大分県臼杵市の風連鍾乳洞は、日本一美しい天然記念物と言わしめる魅力を持っています。いわゆる岩手県の龍泉洞、山口県の秋芳洞、高知県の龍河洞の日本三大鍾乳洞には含まれていないのですが、それに匹敵する美しさを持つ風連鐘鍾乳洞は、閉塞型なので風化作用の影響を受けにくいとされています。特に夏の季節の観光としてぜひ体験したい地中アドベンチャーのスポットです。
夏でも涼しい風連鍾乳洞は冒険気分が存分に味わえる
風連鍾乳洞は大分県臼杵市野津町の国道10号沿いにあります。
風連鍾乳洞が発見されたのは1926年(大正15年)2月のことで、その翌年には国の天然記念物に指定されました。
鍾乳洞のタイプとしては、出入口がひとつだけの閉塞型なので、外気による風化がなく、成長した鍾乳石と美しい白い色がきちんと保存されています。
鍾乳洞自体は新旧2つありますが、旧洞は奥行きが約500mで
- 金世界
- 銀世界
- 龍宮城
の3区域に分かれています。
奥の龍宮城区域にある100本を超える石筍が聳えていて、風連鍾乳洞で最大の見どころです。
その中の「競秀峰」と呼ばれる石筍は高さ10m、周囲16mを誇り、鍾乳洞の権威から、『日本一美しい記念物であり、なおかつ代表的な鍾乳洞』との評価を得ています。
ちなみに、旧洞発見に続いて発見された新洞は、旧洞の山の上にあり、奥行きは約82mあります。
風連鍾乳洞への観光では歩きやすい靴を履くこと
実際に風連鍾乳洞に近づいただけでひんやりとした空気に触れられるかと思います。
したがって夏場には気持ちがいいのですが、それ以外のシーズンは寒さを覚悟しておいた方がいいかもしれません。
また、水で湿っている場所があるので、滑らないような靴を履く必要があります。
マナーを守りながら、足元を確実に、ゆっくり鑑賞するのがおすすめです。
風連鍾乳洞の見学で歩く順番がある
風連鍾乳洞の見学コースは順番があり、まずは不断の滝からスタートします。
ゆっくりと洞の中を進んで最初に見られる鍾乳石が「亀さん」で、次が「ちりめん土手」です。
瑞雲の滝
ちりめん土手の先には銀世界、瑞雲の滝があります。瑞雲の滝では高さ10メートルの、鍾乳石の滝のような光景が楽しめます。
瑞雲の滝の先に、
- 腰折の滝
- 布引の滝
- 不老の滝
と続き、さらに
- 音無の滝
- 長寿のくぐり
- シャンデリア
へと至ります。
シャンデリアは文字通り、自然が作ったシャンデリアです。
ヘリクタイト
さらに「鍾乳洞の貴品」とも言われるヘリクタイトは、水滴の落下方向を無視した方向に延びる鍾乳石です。
幽香連峰
ヘリクタイトの先の幽香連峰(コリント神殿)は30本程度の石筍の群れで、その先は鐘乳帯、仙人の庭と続きます。
その後は、
- 大だるま
- 竜神の渕
- 霊妙閣
で、霊妙閣には高さが7メートルの純白の石柱があります。
竜宮城・競秀峰
霊妙閣の先が白銀の城、竜宮城で、竜宮城には競秀峰と呼ばれる高さ10メートル周囲16メートルの巨大な石筍があります。
天上界では純白の鐘乳管が垂れ下がっている様子が見え、その先の瑠璃の殿堂がゴールになります。
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昔はトーチ、今はLEDヘッドライトでの鍾乳洞見学
風連鍾乳洞が発見された頃にはLEDのヘッドライトはもちろんなかったので、鍾乳洞の内部を探索する明かりはトーチランプでした。
また、よほどの勇気がないと洞内の探索はできなかったでしょう。
それを考えると、今は観光ツアーでガイドがついていて、適切な灯りで鍾乳洞を安心して見学することができます。
日本一美しいといわれる風連鍾乳洞のスケールの大きさと、天然記念物となるその姿を、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
特にアドベンチャー要素の強い風連鍾乳洞の見学は、大人でも探検家になったような気分になれて、その景色は言葉にならない感動が得られるかもしれません。
風連鐘鍾乳洞を訪れた人の口コミ・感想
別の鍾乳洞へは行ったことがある、あるいは風連鍾乳洞が初めてという人たちの実際に風連鍾乳洞を訪れた人、また滑って転んだ失敗談など、感想や口コミの数々を以下にご紹介します。
- 「日本で一番美しい鍾乳洞だそうで、垂れ下がった岩がシャンデリアみたいできれいです。夏はひんやりして気持ちが良いです。足元がかなり悪く、内部は暗いので、小さな子どもさん連れや、お年寄りにはちょっと厳しいかもしれません。」
- 「500メートルほどの比較的小さい規模の鍾乳洞ですが、変わった形の岩に名前が付けられていたり、カーテンのように岩が連なっている場所など、見ごたえがあります。道の駅やよいから近い場所にあるので、足を延ばして立ち寄ってみると良いと思います。」
- 「道のりまで結構山道を歩きます。鍾乳洞なので仕方ないですが、暗くてコウモリがいます。ホールという場所はライトが付けられていて、神秘的な風景できれいです。ガイドさんもいて、内部の解説をしてもらえます。」
風連鍾乳洞の基本情報
- 住所:〒875-0351 大分県臼杵市野津町大字泊1632
- 電話番号:0974-32-2547(有)風連鍾乳洞観光協会
- アクセス方法:列車の場合、JR犬飼駅から車で約15分
車の場合、臼杵ICから車で約20分、あるいは米良ICから車で約40分
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臼杵市の他の見どころをまとめました。
風連鍾乳洞は臼杵市が誇る観光名所!日本一美しい天然記念物!【大分県臼杵市】のまとめ
大分県は観光スポットとして有名な温泉も数多くありますから、その際、一緒に風連鐘鍾乳洞へ訪れることをお勧めします。規模はこれより大きい鍾乳洞はいくつもありますが、他に類を見ない美しい鍾乳洞が見られるはずです。天然記念物としてのその神秘的な光景を、ぜひご自身の目で拝見してみてください。