埼玉県鴻巣市は埼玉県免許センター施設があり、県民の免許取得者であれば1度は立ち寄る場所です。そんな鴻巣市にも人が集まるにつれ、施設や観光スポットが誕生していますのでご紹介いたします。
勝願寺
浄土宗の寺院である勝願寺(しょうがんじ)は、同宗の関東十八檀林のひとつとされる由緒あるお寺で、武家の権力者たちとの深いかかわりでも知られています。
鎌倉時代の第4代執権・北条経時が登戸の地を寄進したことから創建されました。その後1573年(天正元年)にいまの場所に再建されたといいます。
1593年(文禄2年)には徳川家康がこの寺を訪れ、住職の話に感銘を受け、礼として宝物を寄進したうえに、徳川家の家紋である「三つ葉葵」の使用を許可したといわれています。
家康はよほど勝願寺が気に入ったか(あるいは住職が気に入ったのか)、その後も何度も訪問しました。
近代に入り、御殿をはじめとするほとんどの施設が火災などで失われましたが、本堂と仁王門が再建されています。
また勝願寺は、関東のインフラ整備に尽力した幕府の名臣・伊奈忠次のお墓があることでも知られており、いまも歴史マニアがお参りに訪れるといいます。
鴻神社
鴻神社(こうじんじゃ)は、鴻巣宿(こうのすしゅく:宿場町)の鎮守です。
12月には境内で酉の市が開かれます。交通の要所であった鴻巣は、江戸時代には宿場町として栄えました。
明治になると、この鴻巣宿にあった多くの神社が合祀され、鴻神社と名づけられました。
鴻神社は、「鴻巣」の地名の由来ともなった「こうのとり伝説」を伝えています。
かつてこの地には「樹の神」と呼ばれる大きな樹があったのですが、この樹の神は供え物をしないと祟りを起こすので、人々はたいへん恐れていました。
ある時、一羽のコウノトリが飛来して巣を作り、卵を産んで育て始めたのですが、大蛇が現れて卵を飲み込もうとしました。
それでもコウノトリはひるむことなく応戦し、大蛇を追い払っていました。するとその後、「樹の神」が祟りをなすことは無くなったのだといいます。
土地の人々は木の傍に社を建て、土地の名もコウノトリの巣、すなわち「鴻巣」と呼ぶようになったと伝えられています。
鴻神社ではコウノトリ伝説にちなんで、かわいらしい「こうのとりのたまごお守り」をあつかっています。
鴻巣に訪れたら、ぜひとも手にしたいお守りですね。
鴻巣市産業観光館「ひなの里」
鴻巣市産業観光館「ひなの里」は、鴻巣に古くから伝わる人形産業や、全国的に知られた花卉(かき)栽培などを紹介しています。
あわせて市内の観光案内も行っているので、鴻巣に観光にきたら、まずはここをスタート拠点とすべきでしょう。
この観光館は、もともとは江戸時代以来の老舗の人形店が運営していた雛屋歴史資料館であり、人形店の閉店に伴い、市に寄贈されたものです。
元が人形店の施設だけに、人形産業に関する資料や展示品は極めて豊富で、それらに触れているだけで、人形の世界に引き込まれていきそうなほどです。
ひな人形といってもいろいろなタイプがあり、享保雛や古今雛といった古風な種類から、現代のコンパクトなものまで、あらゆる時代のひな人形を年表とともに鑑賞することができます。
また、約200年前の製造と考えられる「鴻巣雛」などは、極めて貴重なものです。
人形以外にも、国指定無形民俗文化財となった民芸品「赤物」など、鴻巣の特産品も詳しく紹介しています。
川幅うどん、川幅せんべいなど、グルメも充実しています。鴻巣での観光は、まずここを拠点にすると良いでしょう。
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生出塚埴輪窯跡
生出塚埴輪窯跡は、古墳時代後期の埴輪生産遺跡です。この時代では東日本最大級のものとされています。
JR東日本鴻巣駅の、北東から東方にかけて拡がっています。
遺跡からは、埴輪の窯跡や埴輪工房跡、粘土採掘坑、住居跡などが出土しました。
東日本ではもちろんのこと、国内でも有数の埴輪生産遺跡です。
ここでの埴輪の生産は、5世紀末から6世紀末まで続いたものと推測されています。
また遺跡の周辺には、生出塚古墳群に属する古墳が多く分布しています。
それらの古墳の多くは円墳です。日本でも有数の埴輪生産遺跡、生出塚埴輪窯跡。
古代史のロマンを、大きなスケールで味わえるのではないでしょうか。
伝源経基館跡
伝源経基館跡(でんみなもとのつねもとやかたあと)は、鴻巣市にある武家館です。
言い伝えによれば、平安時代中期に源経基が居館としたといいます。
経基は京都から武蔵国に赴任した際、平将門と対立し、将門が反乱を起こすきっかけを作った人物でもあるので、歴史上とても重要な存在です。
館跡は有力な武士の館らしく、三方に空堀がめぐらされているなど、軍事的な備えの名残があります。
あるいはこの館周辺も、将門の乱の舞台となったのでしょうか。そう考えると、武士の時代のロマンを感じますね。
鴻巣フラワーセンター
鴻巣フラワーセンターは、花の卸売市場です。月・水・金曜日の午前中はせりの見学もできます(要予約)。
卸売市場ならではの、豊富で美しい花々はまさに圧巻で、多くの人がまた見に来たいと思うそうです。
また、館内の食堂も美味しいと評判です。美しい花とグルメが、あなたを迎えてくれることでしょう。
パンジーハウス
パンジーハウスは、鴻巣市の農産物直売所です。新鮮な農産物が安く購入できます。
また鴻巣は全国有数の花の産地なので、花に関しては特に種類が豊富です。
花の育て方を丁寧に教えてくれるのはもちろん、植え込みの体験もできます。
さらには土地の名物「川幅うどん」が味わえるのも魅力です。
鴻巣市のお奨めスポット7選!埼玉県の中心にあり、活気溢れるまち【埼玉県鴻巣市】のまとめ
鴻巣市は元々中山道の宿場町であり、宿場の歴史に関わる観光名所が多いのですが、鴻巣駅周辺は開発が現在も進んでおり、今後も観光スポットが増えていくと思われます。