岡山県岡山市の西大寺観音院は市街地から東に少し行ったエリアであり、日本の奇祭の「はだか祭り」の会場としてよく知られる。しかし、実はその周辺も最近映画のロケ地にされたりと話題なのをご存じだろうか。今回はそんな今密かに話題の西大寺にスポットをあてる。
西大寺といえば「はだか祭り」の舞台!
岡山県民に
「西大寺ときいて何をイメージしますか?」
と仮に聞いたら100人中90人以上は
「はだか祭り(会陽)」
と答えるであろう。
それくらいに西大寺を印象づけるのが毎年2月という極寒のなかで行われる「はだか祭り」なのだ。
岡山県岡山市の市街地から向かう場合は、東山峠を抜けて岡山と牛窓を結ぶ県道28号線を東に20分ほど行けば着く。
ちょうど岡山三大河川の旭川と吉井川に挟まれた大きな中州といったような地形だ。
諸説あるらしいが、この、ふんどし一枚の男たちが宝木を全力で奪い合うこの「はだか祭り」は日本三大奇祭の一つにカウントされることもあるらしい。
最近ではテレビ東京の人気バラエティ番組『youは何しに日本へ!?』でも取り上げられたらしく、そのインパクト十分の祭りの人気はいまや全国区である。
ちなみにだが、この毎年一万人近くの参加者が出るこのお祭りの日には、岡山中の警察官が警備に動員されるとか。
祭りの舞台となる西大寺観音院の境内は、とても開放的なつくりになっている。
なお、祭りの際に宝木が投下されるのは本殿の二階部分からで、投下した瞬間に境内の明かりはすべて消されるらしい。
つまり一面真っ暗闇となった中でもみくちゃになりながらこの広場のなかで宝木を探すことになる。
「見つかるわけねーじゃん!」ご安心を。
実はこの宝木、とても強い香りを焚きこんであるため、香りで位置がわかるのである。
私も以前、一度だけ参加したことがあるが、たしかにその香りだけは一瞬感じることができた。
それにしても、この広場を一万人近くの人がぎゅうぎゅうに埋め尽くすわけなのだから、日本三大奇祭の一つと言われるのも頷ける。
また、境内をぐるりと囲むように観覧席が設けられていたり、別の場所には「会陽のこり取り場」とよばれる水浴び場があるなど、普通の寺院とはどこか違って、はだか祭りが確かにここで行われているのだと感じることができるポイントがたくさんあるので、ぜひ境内をくまなく見て回ってほしい。
西大寺じゃなくて「犀(さい)」「載(たい)」寺?
見てほしいのは境内だけではない。境内横の公園には、なぜか
「犀(さい)」
のやたら印象的な像がある。
この不気味かわいい系の犀の像、なんでこんなところにあるのかというと、今は昔の平安時代、安隆上人(あんりゅうしょうにん)という僧侶の前に、犀の角をもった仙人があらわれて、
「この角をもって新しく寺院を作りなさい」とお告げをした
のだという。
そうしてできたのがいまの観音院で、つまり「犀」(の角を)「載」(いただ)く寺だから
「犀載寺(さいたいじ)」
が昔の呼び名だったのだそうです。
じゃあなんでいま
「西大寺」
と呼んでいるのかというと、言い出したの鎌倉時代の承久の乱で知られる後鳥羽上皇らしく、倒幕の祈願を込めた文書のなかでこの寺のことを「犀載寺」ではなく「西大寺」と書いているそうです。
そんな歴史の一幕を教えてくれる像なので、観音院に参拝したついでにこの犀くんも拝んであげましょう。
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五福通りは映画のロケ地に引っ張りだこ!
観音院を出て、北に少し行ったところに商店街が広がっています。その名は五福商店街。
この縁起の良さそうな名前の商店街、押し寄せる不況の波にもまれ、シャッター街となりつつあったのですが、近年、その昭和のノスタルジーさが良いという再評価を得て、活性化しつつあります。
有名なところでいえば
平成23年には吉岡秀隆主演の『ALWAYS 三丁目の夕日』のロケ
や、岡山県出身の作家、重松清原作のドラマ『とんび』では、ここで二週間にもわたってロケが行われてきました。
最近ので言えば、
映画『君と百回目の恋』
でもここが撮影に使われています。
せっかくなのでここ西大寺に来る前にはそれらの映画やドラマを見直してからきましょう。
そうすると「あ!ここ!」という発見があってとても楽しいですよ。
たしかに言われてみれば、今はもう見なくなったようなレトロな看板や建物の作りが目につく通りです。
あなたも映画監督や写真家になった気分で、お気に入りの画角を見つけて写真撮影してみてはいかがでしょうか?
最近は空き店舗をその外観のままで再生させて、新しいお店がはじまったりもしているようなので、今後に期待ですね。
西大寺に来たら「梶屋」のエビ丼!
実は西大寺、グルメ好きにはたまらない名店が結構あるのですが、今日紹介するのはその中でも写真映えのするこのエビ丼です!
太いエビフライが三本突き刺さり、どんぶりのふたは閉めようがありません(笑)。
また、シャキシャキのタマネギの食感がアクセントになったタルタルソースも絶品。
このエビ丼が食べられるお店、梶屋は、西大寺観音院や五福通りのある西大寺の中心部からは少し離れた位置にありますが、お車でお越しの方はぜひ寄ってみる価値あり!
ちなみにエビ丼以外にも、
- 五目ラーメン
- チャーハン
といったベタなメニューもおいしいですが、まずは何はともあれ名物のエビ丼をぜひご堪能ください!
西大寺観音院の見どころ!日本の奇祭の「はだか祭り」の会場で有名!【岡山県岡山市】
以上、はだか祭りで知られる西大寺を、周辺スポットとあわせてご紹介しました。まだまだ観光地として整備されているとは言い難い西大寺エリアですが、だからこそ新鮮な驚きを自分で発掘していけるスポットとも言えるかもしれませんね。岡山の市街地からだととても近いので、ぜひ探検してみてください!