宮城県多賀城市は多賀城を中心に沢山の史跡や文化財がある場所です。多賀城は奈良・平安時代に、東北の政治・軍事の中心地であり、多賀城跡は特別史跡に指定されています。その多賀城に関わりの深い神社も多くあります。
多賀城跡
江戸時代初め、多賀城碑の発見により、多賀城市市川、浮島にあった遺跡が多賀城跡であることが判明しました。
規模は約900m四方で、周囲は土を固めながら積み上げ、上に屋根をかけた「築地塀」で囲まれ、地盤が軟弱な場所では代りに丸材や角材を並べた「材木塀」が作られました。
南・東・西の外郭辺で門があり、中央には儀式などを行う政庁があったようです。
その外、都から赴任してくる按察使や国司や鎮守府官人などの重要な役人や、書生などの下級役人や工人や兵士が存在していました。
多賀城碑(壺碑)
多賀城の入口に立っていた碑で、多賀城の創建の年と改修の年が書かれています。
この碑は改修の記念として建てられたものです。多賀城の創建は724年(神亀元年)で改修は762年(天平宝字6年)と記されています。
この碑の建立年月日は、碑に記された762年(天平宝字6年)12月1日と考えられています。
発見は、江戸時代初期の1658~1672年(万治~寛文年間)に土の中から掘り出されたか、草むらに埋もれていたのを掘り起こされたとされています。
今は、1875年(明治8年)に建てられた覆堂に納まり雨露を凌いでいます。1998年(平成10年)に国の重要文化財に指定されています。
浮嶋神社
創建年代は不明ですが、多賀城が栄えた平安時代には既に存在したと伝えられています。
主祭神に
- 奥塩老翁神
- 奥塩老女神
の2神が祀られています。
鹽竈神社(しおがまじんじゃ)の社史には、当社は鹽竈神社十四末社の1つであると記され、鹽竈神社の末社とされています。
こんもりと緑が繁る小さな丘の上にあり、浮島のように見える場所にあります。
近くに光源氏のモデルと云われる源融を祀ったといわれる大臣宮がありましたが、現在、この浮島神社に合祀されています。
今も、春の例祭やどんと祭などの祭が行われています。
多賀城廃寺跡
多賀城と同時期に創建された多賀城の付属寺院跡で、多賀城跡の南東約1.2kmの高崎地区にあります。
東に塔、西に東面する金堂、北には講堂があり、築地塀が周りを取り囲んでる姿は、大宰府付観世音寺と共通した伽藍配置です。
寺の名称は伝わっていませんが「観音寺」の可能性が高いと考えられています。
多賀城跡とともに1922年(大正11年)に史跡、1966年(昭和41年)に特別史跡に指定され、これを記念して、廃寺跡を史跡公園として日本の中でも2番目に整備されました。
館前遺跡
多賀城跡の発掘調査の結果、南東側の小高い丘に、多賀城の政庁正殿に匹敵する規模の建物跡が発見されました。
国司の館跡とみられる四面庇付建物跡の主屋を中心に、6棟の建物があったことがわかりました。
年代は9世紀ころになり、多賀城に赴任してきたとされる国司の邸宅か、あるいは多賀城に関わっている重要な施設で有ったのではないかと考えられています。
1980年(昭和55年)に特別史跡に追加指定されました。
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柏木遺跡
柏木遺跡は多賀城跡から南東に約4kmの海に臨んだ大代地区の丘陵にある、奈良時代前半頃の製鉄所の遺跡です。
遺跡からは
- 製錬炉4基
- 木炭窯6基
- 竪穴住居跡4棟(うち3棟は鍛冶工房跡)
- 土壙3基
- 特殊遺構3基
がまとまって発見されました。
製鉄に関しては専門的な技術が必要となり、多くの労働力が必要不可欠であることから、多賀城直営の製鉄所跡であったのではとされています。
1990年(平成2年)に特別史跡に追加指定されました。
東北歴史博物館
平安時代に陸奥国府が置かれた、多賀城跡に隣接した歴史博物館です。
1974年(昭和49年)に開館した東北歴史資料館を継承発展させ、1999年(平成11年)にオープンしました。
博物館では東北地方の歴史・民俗・文化の研究資料を収集・保存し展示しています。
旧石器時代から近現代までの歴史を9つの時代別コーナーに分けて紹介する総合展示室があります。
またテーマ展示室や、随時企画展示を行う特別展示室もあり、楽しみながら歴史に触れることができます。
敷地内には、江戸中期の民家を移築・復元した今野家住宅もあります。
陸奥総社宮
多賀城東門の東側にあり、901~922年(延喜年間)に陸奥国に存在していた100の神社の祭神を合わせて祀るために創建されたと言われています。
古代、国司には各国内の神社を巡拝する任務があり、効率化を図るために、各国の国府近くに国内の神を合祀した総社を置く事で、纏めて祭祀ができるようになりました。
現在の拝殿は1734年(享保19年)に建てられたものです。
境内には多賀城市の保存樹木が2本あります。推定樹齢が約220年の白木蓮や推定樹齢が約600年の老杉が存在しています。
古くから、これらの両木を長寿で仲の良い夫婦に見られて、神樹として親しまれてきたのです。
日本一周の旅!
多賀城市の次は、日本三奇の1つがある!?日本有数の港町、塩竈市です!
隣り町にも足を延ばしてみよう!
多賀城市に来たのであれば、周辺の町もぜひ訪ねてみましょう!
多賀城市は北から時計回りに
の4つの自治体・行政区と接しています。周りやすいエリアなので、これらのまちにも足を運んでみましょう!
宮城県多賀城市の観光名所8選!歴史と文化財をたどる旅【宮城県多賀城市】のまとめ
市の名前になった多賀城と関係の深い遺跡や、史跡、神社、公園が沢山あり、コンパクトにまとまった観光が出来る街です。それと、古代の和歌集に出てくる歌枕になっている名所があり、歴史に触れられます。