岡山県真庭市の蒜山は「西の軽井沢」とも呼ばれている観光地です。今回はそんな蒜山についてご紹介します!
眼下に広がる雲海を期待して…まずは下蒜山!
岡山県真庭市、ただでさえ県北のこの市の中で最も北部に位置するのが、今日登る蒜山です。
蒜山地域は夏でも涼しい高原として知られ、誰が言ったか知りませんが「西の軽井沢」なんて異名をとることがあるほどの観光地です。
ですが、観光に訪れる際、その雄大な姿を見ることはあっても登るのはちょっと勇気がいると思います。
今日はそんな蒜山を東から西に向かって縦走してみたいと思います。
「蒜山」と一口にいっても、その山は大きく三つのピークに分かれており、東から
- 「下蒜山」(標高1100メートル)
- 「中蒜山」(標高1123メートル)
- 「上蒜山」(標高1202メートル)
と呼ばれています。
犬挟峠
下蒜山の登り口は、鳥取県との県境、犬挟峠(いぬばさりとうげ)の手前にあります。
下蒜山の登山道はいきなりの急登で、うっそうとしたスギやヒノキの黒い樹皮の中を過ぎていくと、いきなり5合目の看板とともに展望が開けます。
登ったのは4月でしたが、なんとまだ道の端には雪が残っているところもちらほら!
さ、さすが西の軽井沢…。4月の下蒜山は写真のように、背の低い枯れたクマザサが広がっていますが、これが夏になるといっせいに青々としたものに生え替わり、まったく違う印象を与えてくれます。
蒜山に限ったことではありませんが、そうした四季折々の姿を楽しむことができるのが登山の魅力の一つでしょうね。
また、ここからの道中は稜線に沿って進んでいくため、眼下には常に蒜山の高原や、町並みが見えることになります。
蒜山は、朝と昼の温度差が激しいため、運がよければこんな美しい雲海が広がっているところを見ることができるかも…!
雲海が広がっている中を歩くときはさながら雲の上を歩いているような、そんな幻想的な気分に浸りながら登山することができます。
稜線とはいえ油断大敵!下蒜山→中蒜山へ!
稜線を歩くときといえば、怖いのは滑落ぐらいで、アップダウンはあまりないのが一般的ですが、蒜山の場合はそうでもありません。
遠景でみるとよくわかるのですが、特に下蒜山と中蒜山の間は、標高だけでいえばそんなに差がないにもかかわらず、アップダウンが激しいことで知られています。
通称「クロボコ」
また、蒜山というか、岡山県北の山は通称「クロボコ」といわれる火山灰系の水はけの悪い黒土がベースになっているところが多いため、雨が降ると悲惨なことになります。
泥がついた程度で済めばいいですが、周囲に背の高い木が亡いことが裏目になって、つかむところがないため(しかも岩場もあるため)、場合によってはスリップ一つで大けがになることも…。
稜線歩きは展望がいいのが特徴ですが、景色に気を取られて大事故をしないようにしましょう。
一応、危ない箇所にはトラロープ(黄色と黒のロープ)が張られていますが、あまり頼りすぎないようにするのが大事です。
振り返ってみると、これまで歩いた道がそのまんま目でたどることができるのが、蒜山の良いところです。
達成感を感じつつ、さらに歩を進めていきましょう。
中蒜山への下山口の分岐が見えてきたら、もう中蒜山山頂まではあと少しです!
その先にはコンクリート製の避難小屋もあるので、いったん中で休憩するのもいいでしょう。
でもせっかくなので天気が良いなら、建物の中で休憩するよりは、展望の良い中蒜山の山頂での一休みしてはいかがでしょうか?ベンチもありますよ!
また、避難小屋前の分岐を下におりれば、中蒜山登山口まで下りることができます。
体力に自信がなくなった人、けがをしてしまった人はここでエスケープするのも一つの手です。…え?車は犬挟峠に置いてきたから、中蒜山で下りても移動できない?ご安心ください。
中蒜山山頂前の避難小屋には、「蒜山登山タクシー」の電話番号が貼ってあったはずです。
蒜山登山タクシーは、登山口から登山口までタクシーで連れて行ってくれるとても便利な交通手段なので、これを使って中蒜山登山口から、犬挟峠まで戻りましょう。(歩いて戻ろうとすると10キロ近くあります!)
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塩釜の冷泉
ちなみに、中蒜山登山口は岡山三大河川の一つ旭川の源流で、「塩釜の冷泉」として日本百名水に指定されるほどの観光地です。
下→中→上の縦走が目的でなければ、ここに車をとめて、冷泉で喉を潤してから、蒜山登頂を目指すのもいいでしょう。
ただし、中蒜山の登山道はほとんど平らなところのない直登なのでご用心を。
中蒜山を超えればあと少し!標高1,202メートルの上蒜山へ!
中蒜山山頂と上蒜山山頂の間の道は、ここまでの道に比べればアップダウンが少ないので、おそらくそれほど苦労せずに登ることができるでしょう。
ちなみに、蒜山は平成27年度に岡山県で開催されたインターハイの登山競技の会場の一つでした。
そのため、安全確保のために登山道の整備もされたばかりです。(そうは言っても危ないところはやっぱり危ないのですが…)
上蒜山の山頂からは、眼下の蒜山高原の景色はもちろんのこと、遠く北に目をやれば、西日本最高峰、大山(だいせん)の荒涼とした北壁をしっかりと見ることができます。
そうした景色を目に焼き付けてから、下蒜山に向けて帰っていきましょう。
もちろん、上蒜山にも登山口(上蒜山スキー場から登る)があるので、体力に自信がなくなった人は、ここで下山して、タクシーを呼ぶのもありです。
下蒜山登山口の犬挟峠まで無事帰ることができたら、自分へのご褒美に温泉に行くのはどうでしょう?
快湯館
すぐ近くに、快湯館という日帰り入浴施設がありますよ。
ジャージー牛乳
そして風呂上がりはやっぱり牛乳!
蒜山といえばジャージー牛乳が有名ですのでぜひ一度その濃厚な味を体験してみてください。
風のシルフ
また、牛乳の他にも「風のシルフ」という蒜山産のブドウをつかったスパークリングジュースもオススメです。
日本一周の旅!
真庭市の次は、雲海に覗く天守閣!?高梁市です!
隣り町にも足を延ばしてみよう!
真庭市に来たのであれば、周辺の町もぜひ訪ねてみましょう!
真庭市は北から時計回りに
- 鳥取県倉吉市
- 鳥取県東伯郡三朝町
- 苫田郡鏡野町
- 津山市
- 久米郡美咲町
- 加賀郡吉備中央町
- 高梁市
- 新見市
- 真庭郡新庄村
- 鳥取県日野郡江府町
の10の市町村と接しています。せっかくの機会なので、これらのまちにも足を運んで、中国山地の魅力を堪能してみてください!
蒜山の見どころ!「西の軽井沢」とも呼ばれる観光地!【岡山県真庭市】のまとめ
以上、蒜山三座の縦走ルートをご案内しました。展望に、植物に、周辺の施設にしても魅力たっぷりの蒜山ですが、しっかり楽しむには体力が必要なのも事実!安全が第一ですから、少しでも不安に思ったら登山タクシーを頼りにエスケープするのも勇気ですよ。