玉おやじ像」1体、合計5体のブロンズ像が設置されました。
眼病祈願で一畑薬師を訪れた際は、「目玉おやじ」も探してみてはいかがでしょうか。
また、一畑薬師までは、ふもとから130段もの石段があり、「一畑マラソン」や「一畑ウォーク」なども行われています。
見どころはどこ?見ごろはいつ?
秋の紅葉が見逃せません。境内が「紅」に染まる幽玄な時間です。
春から夏には緑包む境内なのですが、秋になると頬を赤らめたように木々が色づき、あたり一面紅葉が始まります。
仁王門へ上がる石段の両側や百八基灯篭あたりが真紅に染まります。
また一畑薬師へ行く途中のドライブウェーからの眺めや薬師本堂がある一畑山山頂からの眺めは、山々の紅葉が一望できるパノラマポイントです。
参拝ととともに秋の景色をお楽しみください。
一畑薬師の基本情報
- 電話番号 0853-67-0111
- 所在地 島根県出雲市小境町 803
- 営業時間 参拝時間 8:30~17:00
- 駐車場 130台 バス10台
- アクセス 山陰道宍道ICよりR431経由車で約30分
- 一畑電車一畑口駅下車、バスで約10分
出雲市の観光・お出かけスポット
出雲市の他の見どころをまとめました。
一畑薬師の見どころ!神話の中心地、伝説がたくさん!【島根県出雲市】のまとめ
古い歴史と、伝説がたくさん詰まった一畑薬師をご紹介致しました。自然にも多く恵まれたこの場所に実際に訪れて、神秘的な力を肌で感じてみてくださいね。