香芝市は奈良県中央より上の大阪に面する位置に在ります。この地には主要な高速道路や国道、近鉄大阪線が通っており交通の要所ともなっておりますが、金剛生駒紀泉国定公園の内部に存在する為に、非常に自然豊かな土地柄でもあります。今回は、そんな香芝市のみどころについてご紹介いたします。
屯鶴峯(どんずるぼう)
かなり古い時代に二上山が噴火して出来たドンズルボー累層と呼ばれる特殊な地形を作り出している場所です。
街からは意外と近くにあり、途中までは車で行くことが出来ます。
「とんずるほう」と読みますが、標高もわずか150mほどなので、気楽に登ることが出来ます。山頂に上ると、その景観に息をのむこととなります。
周辺を囲む森林の緑とこの屯鶴峯の真っ白なコントラストに、異世界感を味わうことでしょう。
トイレもあるので、女性の方も安心してこれますが、スニーカーなど動きやすい靴でお越しください。
平野塚穴山古墳
飛鳥時代に作られたといわれる古墳です。
四角い形をした方墳で、
- 漆で塗り固められた棺
- 金メッキされた銅製の耳飾り
が出土しています。
石槨と呼ばれる内部には、近くの屯鶴峯から切り出されたとみえる石が丁寧に積み重ねられており、漆喰も施されていることから、かなりの貴人を葬っていたと予想できます。
終末期の古墳としてはかなり貴重らしく、肉眼で直接見ることができるのは、かなり価値のある体験だと思います。
二上山博物館
近鉄下田駅から徒歩10分のところに、この二上山博物館があります。
ここは全国でも珍しく、旧石器時代の文化と石をテーマに紹介している博物館ですので、古代マニアなら必見の場所でしょう。
この地で産出される石には、サヌカイトと呼ばれる物があり、古代人たちは武器を作る時には、この石を加工して様々な物を作り出して行きました。
このサヌカイトは別名カンカン石とも呼ばれ、とても硬くて叩くと済んだ音がします。
石器時代の人々は、この特性を利用して、石琴を作って曲を奏でていたのです。
また屯鶴峯にも見られる凝灰石も石棺や、石材として扱われており、二上山からは古代の大規模な石の採掘抗も見つかっています。
また、金剛砂も古くから使われて来たもので、その硬度からサンドペーパーに利用されています。
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狐井城山古墳
こちらは近鉄下田駅から徒歩20分程の、水にたたえられた場所にあります。
全長140mを超える前方後円墳で、香芝市で発見された最大の古墳です。
くり抜き式石棺が発見されており、古代の豪族葛城氏の墓ではないかと推測されています。
その後、戦国時代に岡氏が古墳の地形を利用した狐井城を築いています。
志都美神社
この志都美神社は、「しずみ」と読みます。
その昔、盲目のお坊さんがその目を洗ったら、見えるようになったとの逸話が残されています。
江戸時代の書物である大和志や、大和名所図絵にも清水八幡との紹介もされており、霊験あらたかな場所として紹介されていたようです。
社殿の裏にひっそりとたたずむ「片岡の杜」と呼ばれる森林は、武烈天皇陵に繋がっており、社叢(しゃそう)として県の文化遺産の認定を受けています。
毎年9月9日に行われる宵宮祭は秋祭りで、その祭事には舞も披露されています。
また出店も出ており、地元の子供たちの楽しみにしているお祭りの一つなのです。
香芝ふれあいフェスタ
毎年11月に開催されているのが、この香芝ふれあいフェスタです。
地域のふれあいを大事にして文化の発展とその活性化を図る意味で、開催されているそうです。
祭りではステージショーや、この地のよさこい踊りが披露され、さまざまなイベントとともに市民が楽しめるお祭りに仕上がっているようです。
また、市のホームページでは踊り演技のビデオも掲載しているようです。
奈良県香芝市の観光スポット6選!古墳にも使われた石の産地の見どころ【奈良県香芝市】のまとめ
香芝市は古代に二上山から影響を受けた特異な石を産出してきた場所で、それに関連する神社仏閣も多いのです。貴重な古墳や古代の遺跡からも、多くの石が加工されてそれが利用されてきました。そういった意味でも、石の博物館である香芝市二上山博物館は、貴重な資料の宝庫だと言えるのではないでしょうか。