佐賀県佐賀市にある佐賀県立博物館は、自然史学、考古学、歴史学、美術史学、工芸、民俗学の分野で資料を収集してきました。資料の収集に併せて、研究や調査も進めてきました。このような資料の調査・研究の成果は「佐賀県の歴史と文化」という博物館常設展示として展示されています。また、県立博物館は教育・普及活動を実施することによって、県民の文化水準の向上に貢献しています。佐賀県立博物館に隣接した佐賀県立美術館の開館は1983年のことです。佐賀県政の100周年を記念する事業として開設されました。収集コレクションの柱は県ゆかりの近代・現代の絵画や彫刻、工芸、書などです。美術館は収集コレクションについての調査と研究を行って、適宜展覧会で成果を紹介しています。美術館は博物館ともども佐賀県の文化活動の拠点の役割を果たしています。
佐賀県立博物館へのアクセス。JR佐賀駅からは少し離れていますが交通は便利です
佐賀県立博物館は、佐賀城跡を整備して造成された佐賀城公園の一角に位置しています。
佐賀県立博物館への行き方ですが、佐賀市営バスをご利用の場合はJR佐賀駅から約15分かかります。
最寄りのバス停は「博物館前」です。徒歩すぐで博物館にアクセスできます。
自動車やタクシーでは、JR佐賀駅から南口の通りを南に直進して約2キロです。
徒歩では同じ通りを経て約30分かかります。バスかタクシーを利用するのが便利ですね。
長崎自動車道を利用すれば、佐賀大和インターチェンジから自動車で25分でアクセスできます。
インターチェンジを降りて国道263号線を佐賀市内に進行します。
九州佐賀国際空港からは、空港西口交差点を県道49号線を佐賀・鹿島方面に進んで、自動車、タクシーであれば約21分で着きます。
空港から佐賀市営バスを利用する場合には、バス停「佐賀空港」で、準急佐賀駅バスセンター行きに乗車すると博物館まで約30分で着きます。
駐車場の収容台数は自動車114台で、この中に身障者用駐車場の5台も含まれています。
美術館前の駐車場は駐車台数75台(身障者用駐車場3台)、博物館東側駐車場の収容能力は自動車39台(身障者用駐車場2台)です。
博物館の常設展示は「佐賀県の歴史と文化」全般の展示
博物館では
- 自然史
- 考古学
- 歴史学
- 民俗学
- 美術史学
- 工芸の資料
を対象にした通史の常設展示を行っています。
展示物は基本的に実物ですが、模型やジオラマ、複製の展示の場合もあります。
展示補助手段として、さまざまな項目について写真やイラストレーション、図を多用した解説パネルも用意されています。
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常設展示を幾つか眺めてみましょう
博物館の2階は自然史分野の展示室で、地質と生物の分野に区分けされて展示が行われています。
2階地質コーナー
地質のコーナーには佐賀県の主要な岩石や鉱物、化石が展示されおり、佐賀県の大地の成立経緯を説明しています。
2階生物コーナー
生物のコーナーには、佐賀県の植物や昆虫、野鳥や有明海の生物の主題に沿って、標本が展示されています。
佐賀県の自然環境の特質を解説するためにパネルやジオラマが使用されています。
博物館3階
博物館の3階は
- 考古学
- 歴史学
- 美術史学
- 工芸
の分野の展示室で、旧石器時代(佐賀県知地域に人が住み始めた時期)から明治維新までの歴史を紹介しています。
展示資料は
- 考古学物件
- 古文書・絵図(歴史分野)
- 仏像・陶磁器・絵画等(美術史工芸分野)
で構成されています。
また、幕末から明治にかけての激動の時代の佐賀県とわが国の対外関係(外交史)の歴史が展示されています。
博物館3階の大展示室は民俗分野の展示室で、県内の有形文化財である民具を展示・紹介しています。
佐賀県域に住む人々が日常生活で使用した民具ばかりです。民具は単なる回顧の対象ではありません。
民具には人々の暮らした環境を反映し、民具を生み出したヒトの知恵や工夫が現れています。
人々の生活史を刻んだ民具が多く展示されています。
佐賀県立美術館の特集常設展示室・OKADA ROOM
県立博物館に隣接する佐賀県立美術館には、常設展示室OKADA ROOMが設けられています。
この常設展室は、佐賀県出身の日本近代洋画の巨匠である岡田三郎助(1869-1939年)に捧げられています。
岡田三郎助はフランスから帰国した黒田清輝の影響を受け、明るい色彩の使い方を学び白馬会の結成に参加しました。
文部省の留学生となってフランスに渡り、アカデミズムの画家コランに師事しました。
帰国後は東京美術学校の教授を勤め、官展の画家として活躍しました。
岡田三郎助は品格を湛えた数々の女性像を優美な色彩で描き、美人画の旗手として高い評価を得ました。
県立美術館は開館した1983年以来、岡田三郎助の作品を収集し、研究を積み重ねてきました。
コレクションのメインは晩年(1935年)の作品「裸婦」(県重要文化財)であり、その他に油彩画30点前後、素描作品や関連資料を含めると170点の作家関係資料を収蔵しています。
コレクションは岡田三郎助のものとしては質の面でも量の面でも国内最大級と位置付けられています。岡田三郎助の常設展示は年に数回程度展示替えが行われています。
博物館・美術館に付属する各種施設
グループ展や美術サークルの作品発表の場として利用できるのは美術館の画廊です。
美術館のホールは音楽会、演芸会、同好会の発表の場として利用することができます。
茶会や茶道の研修に利用できる茶室の「清恵庵」もあります。
佐賀市の観光・お出かけスポット
佐賀市の他の見どころをまとめました。
佐賀県立博物館と佐賀県立美術館の見どころ!岡田三郎助のコレクションが自慢【佐賀県佐賀市】のまとめ
県立博物館は開館以来佐賀県の代表的な博物館として多くの県民から愛されてきました。常設展示では、自然史、考古学、歴史、美術史、民俗学、工芸の多分野にわたってさまざまな資料を展示しています。博物館に隣接する県立美術館では、佐賀県にゆかりのある美術・工芸作品を収集・展示しています。佐賀県の歴史と文化が凝縮した美術館であると言うことができます。