岡山県岡山市中区の曹源寺は岡山ICから30分または、JR岡山駅で東山経由西大寺行きのバスに乗り曹源寺 下車歩いて5分の所にあります。備前藩主 池田綱政が建立した「曹源寺」は池田家代々の菩提寺で境内は岡山市から「ホタルの里」に指定されています。
曹源寺の基本情報と歴史
「曹源寺」の正式名称は「護國山 曹源禅寺」でこの“護國”というのは山号の「護国山」に由来します。宗派は「臨済宗妙心寺派」で「十一面観音」を本尊としています。
曹源寺は岡山藩 池田宗家の第二第藩主 池田綱政が、元禄年間の元禄11年(1698)に家臣である上坂外記に寺院の造営を命じて、絶外和尚を開山(寺院開創の僧侶。また、寺院の開創自体を指す場合もあります)に迎えて、綱政の高祖父にあたる恒興と父の光政の菩提を弔うべく建立しました。
池田家墓所
その際に、自身の菩提寺も曹源寺に定め、後の歴代藩主の菩提も弔われるに至りました。その為、曹源寺の敷地内には池田家墓所があり、国の重要文化財の史跡に指定されています。
また、
- 大光院の康永四年法華題目石
- 旧蔵の紙本著色餓鬼紙(京都国立博物館 所蔵)
も国宝に指定されています。
“庭園王国”岡山の中でも際立つ曹源寺の庭園!!
岡山県には日本三大庭園(兼六園(金沢)・偕楽園(水戸)・後楽園(岡山))のひとつである池泉式回遊庭園「後楽園」をはじめとして、
- 津山藩大名の別邸の庭園だった津山市の「衆楽園」(後楽園とおなじく池泉式回遊庭園)
- 庭園にキリシタン灯篭が置かれており、適塾の創始者である緒方洪庵出生の地としても知られ、「町並み」そのものが保存地区に指定されている足守の「近水園」(こちらも池泉式回遊庭園・近水園のある地区は「足守町並み保存地区」の区域外なのでお越しの際はご注意下さい)
など庭園の名所が多く存在し、まさに「庭園王国」と呼ぶに相応しい地域であります。
寒松庭
また、「庭園」そのものが観光地ではない寺院の庭園も妙教寺の「寒松庭」や頼久寺の庭園など素晴らしい箇所があるので、機会がありましたら是非お越し下さい。
曹源寺の庭園もこの例に漏れません!!開山の絶外和尚と岡山藩士として土木事業を通して藩の産業発展や民衆の生活基盤安定に尽力した藩主補佐役 津田永忠の手により造立された庭園はココだけでも一見の価値ありです。
戦争の名残も残る境内・外国人修行僧
美しい庭園や、岡山市から「ホタルの里」にも指定され桜やボタン、アジサイにツバキ、ユキヤナギも植えられ丘陵の中腹には三重の塔、伽藍の脇には向かって左に大光院(日蓮宗)、向かって右に天台寺(天台宗)の塔頭がある(以前は真言宗、天台宗、日蓮宗、浄土宗の塔頭が配されていました)曹源寺ですが、境内墓地が存在しています。
徳風会式吉相墓の境内墓地
これは「徳風会式吉相墓の境内墓地」で境内の西側にあり戦争の暗い過去が影を落としています。第二次大戦後のGHQの戦後処理政策により“寺院所領の没収”が行われました。
これによって曹源寺も全国の寺院の例に漏れずに追い詰められる羽目になり、経済的にも困窮を極めるという憂き目に遭いました。
そこで窮余の策として境内を徳風会(実質的な部分では、曹源寺の指定石材店でもある倉元家石材商店)に委託する事で墓地を販売した事に由来するのがその境内墓地なのです。
曹源寺は海外より来日した修行僧が集う寺院としても知られており現在、曹源寺に所属する修行僧は原田正道 住職以外は全て外国人です。
ちなみに岡山の各所で地元の方々がお見掛けするという雲水姿の托鉢僧は曹源寺の修行僧だそうです。
スポンサーリンク
曹源寺を訪れた人の口コミ・感想
曹源寺の魅力をここまでご紹介してきましたが、ここで実際に行ったことのある方の口コミ、感想を見てみましょう。
「瀬戸町森林公園へ紅葉見物に出かけた時に立ち寄りました。県道28号線から入って少し走ったところにあり、すぐに境内に立つことができます。神社の裏山もすっかり紅葉しており、丁寧に手を入れられた境内と相まって厳粛な気分に浸ることができました。それほど広い神社ではないので、短時間で参拝できます。」
「曹源寺は、ほとんどの修行僧が外国人ということでも有名なお寺です。最も印象的だったのは門から本堂までへと続く、一直線で長い石畳の道です。仏教にあまり深い知識の無い私でも、厳かで特別な雰囲気を感じ取れるものでした。庭園は美しく管理されており、木々が反射して映り込む池は大変美しいものでした。竹林からは生命力と清涼感を感じ、心を整えることができました。」
曹源寺の基本情報
- 名称:曹源寺
- 住所:岡山県岡山市中区円山1069
- 電話番号:086-277-8226
- アクセス方法:岡山ICから30分
曹源寺の見どころ!!ホタルの里!【岡山県岡山市中区】のまとめ
池田綱政が建立した曹源寺!!その池田家の墓所は国宝にも指定されており、県内の他の庭園にもひけをとらない庭園も堂々たるものです。また、涼しげな竹やぶも見どころのひとつです。ちなみにこの曹源寺は本堂へ向かう道がかなり長〜いのでお越しの際は覚悟してお越し下さい。