奈良県生駒市にある宝山寺は、生駒山中腹にあるお寺です。お寺にしては珍しく一の鳥居と二の鳥居がありますが、これは天部の神を祭っているからです。宝山寺では毎月1日と16日が歓喜天御縁日となっていて、商売繁盛を願って大勢の参拝客が訪れます。
【宝山寺の見どころ】
宝山寺は奈良県生駒市の、生駒山中腹に位置しているお寺です。階段を登ると見えてくる鳥居は、天部の神様を祀る印として大切に守られています。
石造りの一の鳥居は国内では最も高さがある鳥居としても知られています。一の鳥居は元々生駒駅近くにあったのですが、昭和50年の駅前開発事業の際に現在の場所に移動されました。
一の鳥居でありながら、二の鳥居よりも本堂に近い場所にあるのは、こういった事情があるからです。
神社では鳥居があるのが当たり前のイメージですが、寺院に鳥居があるのは少し珍しいことです。
寺院に鳥居がある場合は、天部の神様を祀っているという証となります。天部の神様というのは、バラモン教の神様のことです。
仏教が成立する前からある宗教ですが、仏教ができた後は仏教の守り神となっています。
天部の神様はれ穢を嫌うため、参拝する時には鳥居をくぐって身を清める必要があります。このため天部の神を祀っている寺院には鳥居があるのです。
【宝山寺の本堂】
本堂は宝山寺の中でも最古の建物です。重要文化財も多く存在している宝山寺では、本堂自体がとても希少価値の高い建造物です。
五間四面、重層という護摩堂様式で建てられており、湛海律師が作ったとされる「不動明王像」が祀られています。
本堂軒下にある「阿修羅場」と書かれた額は、1768年に東寺学頭大僧正賢賀が書いたと言われています。
また本堂には寺の名前となる「宝山寺」と書かれた額もありますが、これは元々寺のために書かれたものではなく、弘法大師が縁起のいい言葉をしたためたものが、後に宝山寺に移されたと言われています。
本堂の裏手には般若窟が見えますが、弥勒菩薩が安置されているため立ち入ることができません。
本堂の少し手前には天神がありますが、天神にゆかりのある牛の像がいくつか奉納されていて、まるで天神を守っているかのように佇んでいます。
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【宝山寺の双子の観音様と宝山寺にある異空間】
宝山寺内の惣門正面には、階段があってその先に地蔵堂があります。
地蔵堂には、
- 福徳地蔵尊像
- 融通観音像
など全部で6つの石像があります。宝山寺が建てられた当初からここに祀られていて、残りは昭和に入ってから地蔵堂の仲間入りをしました。
当初からある融通観音像は双子だと言われていて、もう1体は奈良市三碓の添御県坐神社に祀られています。距離にすると5キロほど離れたところにありますが、お互いが見つめ合うように設置されています。
宝山寺には、宮大工が建てた洋風な獅子閣があります。1884年に迎賓館として建てられたのですが、外観が洋風のため宝山寺の中ではここだけ異国にいるような雰囲気です。
壁は漆喰で色ガラスを使うなど一見洋風ですが、屋根は瓦で部屋は和室と、洋風と和風がミックスされた独特の造りになっています。
宝山寺に行く機会があったらぜひ、この異空間も体験してきてください。
宝山寺を訪れた人の口コミ・感想
以前観光ついでに立ち寄りましたが、山の中腹に位置する静かなお寺で、ノスタルジックな雰囲気が漂っていました。
他にも宝山寺を訪れた人の感想を見てみましょう。
- 「いろいろと見どころの多いお寺ですが、なかでも夏休みに公開されている重要文化財の獅子閣は、絶対見てほしいです。建物の美しさに心奪われること間違いなしです。お寺の境内にはちょっと違和感ありますが、思わず見とれてしまいました。」
- 「このお寺では、登録すれば誕生会と称して信者のお誕生日を祝福して、般若経を詠み、貫主様のお話を聞き、食事会を開いてくれます。費用も安いのに、特別なご利益があるような気がして、とてもうれしいです。立派なお寺なのに、とても身近に感じられ、親しみが持てます。」
- 「広い境内で散策するのが楽しいです。山の中腹なので、ところどころから見える景色も素晴らしく、それぞれの建築物も趣のあるものばかり。心落ち着く空間です。ついでに、売店で売っている宝山寺みそはとても美味しいです。行くと必ず買ってきます。」
宝山寺の基本情報
- 名称:宝山寺
- 住所:奈良県生駒市門前町1番1号
- 電話番号:0743-73-2006
- アクセス方法:近鉄奈良線生駒駅から、ケーブル宝山寺下車徒歩10分
生駒市の観光・お出かけスポット
生駒市の他の見どころをまとめました。
宝山寺の見どころ、おすすめポイント!【奈良県生駒市】のまとめ
宝山寺には、山から引いている延命水という湧水が湧く場所があります。常に枯れることなく湧き続ける水は、とても冷たく夏でもひんやりとしています。飲むと長生きできると言われています。あるとき近くのお蕎麦屋さんが、ここの水を持ち帰りそば打ちに使ったところ、美味しいと評判になり商売繁盛したことから商売繁盛のご利益も期待できると言われています。延命水がある奥には、トイレを清めてくれるという「烏枢沙摩明王」がいます。烏枢沙摩明王は別名をトイレの神様とも言われますが、男の子が産まれるように願うと、男の子が産まれるという言い伝えもある不思議な神様です。