奈良県北葛城郡上牧(かんまき)町は奈良県の北西部の丘陵地帯にあるとても小さな町です。古くからこの地では宮廷の馬の放牧がおこなわれていたようで、そこからその名が付いたようです。高校の合併に伴ってこの町には中学校以下しかありませんが、豊かな自然はいまだ多く残っております。今回はそんな、北葛城郡上牧町の観光情報についてご紹介いたします。
笹ゆり姫物語の要所を散策
この上牧町を舞台とした「笹ゆり姫の物語」というものがあります。
物語のあらすじは、片岡城主の一人娘である佐葦が一人の男性景頼と出会うことから始まります。その後再会したした二人は惹かれあうのでした。しかし、その後の戦で景頼はゆくえ知れずになり、佐葦姫はなげ悲しむのですが、二人で過ごした想い出の土地で笹百合を思いながら、健気に働いていました。人々はそんな佐葦姫を「笹百合姫」と慕いますが、しばらくして景頼の無事が知らされると、二人は再会に喜びとうとう結ばれることになります。しかし、好事魔のごとしで、次の合戦で夫となった景頼は討ち死にしてしまうのです。
この中には伝説とも言われる紅い笹ゆりの逸話がありますし、物語に出てくる建物や地名は今でも散策して回ることが出来ます。
この物語を思い浮かべながら、あなたも伝説の花を探してみませんか。
観音山で発見の上牧銅鐸
今から200年も前に南上牧地区の観音山で発見されたと言われているのが、この上牧銅鐸と言われるものです。
高さは30cmにも満たない為に、小型の銅鐸の部類に入ります。
そもそも銅鐸とは、上部に穴が開いており釣り下げられるように出来ている釣り鐘型の青銅器です。
特に弥生時代から作られ、その利用方法は確実には判っていないのですが、鐘として鳴らして使っていたのだと推測されています。
判っていることは墓などの墳墓での出土例がないことから、村全体の所有物ではなかったかと推測されています。
このように有名な出土品であっても、その利用法がわかってはいないものも沢山あります。
それらを解明するための想像力が豊かになるのではないでしょうか。
古社である伊邪那岐神社
イザナギ神社は古事記によく出てくる神様ですが、これを祀った神社は全国に多数存在します。
ここ、上牧町の伊邪那岐神社は片岡城跡の南端にあり、江戸時代までは五社明神と呼んでいたようです。
社殿は流れ造りで昭和43年ごろに改築され、現在に至っています。境内に末社はありませんが、長年親しまれて来た歴史を石灯籠などでうかがい知ることが出来ます
浄安寺は平家ゆかりの地
浄安寺の由来は2つ存在しますが、どちらも平家ゆかりの話です。
- 1185年の壇ノ浦の戦いで、平和盛が逃れてきたという逸話
- 平家一門の菩提を久保小太郎武盛が弔ったという話
がありますが、両者の間では500年もの違いがあるので、前者の由来が近いのではないかと思われます。
特に戦乱となると、寺を焼かれて焼失したとか人が居なくなり廃寺になってさびれたという話が多くありますので、はっきりしたことは判っていないのでしょう。
本尊に木造阿弥陀如来坐像を祀っており、境内に三十三所観音霊場を見る事が出来ます。
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貴船神社にまつわる伝承
祭神は罔象女命(みつはひめのみこと)でイザナミから生まれたことが、古事記、日本書記に書かれています。
日本では代表的な水の神として称えられており、夫ミヅハノオと共に地下水と天上の水、つまりは雨などを司る役目だったようです。
古史古伝の書「ウエツフミ」では、イザナギ、イザナミはこの夫婦神にこれらの水を管理する様に命じていたようです。
現在貴船神社は、雨が降っても拝殿前まで木の屋根で覆われていますので、濡れずに参拝をすることが出来ます。
社殿の中を見ることは出来ませんが、自然に囲まれている荘厳な雰囲気は楽しめるでしょう。
片岡城の歴史での変遷
山城の片岡城は1550年に築城されたとあります。築城は片岡国春で、別名は下牧城とも言います。
その20年後には松永久秀がこの城を落としその拠点としますが、その後の信長に対しての謀反により攻められこの城は落城したのでした。
しかし、この松永久秀がこの城を完全な形にしたとも言われており、信長紀にもその記述が残されています。
この片岡城の注目する場所が「大空堀跡」ですが、他に余り類を見ないほどの規模なので見てみると良いでしょう。
大和神の牧温泉・虹の湯
JR王寺駅からバスで15分ほどの場所に、この天然温泉大和神の牧温泉 虹の湯があります。平日は10時から25時まで開いており、さまざまな効能のある温泉を楽しんでいただけます。
虹の湯には
- 備長炭風呂
- 塩サウナ
などの、変わったお風呂もあります。
また温泉として、一風変わったイベントも毎月開催しているので詳しくはお問い合わせください。
奈良県北葛城郡上牧町の観光スポット7選!数々の伝承が残る町【奈良県北葛城郡上牧町】のまとめ
北葛城郡上牧町には、片岡山にまつわる聖徳太子伝説もあり、その秘話を探ってみるのもいいかもしれません。史跡に探索にと選ぶのは自由ですので、お好みのコースで楽しみましょう所の確保はしておいた方が良いでしょう。