岡山県岡山市の犬島はで唯一の有人離島で、瀬戸内海に浮かぶ小さな島です。デリーでしか訪れることのできないこの島ですが、瀬戸内芸術祭の影響もあってアートの島として再開発が進みつつあります。そんな犬島の魅力をあらためてご紹介!
犬島のシンボルは、精錬所跡の巨大煙突!
犬島は、岡山県岡山市の東南のはしに位置する宝伝地区から海へ約2kmほどいったところにある人口たったの50人近くのほんとうに小さな島です。
周囲はぐるりとまわっても3.6キロほどしかなく、歩いて半日もあればじゅうぶんに島の隅から隅まで歩くことができるでしょう
この島に行くための方法は、宝伝港から出港するフェリーしかありません(時期によっては香川の直島・小豆島からもフェリーが出ます)。
フェリーといっても定員30名程度の小さな定期船で、本数も一日6~7本と限られているので日帰りでの観光予定の人はフェリーの時間を意識しながら計画を立てていきましょう。
この定期船でだいたい10分くらいすすむとあっという間に犬島到着です。
宝伝の港から、目をこらせば犬島のシンボルともいえる大きな煙突がみえてきます。
この煙突、今はもちろん稼働しておらず廃墟となっておりますが、もともと犬島は、戦前までは銅などの精錬所として栄えており、その名残として残ったがこの煙突だったようです。
地元の人たちの話によれば、
「そのむかし、精錬所が稼働していたころは島全体に社宅や飲食店、旅館、演芸所が立ち並んで大変活気があったのだ」
と言われています。
それが今ではその精錬所の煙突だけが残っている状態だったのですが、この荒廃した雰囲気のために、映画などのロケにつかわれることもしばしばあったようで、2005年に実写化された
映画『鉄人28号』
では冒頭に鉄人28号が極秘裏に保管されている基地のロケにこの犬島の精錬所跡が使われました。
また、近代化産業遺産として県の文化財としての指定も受けています。
まあ、それ以外には
- 自然の家
- オートキャンプ場
- 海水浴場
などを売りにして細々と岡山市民を中心に愛されてきた島だったのですが…
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アートの島として再開発!新しい犬島の魅力!
そんな犬島に大きな転機が訪れたのが、2000年前後からはじまった
「瀬戸内国際芸術祭」プロジェクト
でした。
瀬戸内に点在する島々をアートの島として再開発するというコンセプトは県内外の多くの人々からの支持を集め、現在に至るまで3年に一度のペースで開催される瀬戸内国際芸術祭の開催時期にはそれぞれの島に多くの観光客が訪れます。
そんなイベントの会場となった犬島にも大きな変化がありました。
私が以前、この島を訪れたのはシーカヤックと海水浴のために家族でやってきた1990年代のことでしたが、その時の印象とはだいぶ違います。
私が訪れたのは瀬戸内国際芸術祭の開催時期ではありませんでしたが、それでも多くの人がフェリーに乗り込んで、この小さな島を目指していました。
さきほど紹介した煙突がシンボルの精錬所跡も、いまでは立派な美術館として生まれ変わりました。
それも、この瀬戸内国際芸術祭が、あたかも島そのものをアートに変えてしまうようなイベントだからでしょう。
特に外国人観光客が多かったのが印象的です。
また、島をぶらりと歩けばそこかしこで
「アート」
に出会うことができます。
近づいてみるまでは普通の民家か誰もいない廃墟だろうと思ったところが、現代芸術家のアートの展示会場になっているから驚きです。
ちなみに、多くのアート展示場(係員のボランティアスタッフがいるところ)では、精錬所跡美術館のチケットをみせることで、展示品を間近で見ることができ、また、解説もきくことができます。
美術館のチケットは2000円近くするので、正直に言えばちょっと高いかなという感じがありますが、こうやって島全体がアート会場になっていると思えば、ひとつのテーマパークを歩いているような気持ちで楽しむことができるのではないでしょうか。
(平成29年6月現在)
現代芸術というとなんだか敷居が高そうに感じる人も多いでしょうが、変わったオブジェがたくさんあって、写真に納めてまわるだけでも楽しいものです。
しかも、そんな風変わりなオブジェが、島の路地の先や海水浴場の端っこといった、あまり案内板もないようなところに人知れず建っているから驚きです。
いくつのアート作品を写真に納めることができるか、友達と競ってみるのも楽しいかもしれませんよ。
用意されたものだけが「アート」じゃない!犬島の知られざる魅力を探せ!
もちろん美術館には入らず、チケット無しで島の観光を楽しむこともできます。私は今回はそうさせてもらいました。
というのも、先ほど言ったとおり、一時期は栄えたこの島の、なんとも言えないさびれ具合がたまらなく素敵に思えるからです。
誰も住んでない民家
- 路地にポツンと建つ郵便局
- 電柱にぶら下がった看板
- 海岸で遊ぶ子どもたちの姿
など、そんな何気ない風景も、写真に納めてみると不思議と「アート」のようにみえてくるから驚きです。
ぜひ自分のお気に入りのスポットを見つけてみてください。
ちなみに私のお気に入りは、この口が裂けてしまったユーモラスな狛犬の像です。犬島に行った人はぜひどこにあるのか探してみてください。
おまけにもう一つ「アート」を紹介しておきましょう。赤と青がまじったカニのオブジェ?…実はこれ、普通に道を歩いていたカニを撮影しただけです。
たぶん、夏の日差しのなかでアスファルトの上を歩くこんな色鮮やかなカニと出会えるのも、犬島ならではの体験かもしれません。
この島を歩くと、不思議と写真をたくさん撮りたくなってしまいます。
近年「SNS映え」だとか「フォトジェニック」という言葉がもてはやされていますが、そういう、良い写真をカメラに納めたい願望を叶えてくれるのがこの犬島の魅力かもしれません。
自分の感受性のアンテナのおもむくままにシャッターを切ってみてください。
犬島の見どころ!島のどこもがフォトジェニック!芸術の島へようこそ!【岡山県岡山市】
以上、瀬戸内国際芸術祭で見事な復活をとげつつある犬島の魅力を紹介しました。しかしこの島の本当の魅力は実際に歩いてみて、空を、海を、緑を、路地を、そしてアートを自分の目で確かめてみなくては分からないと思います。ぜひご自分の足で歩いてみてください。