大分県大分市にある大分県立美術館をご紹介します!2015年に開館したできたてホヤホヤの美術館です。1977年に開館した県立芸術会館が老朽化したことを受けて、展示スペースを拡充した新美術館が誕生しました。
大分県立美術館(OPAM美術館)の4つの目標を知っておこう!
- 美術は従来、視覚を通して作品を鑑賞するものだとされていましたが、OPAM(Ohita Prefectural Art Museum=大分県立美術館)は訪問した人がさまざまな感覚(五感)通して楽しむことができる美術館を目指しています。
- OPAMには、さまざまな出会いがあります。大分県地方と全世界、クラシックとモダン、アートと音楽、等々。
これらの出会いをモチーフにした展覧会を介して新たな発見を提供できる美術館を目指しています。- アットホーム(at home)な雰囲気の美術館を目指します。
美術やアート、とりわけ現代美術やモダンアートは理解し難く自分とは縁遠く感じられますが、美術館へのビジターがアットホームに感じられる、自宅の居間にいるように感じられるようなミュージアムが目標です。誰でも気軽に立ち寄れるミュージアムを志向します。- 県内の児童・生徒に鑑賞講座を提供し、またあらゆる年齢層の県民をターゲットにした美術館を目指しています。
豊後・大分の浪漫派的な芸術風土を反映したOPAMコレクション!
豊後地方こと後の大分県は江戸時代以来、浪漫派的な文化風土を特徴としていて、個性豊かな芸術家が活躍をしてきました。
- 豊後南画の田能村竹田
- 日本画の福田平八郎や高山辰雄
- 抽象的な作風の洋画表現を確立した宇治山哲平
- 大正期から昭和時代にかけて活躍した彫刻の朝倉文夫
らが代表的な美術家たちです。
これらの芸術家は近代の日本美術の牽引車となって活躍をしてきました。
大分県立芸術会館の開館した1977年以来、5,000点に及ぶ美術作品や芸術資料が40年間にわたって収集されてきました。
収集された作品は施設で保存管理され、常設展示等を介して紹介されています。
近世絵画は田能村竹田とその門下生たちが見どころです
江戸時代の後期のみでなく、明治期、大正期にも南画・文人画が豊後地方こと大分県地域で興隆し、「豊後南画として有名になりました。
田能村竹田(1777–1835年)は現在の大分県竹田市に生まれで、江戸後期を代表する文人であり画家となりました。
父は藩医でしたが、竹田は家業を継がずに、藩学校で学問を修めました。
隠居後は、京都や大坂の文人たち(たとえば、頼山陽、浦上春琴、篠崎小竹など)と交遊し、詩や書画に親しみました。
田能村竹田は江戸後期の日本における文人として重要な位置を占めるだけでなく、豊後地方の南画の創始者でもあります。
近世から近代にかけての大分の画壇に大きな影響を与えたことでも知られています。
竹田の門下生である
- 高橋草坪(1804(?)-1835年)
- 帆足杏雨(1810-1884年)
らの作品や資料が展示されています。
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近代日本画コレクションの双璧を成す高山辰雄と福田平八郎
OPAMの近代日本画は、明治期以後の大分の日本画の歩みを紹介しています。
高山辰雄(1912–2007年)は、大分県大分市の生まれで東京美術学校日本画科を経て松岡映丘の門下となりました。
美校の卒業制作は若い女性を描いた洋画風の作品でしたが、戦後(1946年)ゴーギャンの影響が見られる裸婦を描くようになり、また幻想的な画風を確立しました。
福田平八郎(1892–1974年)は大分市に生まれた日本画家で、京都市立美術工芸学校日本画科を経て、帝展入選を若くして成し遂げました。
観察眼が鋭く、対象の雰囲気と美しさを描き出す表現を得意としました。生涯を通して水の動きと感覚性を追求しました
多様な具象絵画が展開した大分洋画界
大分県の洋画界は明治時代以降、個性的で多様な表現をする画家たちに彩られました。
大分県出身の洋画家たちの作品のみでなく、県外の関連作家の作品も、OPAMでは収集されて展示されています。
具象的な、また抽象的な彫刻・立体作品
彫刻家の朝倉文夫(1883-1964年)は大正期から昭和の戦後まで具象的な彫刻を発表し続けました。
また、吉村益信(1932−2011年)は大分市に生まれ、武蔵野美術学校を経て、読売アンデパンダン展で作品を発表しています。
ネオダダイズム・オルガナイザーを結成。この時の芸術上の同志に篠原有司男らがいました。
その後、米国、ニューヨークに赴きました。
帰国後は、芸術的な実験を飽くことなく繰り返し、自身も変容を続けましたが、晩年は反文明的な姿勢をとるに至りました。
大分市の観光・お出かけスポット
大分市の他の見どころをまとめました。
大分県立美術館(OPAM美術館)の見どころ!五感を通してアートを体験する、全世代向けの美術館!【大分県大分市】のまとめ
OPAMでは5,000点のコレクションから厳選された常設展示の他に、企画展示が年に数回開催されます。また、美術を見るだけでなく、教育普及部門の活動によって鑑賞講座によって知的に学習し、また実際の制作活動を通じて創作を体験することができます。ミュージアムショップで豊富なミュージアムグッズを購入したり、展覧会の鑑賞後はカフェで一息をつくことができますよ!ぜひ、大分県にお越しの際には、ここOPAM美術館に足を運んでみてはいかがでしょうか?