長崎県長崎市にある孔子廟では、中国本廟の伝統美きわまる彩り豊かな極彩色、そして長崎らしさと異国情緒が味わえます。原爆等の被害を受けながらも改修を重ね、現在まで守られているそうです。
孔子廟までのアクセス
長崎駅より路面電車(正覚寺下)に乗車、築町電停で下車、石橋行きに乗換(無料乗換券あり)、大浦天主堂下で下車徒歩4分です。
マイカーでお越しの方は、20台分の無料駐車場があります。道路を隔てた前方には大型駐車場もあります。(有料)
孔子廟について
孔子廟は約370年前、向井元升(むかいがんしょう)の長崎聖堂に始まります。
明治になり長崎聖堂が廃止となったので、1893年(明治26年)に清国政府と在日華僑が協力して建立したもので、原爆等の被害を受けつつも幾度かの改修をかさね、現在に至っているそうです。
外観は、外壁の朱色と屋根の黄色が特に印象的で、黄色は皇帝の色を表していて、廟全体に広がる朱色は魔除けと喜びを表しているそうです。
主に原色の赤と黄色を使った中国らしく、エキゾチックな建物です。
入場門(學門)から本廟に行く途中2つの門があります。
れい星門と儀門(ぎもん)があり、れい星門の石門は日本の神社にある鳥居の原型とされています。
儀門(ぎもん)は、長崎孔子廟の正門になる門です。
昭和初期の台風によって破壊されましたが、1967年(昭和42年)に再建したもので、本廟の正式な内正門です。
元来中国の廟の門戸は三カ所以上の奇数をもって作られており、中央は神様と皇帝以外の通行を禁じていて、平常は閉ざされている神聖な門です。
そして儀門を入ると、まず目に飛び込んでくるのは真正面の大成殿(たいせいでん)ですが、
脇にずらっと並んだ石像(すべて大理石)がすごい。72賢人像です。
それぞれが精巧でかつ表情豊かに造られ、1つの像は重さ1.5トンもあり、すべての像を設置するのに足かけ2年かかったそうです。
次に大成殿に入ると、世界四大聖人として讃えられる孔子の座像があります。
高さが2メートルで座像としては国内最大の大きさです。
学問の神様であり、学生にも人気!
学門の神様だけのことはあって多くの受験生も訪れるそうです。
また中庭の両脇にある回廊を両廡(りょうぶ)といい、東廡と西廡に分かれ壁には孔子の論語が前20編、約50章からなり総文字数は16018文字展示してあります。
受験生必入手(合格祈願のお札)
孔子を祀る大成殿の中で販売している線香かローソクどちらか購入されて参拝された方で、希望される方のみに無料で提供している学門の神様孔子の合格祈願のお札があります。
勉学中の学生さんや、就活中の方はぜひゲットしてください。
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中国歴代博物館
中国歴代博物館は、本殿(大成殿)奥にある建物で、中国政府の協力を得て、日中友好の場として中国清朝政府と華僑によって建造された孔子廟に併設されている博物館です。
中国国外ではここでしか見ることのできない古宮の宮廷文物や美術品は、国指定一級文物(国宝)クラスの物ばかりです。
建物2階には、北京故宮博物館から提供された宮廷文物や中国古代の青銅器や磁器、3階には中国歴代博物館から提供の出土文化財を、年代別や王朝別に分かりやすく展示してあります。
中国の歴史の重みを感じさせる展示物の数々は、一見の価値があると思います。
尚、中国歴代博物館(は2,3階)は写真撮影が禁止となっています。
周辺の観光スポット「グラバースカイロード」
グラバー園までの裏ルート
本来ならグラバー園に行くには、長崎駅より路面電車を使って大浦天主堂下で降り、お土産店が並ぶ急な坂を上って行くのですが、今回は路面電車の終点石橋で下車してグラバー園に向かう裏ルートを紹介します。
グラバースカイロードは、日本で初めて「道路」として位置づけられた、斜めに動くエレベーターです。
長崎市は平地が少なく、斜面に市街地が形成されている状況です。
斜面地では車をはじめとした交通機関が利用できないため、この傾斜エレベーター導入は、地元住民、高齢者や障害者の方にとっては安全で快適に移動できる交通手段です。
長崎市内には、まだまだ沢山の斜面地がありますが、この大浦地区は使用目的や整備効果が最も高い地区であることから最初に導入されたそうです。
グラバースカイロードで最上部まで行くとグラバー園(第2ゲート)入口はすぐです。
途中、長崎の坂道と海を一望できる展望スペースがあります。
ここは「世界三大夜景」の一つに数えられる稲佐山と並び、長崎市内が一望できる夜景スポットとして知られています。
稲佐山より手軽に行けるのが人気ですよ。
バスツアーで来る人は知らない人が多いと思いますが、友人同士や家族旅行でお越しの方は、是非利用してみたらいかがでしょうか。
運行時間は6:00~23:30で無料です。
マイカーの方は、駐車場が無いので要注意です!
孔子廟で感じる歴史と伝統美の見どころ!【長崎県長崎市】のまとめ
孔子廟は、長崎で一番の異国情緒を感じることができる場所だと思います。またグラバースカイロードからの景色を見たら、いかに長崎が坂の町であるかも理解していただけるかもしれません。そしてそのままオランダ坂へ…といった観光スポット巡りもきっと楽しいと思います。長崎らしい場所をごゆっくりご堪能いただき、旅を楽しんでくださいね。