岡山県勝田郡奈義町の那岐山は岡山県で4番目の標高(1255メートル)を誇るの山です。四季折々さまざまな顔を見せてくれる山として県内外からも人気の高い山です。今日はそんな那岐山の初夏の魅力をご紹介!
まずは那岐山麓山の駅を目指そう!
岡山県勝田奈義町にある那岐山の登山口は、岡山の市街地からだと、岡山市と県北を結ぶ幹線道路、国道53号線をひたすらに北上していった先にあります。
津山の市街地を超えたあたりで国道53号線は東にルートをとり、そこから30分ほどいけば、左手に那岐山の美しい姿がお目見えします。
まずは遠景で、これから登る山の姿を拝ませてもらいましょう。
遠景での那岐山がばっちり見えるポイントとしては、登山道入り口の手前にある、那岐山麓山の駅が有名です。
三角屋根のペンション風の建物の背後には、雄大な那岐山の全体を見ることができます。
また、特産品コーナーや地産地消の直売所だけでなく、地元ならではこだわりの味のレストランも営業しており、地元で採れた奈義町産の黒豚をつかったカツカレーやショウガ焼定食が人気だそうです。…まあ食べるのは山に登った後の方がいいかもしれませんが。
ちなみに町名は「奈義町」ですが、
山の名前は「那岐山」
です。
諾神社
また、今回はご紹介できませんが、町内には「諾(なぎ)神社」という神社もあり、様々な「ナギ」が点在しています。
この
「ナギ」という地名
は、もともと那岐山が、日本古来の神であり、この国を生み出したイザナギとイザナミの夫婦の神様が、この山に降り立ったという伝説に基づいているそうです。
古来の神様の名前の表記はさまざまなものがありますから、そこから色々な「ナギ」が派生したのかもしれません。
なお、「那岐山」の由来は諸説あり、おもしろいものでは、岡山県の最高峰の後山と背比べをして那岐山が負けてしまい、悔やんで泣いたことから「泣きの山」=「泣きさん」=「なぎさん」となったという説もあるそうです。
こういう地名の由来をたどっていくのもおもしろいですね。
登山の前にもう一つ寄り道!菩提寺の大イチョウ!
さて山の駅まで着いたら、もう登山口はすぐそこなのですが、せっかくなのでもう一つ寄り道を…。目指す登山口を過ぎて、もう少し車で山道を進んでいくと菩提寺というお寺に着きます。
ここは浄土宗の開祖である法然上人が幼い頃に仏教の手ほどきを受けた
「法然上人初学の地」
として知られており、また、その法然が木の枝を地面に突き刺し
「学成れば根付けよ」
と唱えたとされ、その枝が写真のような大イチョウに生長したという伝説が残っています。
この
「菩提寺の大イチョウ」
は、国の指定の天然記念物とされており、もちろん紅葉のシーズンが美しいのは言わずもがなですが、青々とした葉を蓄えたその初夏の姿も見応えがあります。
樹齢はなんと900年以上と言われており、その木の高さは40メートル、周囲の大きさは13メートルという巨樹です。
那岐山を登る前、登った後はぜひこのイチョウを拝みにいきましょう。
ちなみに、今回は行きませんがこのイチョウの木のある菩提寺から那岐山山頂を目指すコースもありますよ。
登り道にも魅力がいっぱいの那岐山!
今回は菩提寺から登る通称Aコースではなく、手前の登山道から入っていくうちの、大神岩(標高1000メートル)を経由して山頂を目指すCコースで那岐山山頂に到着の後、蛇淵(じゃぶち)の滝を見ながら下りるBコースでぐるりと下りていくことにしました。
登っている最中にある大神岩は、のぞき岩にもなっており、そこからは奈義町の広がる裾野を一望することができ、とても爽快です。
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蛇淵の滝
その他、先に紹介してしまいますが、蛇淵の滝も、それを目当てにドライブに来る観光客がいるくらい有名な観光地で、滝自体もさることながら、そこに至るまでの沢沿いの登山ルートがまた涼しくて気持ちが良いものです。
こんなふうに山頂を目指すのはもちろんですが、そこに至るまでにもたくさんの魅力があるのが那岐山の、何度も登りたくなるところかもしれません。
さて、那岐山は標高1255メートルですから、大神岩まで登ればあと標高差約255メートル。
あとちょっとと思うかもしれませんが、写真の、展望がひらける広場(トイレ有り)に出てからも、最後の最後、山頂に行くまでには避難小屋あたりから急登が続くので気を引き締めて登りましょう!
四季折々の姿を楽しめる那岐山の大自然!
山頂は天気が良いと写真のように最高のロケーションです。
周囲に何もないため、風が吹き抜けていき、疲れた体を癒してくれます。
また、初心者にはオススメできませんが、那岐山は冬の雪山としての有名で、白銀の世界の中をひたすらに山頂を目指して歩いて行くのもとても魅力的です。
菩提寺の大イチョウにしてもそうですが、ぜひ四季折々の姿を楽しんでください。
たとえば初夏のシーズンだと、写真のようにサラサドウダンが見頃を迎えています。
こうしたかわいらしい植物を見かけることができるのも、登山の楽しみの一つですよね。
また花の咲く植物だけでなく、那岐山は大神岩のあたりからはスギ・ヒノキが姿を隠し、ブナ・ミズナラの林が続いていくのですが、黒っぽいスギ・ヒノキの樹皮の印象が、白っぽい樹皮のブナ・ミズナラに変わるだけでもだいぶ印象が変わります。
そうしたふとした山の生態系の変化にも注目しながら登ると、知識もつきますし、これからの山登りも楽しくなるのではないでしょうか?
那岐山の見どころ!オールシーズン楽しめる山の山頂を目指して…!【岡山県勝田郡奈義町】のまとめ
以上、イザナギ・イザナミの神話や法然上人のエピソードの残る那岐山の登山道を紹介しました。登っていると岩肌に神様の名前やお経が刻まれた岩があったり、まだまだ紹介しきれない魅力がたくさんありますので、ぜひ皆さんものぼってみてください。