岡山県総社市の鬼ノ城はの市街地から車で30分ほど北へ向かったところにあります。麓の砂川公園を越えて、その名も鬼城山という山へ続く細い道をどんどんと登っていくと、古代の山城、鬼ノ城がその姿を現します。道がとっても細いので大型車で向かう人は運転にご注意を。それに歩いて山頂を目指す人や、マウンテンバイクで軽快に山道を登っていく人も時々いるので、周囲にも気を配りながら運転しましょう。山頂には鬼ノ城ビジターセンターという資料館もありますが、なにはともあれまずは駐車場に車を駐めて、一番大きな西門に近づいていきましょう!
圧倒的な迫力の西門をくぐろう!
ビジターセンターの脇から遊歩道を進んでいくと学習広場に出ます。
学習広場には西門を見るための展望台もあるので、まずは展望台からその雄大な姿を遠目にみてみましょう。
ちなみにこの展望台、地元のカメラマンさんの話では、午前中は逆光になってしまうので、シャッターチャンスは夕方らしいですよ!
鬼城山(標高約400メートル)の頂に立つ鬼ノ城は、
- 昭和61年に国の史跡に指定
- 平成18年には『日本100名城』
にも選定されています。
『日本100名城』に選ばれたのは、この復元された実物大の西門のインパクトによるものが大きいでしょう。
この西門、遠くから見るだけではもったいない!さあ遊歩道を進んでさらに近くでみてみましょう!
平成13年から復元工事がスタートした鬼ノ城の西門は横幅が約12mで三階建ての堅牢な作りの城門です。
この西門、残念ながら建築基準法などの法令によって中を登ることは禁じられています(きっと中から吉備高原を見下ろすと気持ちいいだろうに!)。
ですが、壁や土塁をさわったり、門をくぐることはできます。
天然の要塞、鬼ノ城が築城されたのは今から1300年以上も昔、7世紀~8世紀ごろと言われています。
そんな時代に、こんな大きな城門を、こんな山のてっぺんにたてていたというのですから驚きですよね。
築城の理由は諸説ありますが、「白村江の戦い以降、大和王朝が外敵から国を守るために各地にたてた要塞のひとつではないか」と言われています。
ちなみに鬼ノ城西門からぐるっと1周約5キロの散策コースとなっていて、ここはすり鉢状になった山のてっぺんなので、高低差もなく、快適なハイキングができます。
写真のように、運がよければ靄(もや)やガスがかかって、まるで雲の上の道を歩いているような気分を味わうこともできるかも!?
散策コースの途中には、西門だけでなく
- 石垣
- 水門
- 南門
- 東門
- 北門
それから鍛冶工房跡など、近年の調査によって明らかになりつつある、当時の山城の遺跡や遺品などを間近に眺めることができるのも鬼ノ城ならではの魅力でしょうね!
歴史関係の史跡が大好きならぜひ一度は訪れてほしいスポットです。今でも調査が続いているので、来るたびに新しい発見があるかもしれませんよ!
桃太郎伝説発祥の地!?「温羅」の旧跡をめぐれ!
「鬼ノ城」という名前をきいて勘の良い人はピンとくるかもしれませんが、何を隠そう、この山は昔話「桃太郎」にもゆかりの深い場所なのです。
この石碑に刻まれた「温羅」という文字、これで「うら」と読みます。
この温羅こそが、「桃太郎」に登場する鬼の原型であり、その正体は、古代にこの地方の統治をしていた人物ではないかと言われています。
そしてその「温羅」を朝廷から吉備に派遣されてきて「退治」したのが、吉備津彦命(きびつひこのみこと)。
そう、この吉備津彦命こそが私たちの知る「桃太郎」のベースとなった人物なのです。
岡山では「桃太郎」の原型である吉備津彦命の人気もさることながら、「温羅」とよばれた鬼(とその一族)を慕う人々も多くおり、特にこの古代吉備エリアの総社市には「温羅」にまつわる多くのスポットがあるのです。
実はこの鬼ノ城からすぐの所にもぜひ見てほしい「鬼」にまつわる観光スポットがあるんですよ!
それがこの巨岩でできた岩窟です。鬼ノ城ビジターセンター前の駐車場からさらに3キロほど山道を進んだ先にあります。
その名も「鬼の差し上げ岩」です。
案内板によれば、大きさはおよそ
- 縦15メートル
- 横5メートル
- 厚さ5メートル
もあり、かつて温羅(鬼)がこの巨大な岩を差し上げて岩窟を造り、すみかにしたと伝えられています。
落石に危険性があることから、現在はなかの岩窟に入ることはできませんが、周囲から見るだけでもすごい迫力ですし、また、ぐるっと回り込むことで岩の上に登ることができます。
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鬼の餅つき岩
上に登ると「鬼の餅つき岩」なんて名前の岩があったり、そのほかにも
- 鯉岩(温羅は吉備津彦命と戦う最中、鯉に化けたと言われています)
- 八畳岩
- 屏風岩
などの巨岩・奇岩がゴロゴロとあるので、ぜひその神秘的な雰囲気を肌で体感してみてください!
日本一周の旅!
総社市の次は、日本三名園の1つがここに!岡山県北区です!
隣り町にも足を延ばしてみよう!
総社市に来たのであれば、周辺の町もぜひ訪ねてみましょう!
総社市は北から時計回りに
- 加賀郡吉備中央町
- 岡山市北区
- 倉敷市
- 小田郡矢掛町
- 井原市
- 高梁市
の6つのまちと接しています。せっかくの機会なので、これらのまちの名所にも足を運んでみてください!
鬼ノ城の見どころをご紹介します!鬼城山に登ろう!【岡山県総社市】のまとめ
以上、岡山県総社市の誇る「鬼」の観光スポット鬼ノ城周辺を紹介しました。実は総社市にはまだまだ紹介しきれていない桃太郎伝説に関わる旧跡が数多くあります。そうした情報も鬼ノ城ビジターセンターで教えてもらえるので、ぜひ散策してみてください。また、体力に自信のある人は、鬼ノ城から鬼の差し上げ岩のある岩屋エリアまで登山道を歩いてみてはいかがでしょうか?車で到着するのとはまた違った達成感があると思いますよ!