埼玉県上尾市は高崎線にあり、都内までの通勤が近くベットタウンとして栄えてきました。運動公園などの公共施設も整っておりますので、観光スポットをいくつかご紹介させていただきます。
榎本牧場
榎本牧場は、上尾市の荒川近くにある牧場です。主として乳牛を飼育していますが、それ以外にもロバ、犬、猫、山羊、ミニブタ、ウサギなど、多種多様な動物を飼っています。
乳牛にも種類があり、黒白毛のホルスタイン種(通称ホル)、茶毛のジャージー種などに別れますが、この牧場ではホルスタイン種を飼育しています。
赤ちゃん牛の段階で体重40~50キログラム、大人になると体重600キログラムを超えるといいますから、迫力がありますね。
母牛はほぼ毎年赤ちゃんを産むうえ、1日あたり20~30kgの牛乳を出します。牛というのは本当に働き者だということが、見学すれば分かります。
榎本牧場は、スタッフが気さくな方たちで、とてもアットホームな牧場です。ふれあいを大切にする牧場として、牧場体験を受け付けています。
乳搾りにはじまり、ほ乳、バターの製造など、一般家庭ではまず経験できない牧場の生活を、存分に味わうことができます。
牧場体験は特に子供たちに評判がよく、乳搾りやバター作りが特に喜ばれるといいます。ぜひとも家族で牧場の生活を味わいたいものです。
なお、体験を希望する場合、2日前までに予約する必要があります。特に週末などは予約枠が早く埋まってしまうので、余裕をもって連絡するのがベターです。
馬蹄寺
馬蹄寺(ばていじ)は、鎌倉時代から続く浄土宗のお寺です。馬蹄、すなわち馬の蹄(ひづめ)と書くだけあって、やはり馬にまつわるこんな伝説がありました。
ある時、とある僧侶が盗みをしようとしたのですが、なんと馬にお説教されて、盗みを思いとどまったそうです。
その後心を入れ替えた僧侶が草庵を建て、現在の馬蹄寺の元になったといいます。馬蹄寺を正式に開山したのは感誉上人とされ、上人は馬のエピソードに感じ入り、寺院を馬蹄寺と名づけたといいます。
感誉上人は、当時川越城の守将であった、後北条氏(小田原北条氏)の武将・大道寺政繁の甥にあたります。彼は北条一族の信仰を集め、関東一円に多くの浄土宗の寺院を建立しました。
武門の家系に生まれた上人だけあって、馬に関する逸話には感じ入るものがあったのかもしれません。
なおこちらの馬蹄寺、名刹として知られるだけあって、涅槃頭や地獄絵図などの寺宝を所有します。また推定樹齢650歳のモクコクも立っています。
原市沼
原市沼(はらいちぬま)は、上尾市と北足立郡伊奈町の境界線にある湖沼です。
東北・上越新幹線や、伊奈氏屋敷跡が近くにあります。江戸時代に関東の幕府領の代官を務めた伊奈氏は、万一の有事に備え、この湖沼は屋敷を防衛するためのハードルとして想定したいたという言い伝えもあります。
もともと湿生植物が花開く場で、周囲には野鳥たちが彩りを添えている湖沼でした。戦前までは蓮の花が咲いていたのですが、その後なくなってしまったといいます。
そこで同じく蓮の名所である行田市から、古代蓮の種子をゆずってもらい、原市沼でも蓮の花をよみがえらせることができました。
蓮の花の見ごろは、7月中旬~8月中旬の朝方です。入園の際に募金をすると、美しい蓮の写真の葉書がもらえます。
また、大勢のメダカも見ることができます。園内にはブラックベリーもなっており、自由に食べてもいいとされています。
龍山院
龍山院(りゅうざんいん)は、上尾市にある真言宗智山派の寺院です。開山は徳賢律師といわれていますが、それ以前にも庵があったという言い伝えもあります。
本尊である十一面観世音菩薩坐像は、13世住職が回国修行に出るさい、修行の成就を祈って作らせたものです。
このお寺には、病気平癒に関するこんな言い伝えがあります。江戸時代中期、龍山院の果寿(こうじゅ)は、酒好きでどぶろくを造っては飲んでいました。
そのどぶろくをこよりに浸して耳の中に入れると、耳の病が治ったといいます。そこから、首から上の病気に霊験あらたかといわれるようになりました。
境内西の石碑にお酒を供え、それを持ち帰って患部に塗ると、病気が治るという伝説です。
古くから、龍山院が病を得た人々に頼られてきたことを、うかがわせます。
なお主要な文化財として、ムクロジの樹(市指定天然記念物)を有します。
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少林寺
少林寺は、臨済宗円覚寺派の寺院で、1288年(正応元年)に創建されました。
開基は鎌倉幕府8代執権・北条時宗の夫人であった覚山尼。開山は宋(当時の中国)から渡来した僧・大休正念です。
由緒あるお寺として知られていましたが、1806年(文化3年)の火災で住職らが命を落としたうえ、山門と地蔵堂をのぞいてすべてが焼けてしまいました。
さらにはこの火事により、徳川幕府の歴代将軍から受けた朱印状や、仏像・仏具類、さらには寺院の記録まで、大部分を焼失してしまったのです。
そうした苦境にもめげずに少林寺は活動を続け、江戸時代には境内に寺子屋を開くなどして、地域の子供たちの教育に尽力しました。
なお焼失をまぬがれた山門は、美しい朱塗りの姿をいまもとどめています。
八枝神社
八枝神社(やえだじんじゃ)は、古くから牛頭天王社として祀られていた記録が残る、伝統ある神社です。
毎春、四月下旬の土・日には例大祭が行われます。また毎年夏祭り(祇園祭)には、水と泥と人が一体となる奇祭「どろいんきょ」が盛大に催されます。
各地から多くの観光客が集まる一大行事であり、見ればきっと、人間の秘められたエネルギーを感じることができるでしょう。
橘神社
橘神社はなんといっても「機雷」で有名な神社です。神社の境内に、海軍が戦争で使う、あの「機雷」があるのです。
(機雷とは海における地雷のようなもので、船が触れたら爆発する仕組みです)
機雷は本殿の右側にあり、直径は1メートルほどの大きさです。日露戦争の時のものだと言われており、戦没者慰霊塔の建立とともに設置されたとのことです。
実際に戦争で使われていた機雷、生で見ると迫力が違います。ぜひ一度は見ておきたいものです。
上尾市のおすすめ観光スポット7選!公共施設が充実【埼玉県上尾市】のまとめ
上尾市はさいたま市に近いのですが、歴史建造物なども残されており、都会とはまた違った楽しみ方を提案してくれる町だと思います。是非1度訪れてみてください。