長崎県平戸市は1549年にフランシスコ・ザビエルが渡来して以来、キリスト教徒が多く暮らす地域として発展してきました。長いキリスト教弾圧時代にも信仰を守り続けた隠れキリシタンたちの実態とは?ここに来れば新たな知識に出会えるはずです。
塩俵の断崖
平戸市の北西に広がる「塩俵の断崖」。
こちらは、海沿いの岸壁に「柱状節理」と呼ばれる自然現象が広がっているところで、柱がひしめきあっているような姿をした断崖絶壁になっています。
この「柱状節理」は、溶岩で出来た台地の上に玄武岩が重なって、垂直方向に亀裂が入って割れることで、岩が自然ときれいな五角形または六角形の形になり、このような姿になるものです。
世にも珍しい、不思議な自然の神秘を目のあたりにすることが出来ますよ。
田平天主堂
平戸市は、1550年にフランシスコ・ザビエルが訪れて以来、キリシタン信仰が深く根付いています。
古くから数多くの美しい教会が作られてきましたが、ここ「田平天主堂」もそのひとつ。
19世紀後半に黒島と出津地域から移り住んできた隠れキリシタンたちが造ったもの。
みごとなレンガ積みの技法、ススによって黒く塗られた黒レンガの配置のデザイン性の高さなどが高く評価されており、レンガ造りの教会の最高傑作とも言われています。
目の前にすると圧倒されるほどの美しさに、キリスト教徒でなくとも、信仰の尊さを改めて実感することと思います。
宝亀教会
こちらは、平戸市で「田平天主堂」と並んで有名な教会です。
静かな山間の奥の方の、少しわかりにくいところに建っていますが、たどり着けばその眺めはみごとな絶景。
海が見晴らせる開けた場所に佇む、レンガ色をした可愛らしい外観の教会です。
群青色の海の輝きと鮮やかなレンガ色のコントラストが美しい景観です。
平戸ザビエル記念教会
平戸を代表する観光名所のひとつがここ、「平戸ザビエル記念教会」。
フランシスコ・ザビエルの渡来を記念して1913年に創建されたもので、教会の脇にはザビエル記念像も建っています。
外観はペパーミントグリーンが鮮やかな可愛らしい色合いで、天気の良い日には空のスカイブルーによく映えます。
付属の売店でロザリオなどのキリスト教にまつわる品物も購入できるのでご興味がある方は覗いてみてください。
平戸オランダ商館
こちら「平戸オランダ商館」は、江戸時代の初めにオランダと交易をしていた際に使っていた建物を復元した施設です。
当時の日本の建物とは全く違う雰囲気をもつ白亜の建造物で、異国情緒溢れるたたずまい。海風を感じられる海辺に建っているのでとても気持ちがよく、現代では、多くの観光客が憩う観光スポットとなっています。
内部はオランダ貿易にまつわる資料や絵画を展示する資料館となっており、地元・平戸市の歴史を知るのにうってつけの内容となっています。
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川内峠
平戸市に広がる約30ヘクタールもの草原で、大自然を一年中身近に感じることができるエリアとなっています。
春にはヒラドツツジが可憐なピンクの花を覗かせ、夏にはみずみずしい緑の草原が広がります。
さらに、ベストシーズンは秋のススキの季節。
視界の開けた広い草原の一面がススキの穂で埋まり、風が吹くたびにさざなみのようにススキの海が揺れるさまは絶景です。
また、冬には野焼きが行われますが、草原一面に炎が広がるようすはなかなか見る機会のない貴重なものなので、毎年多くの見物客で賑わいます。
大バエ灯台
約100メートルもの切り立った断崖絶壁の上にそびえ立つ、「大バエ灯台」。
こちらは、生月島の最北端に建つ灯台です。
その真っ白に輝く灯台の姿と、周囲に広がる絶景とが人気で、平戸観光の際には足を伸ばす観光客がたくさんいます。
360度広がる大パノラマは言葉が出てこないほどのみごとさです。
特に人気が高いのは夕暮れ時。
水平線に沈んでゆく真っ赤な太陽が、白い灯台をオレンジ色に染め上げるさまに、時間を忘れて見入ってしまいそうです。
平戸市生月町博物館 島の館
平戸市の北西に位置する島、「生月島」。
生月大橋を渡ればそこには、海と緑に囲まれた自然豊かな生月町が広がっています。
隠れキリシタンの信仰と、江戸時代に盛んだった捕鯨の2つが、この島に育まれてきた歴史のメインテーマです。
この「平戸市生月町博物館 島の館」では、生月町に根付いた隠れキリシタンと捕鯨の文化を解説する博物館。
小さな島の郷土資料館とあなどるなかれ。
予想以上に迫力のある展示内容なので、きっとびっくりされることと思います。
離島の文化や歴史に触れたい方にはぜひ訪れてみて欲しい施設です。
平戸市切支丹資料館
1550年のポルトガル船の渡航以来、平戸の文化を彩ってきた「キリシタン信仰」。
平戸の繁栄はキリシタン文化とともにありました。
こちらの「平戸市切支丹資料館」では、豊臣秀吉・徳川家康の発令したキリシタン禁止令の時代に、平戸の「隠れキリシタン」たちがどのようにしてキリシタン信仰を守ったかを語り継ぐための資料館です。
キリスト教の精神を説く宣教師がいないまま、秘密裏に自己流のキリシタン信仰を長年に渡って続けた結果、その信仰のありようは一般的なキリスト教とは全く異なる独特のものになっています。
文化や歴史に興味のある方なら必ず新しい発見ができる資料館です。
平戸市の歴史への追憶にひたれる見どころ9選!隠れキリシタンの里【長崎県平戸市】のまとめ
隠れキリシタンたちの神秘的な生き様を目の当たりにすると、感動に胸が打たれるようですね。ちなみに、教会などの宗教施設では今でも礼拝を行っている信者の方々がいるので、静かに落ち着いた気持ちで観覧するようにしましょう。