岡山県和気郡和気町の和気神社はの町外れにひっそりと佇む神社です。しかしこの神社はタダの田舎の一神社ではない!ある歴史上の有名な人物にゆかりのある神社なのです!春には日本でも有数の藤棚があることでも有名なこの神社をお参りしましょう!
和気神社は和気清麻呂のふるさと!
日本でお札になった有名人といえば誰が思い浮かびますか?…福沢諭吉、樋口一葉、野口英夫、ちょっと昔では樋口一葉や夏目漱石もいましたね。
では、そんなお札になった有名人のなかで岡山出身の人といって思い浮かぶ人がいますか?実はひとりだけいるんですね。
それが
「和気清麻呂」(わけのきよまろ)
。明治時代の拾圓札(10円札)に印刷されているのです。
歴史の教科書にも必ず登場する人なのですが、何をした人か忘れている人もいると思うのでちょっとご紹介しておきます。
和気清麻呂は、奈良時代の政治家です。
清麻呂が活躍していた当時、孝謙上皇に取り入って皇位を狙っていた僧侶、道鏡(どうきょう)が朝廷で暗躍していました。
そしてある時、道鏡は自分を皇位につけるために
「道鏡が天皇の位につけば、天下は太平になる」
という宇佐(今の大分県)八幡宮の神託を、朝廷に持ち込ませました。
当時、いくら道鏡の権力が強くとも、臣下であるはずの道鏡が、神代から連綿と続く天皇の位に就くことは前代未聞のことで、神のお告げを信ずるべきかどうかで朝廷は大いに揺れました。
そこで和気清麻呂が、宇佐八幡のご神託が本当かどうかを確かめる役に抜擢されたのです。
宇佐八幡で清麻呂に授けられた神託はやはり
「道鏡を即位させよ」
というものでした(これも道鏡の差し金だったと言われています)。
しかし、清麻呂は朝廷に帰り、神託として報告した内容は
「我が国は開闢(かいびゃく:はじまること)以来、君主となる者と家臣となる者の身分は定まっており、これを覆すことは未だかつてなく、これからもあってはならない。そうしようとする無道の者は追い出してしまうがよい」
というものでした。
宇佐八幡を買収していた道鏡からすれば寝耳に水の報告で、怒り狂った道鏡は清麻呂を流罪にしてしまいます。
結果、後に道鏡が失脚した後、清麻呂は朝廷に戻されることになり、光仁天皇により従五位下に復位されたということです。
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宇佐八幡神託事件
…長々と解説しましたが、この
「宇佐八幡神託事件」
をきっかけにして和気清麻呂の名は、後の世にまで
「天皇家に尽くす忠臣」
として知られることになりました。
明治時代にお札の顔に選ばれたのも、明治政府を中心とする皇国思想と無関係ではないでしょう。
そんな和気清麻呂のふるさとが、この和気神社なのです。
君は清麻呂のイケメン巨大銅像をみたか!?
境内に入ると、いきなり巨大な和気清麻呂とその背後に巨大絵馬がお出迎えしてくれます。
この巨大絵馬も日本一の巨大絵馬として名物になっていますが、それ以上にインパクトがあるのが、全長4、63メートルの青銅製の銅像です。
これは、昭和58年、清麻呂公御生誕1250年を記念して、清麻呂公の故郷である岡山県和気郡和気町に寄贈されたものだそうです。
ぜひその精悍な顔つきを見てください。
現在の感覚で行っても決して古びておらず「イケメン」といって全く差し支えないでしょう。
やはり歴史に残るエピソードが顔つきを決めさせたのでしょうね…。ちなみにこの銅像は、
「東洋のロダン」といわれた彫刻家、朝倉文夫の作品
です。
そんなイケメン銅像に見守られながら、奧の本殿へと進みましょう。
なぜ!?狛犬ならぬ狛イノシシ!
整備された石段を登ると本殿です。その前にはなぜか狛犬ならぬ
「狛イノシシ」の阿吽像
が設置されています。
なぜイノシシなのでしょうか…?実は先ほど紹介した「宇佐八幡神託事件」の後、和気清麻呂は道鏡の怒りを買い、流罪となって鹿児島県の霧島へと流されてしまうのですが、そこで足腰を痛めてしまい、歩けなくなってしまいました。
そのときに、そんな清麻呂を助けたのが何十、何百頭のイノシシだったといわれ、動けない清麻呂を担いで運んだのだと言われています。
そのため、境内にはイノシシにまつわるさまざまな展示が置いてあり、なかでも本殿向かって右手には、さながらイノシシ博物館とでもいうような、全国から寄せ集められたイノシシのキャラクターグッズやホンモノのイノシシの剥製などが展示されているのでぜひご覧ください。
ちなみにこのイノシシのエピソードのおかげで和気神社は
「足腰の神様」
とも言われており、足や腰の悪い人が訪れると良いことがあるとされています。
春には日本一の藤棚公園を見に来よう!
和気神社の横には、藤公園があり、春先にはさまざまな種類の藤を楽しみながら散策することができるようになっています。
園内は藤棚が張り巡らされており、その全長は500メートルもあり、それぞれ違った種類の藤を見ることができます。
なんでも藤の種類ではこの公園が日本一なのだとか。
ぜひその違いを楽しみながら歩いてほしいものですね。…ですが、私が行った時にはもう青々とした姿しかみることができませんでした。
その代わり、開花シーズン以外は入園料が無料になるので、ちょっとした森林浴にはいいかもしれませんよ!
閑谷学校
また、和気郡といえば、有名なのは日本で最初に民間教育を藩が行ったことで知られる和気閑谷の
「閑谷学校」
もあります。
日中は講堂に入ることもできるので、ぜひ入館してみましょう!
和気神社の見どころ!イケメンの和気清麻呂に会いに行こう!【岡山県和気郡和気町】のまとめ
以上、イケメン銅像に会える和気神社をご紹介しました。銅像だけでなく狛イノシシや日本一の大絵馬など、他にも見所がたくさんある神社です。また周囲にも観光スポットが多数ありますから、ぜひセットで訪れてほしいですね。