宮崎県日南市は戦国大名の伊東氏と島津氏が良港・油津(あぶらつ)港をめぐって約100年にわたる戦いを繰り広げたまちです。その後、江戸時代には伊東氏飫肥(おび)藩の城下町として栄え、以来日南市の観光の中心地となっています。今回は、歴史と自然あふれる日南市の観光スポットと名物をご紹介します。
飫肥城下町・飫肥城跡
飫肥(おび)城跡を含む一帯は「九州の小京都」とも呼ばれ、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
武家屋敷の門構えや石垣、漆喰塀が残る町並みにあわせ、商人町通りには格子や壁灯籠、番傘などを飾った商店が並び、一帯が江戸時代を思わせる街並みとなっています。
城跡は復元された大手門・平城松尾の丸・藩校振徳堂のほか、石段や壮大な石垣があり、当時の繁栄ぶりを今に伝えています。
なお、飫肥に関する貴重な資料は飫肥城歴史資料館に収められていますのでぜひ訪れてみてください。
また、城下町の一角には明治の外交官・小村寿太郎の生誕碑があります。小村寿太郎は明治の外交官で、第1次桂内閣の外務大臣を務め、日露戦争の講和条約(ポーツマス条約)を結んだ人物でもあります。
そのことから、現在ポーツマスと日南市は姉妹都市となっています。
鵜戸神宮(うどじんぐう)
鵜戸神宮は、日向灘に面した断崖の中腹にある岩窟(海食洞・波浪の浸食によって作られた洞窟)の中に本堂があるという珍しい神社です。
通常神社の本殿は一番高い場所にありますが、この鵜戸神宮は本殿まで崖に沿った石段を下りなければならない「下り宮」という日本でも珍しいかたちになっています。
境内には「運試しの亀岩」と呼ばれる岩があり、願いを込めながら運玉を投げて岩の枡形にはいると願いが叶うと言われています。
南には鵜戸千畳敷奇岩と呼ばれる、海底が隆起し長い年月にわたって激しい波浪や風雨に浸食された奇形波蝕痕(通称「鬼の洗濯岩(板)」)があり、その広さから県の天然記念物に指定されました。
またこの一帯は景勝地として名高く、国指定名勝となっています。
サンメッセ日南
サンメッセ日南は日南海岸の小高い丘の上にある「太陽からのメッセージを受けて地球に許される生き方に気づく」(サンメッセ日南のHPより)をテーマにした観光スポットです。
高さが5.5mもある7体のモアイ像があることで知られています。
ラパ・ヌイ(イースター島)のモアイ像が部族間の争いや昭和35年に起きたチリ地震によって倒壊したことを知った日本の有志チームが、平成2年から3年かけてモアイの修復を行いました。
その結果、イースター島はユネスコの世界遺産に無事登録され、イースター島の長老会より世界で初めてモアイの復刻を許可されました。
日本のチームの中に日南にゆかりのある会社があったことと、モアイ像にふさわしい美しさがあると判断されたことで日南市にモアイ像が建立されたのです。
園内はかなりの広さがありますが、有料でカートを借りることができるためお子様連れでも楽しめるスポットとなっています。
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日南名物
ここからは、日南市の名物料理をご紹介します。
飫肥天(おびてん)
日南市飫肥地区の郷土料理で、江戸時代に考案された魚肉を練って揚げたものです。
日向灘で取れる新鮮な魚を丸ごとすり身にして豆腐を混ぜ、みそやしょうゆ、黒砂糖で味をつけてあります。
さつま揚げに似ていますが、豆腐が入っているため柔らかい食感と甘みがあるのが特徴です。
肥地にはこの肥地天を提供する飲食店もあり、揚げたてを食べることができます。
厚焼卵
飫肥ではお正月やお祝い事があると厚焼き玉子を食べることが多く、昔は殿様にも献上されていました。
20cm四方程の焼き型1つに約20個もの卵を使い、焼きあがると厚みが6~7cmにもなります。
七輪の上に焼き型を置き、炭火を乗せた蓋をして約1時間かけて焼き上げるという卵焼きは、プリンのような口当たりが特徴です。
20個もの卵を使うという厚焼き玉子、ぜひこの日南市で試してみましょう!
日本一周の旅!
日南市の次は、リゾートホテルからディープなスポットまで!観光もグルメも大満足、宮崎市です!
隣り町にも足を延ばしてみよう!
日南市に来たのであれば、周辺の町もぜひ訪ねてみましょう!
日南市は北から時計回りに
- 宮崎市
- 串間市
- 都城市
- 北諸県郡三股町
の4つのまちと接しています。せっかくの機会なので、これらのまちの名所にも足を運んでみてください!
まとめ
歴史を今に伝える建物や自然が作り出す数々の絶景など、まだまだ紹介したいスポットがたくさんある日南市。ここにしかない風景がきっと訪れる人々の目を楽しませてくれることでしょう。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。