熊本県熊本市にある後藤是山記念館を紹介したいと思います。熊本県を代表する後藤是山、一体どんな人物なのか、その人となりや交友関係、そして見どころなどを詳しく解説していきます。どうぞ御覧ください!
後藤是山はどんな人物?!
九州日日新聞(現熊本日日新聞)出身の記者であり、俳誌「東火」を主宰していました。
新聞人・文化人として活動する一方、「肥後国誌」や、神風連についてまとめた「肥後の勤王」を発刊するなど熊本の郷土史の分野でも多くの功績を残しています。
是山は、早稲田大学を中退した後、明治42年九州日日新聞社に入社します。
当時は政党新聞の色濃き時代で、政治と経済、三面記事によって構成されていました。
当時、新聞に俳句などの文学を掲載することは、理解されない風潮にありました。
社会人2年目、是山は徳富蘇峰の「国民新聞」に記者修行で上京します。
状況した先では、当時国民新聞社の社長である蘇峰や、与謝野鉄幹・晶子夫妻などの文化人から大きな影響を受けますが、蘇峰は是山の資質を一見抜き、是山にその資質を活かし文芸方面に進むように助言しました。
昭和2年から是山は俳誌「かはがらし」(後に「東火」と改名)を主宰・発刊し、独自の文化活動を行っていきます。
「自分は単なる歌人ではない。また、単なる俳人でも、単なる郷土史家でもない。ひたすら俗塵の中に生きつつ世を嘆く老記者、老書生でありたい。」と語っており、生涯一記者の生活を貫きました。昭和61年(1986)6月4日、99歳で死去。100歳の誕生日まで4日足らずでした。
新聞記者時代から一貫して和服姿を通し、温厚で温和。その飄々とした人柄で、明治の俳人から市井の人々まで、出会った人を引きつけてやまなかったのでしょう。
自分の信念を貫き、世の為、人の為に生きてきた人柄がしのばれます。
淡成居について
熊本市水前寺にある後藤是山邸は蘇峰によって「淡成居」と名付けられました。
鬱蒼とした樹木に包まれた場所にあります。
是山邸は、その後熊本市に寄贈され、後藤是山記念館として平成8年にオープンしました。
遺品のほかに一般図書や和とじの蔵書、是山が書いた原稿など、膨大な資料が展示されています。
また、多くの著名人とやりとりをした手紙も残っており、与謝鉄幹をはじめ、堅山南風、中村汀女(斎藤破磨子)、徳富蘇峰・蘆花兄弟、安達謙蔵、朝倉文夫、若山牧水など、是山の交友の広さや、多くの人に慕われ、敬われていた様子を伺うことができます。
是山は記者として育ててくれた師である蘇峰のことを、
「蘇峰先生は、大記事とか歴史家、事業家という呼び方でくくることのできない巨人であった」
と評していると記録されていますが、是山もまた巨人と呼ばれるにふさわしい人柄だったことでしょう。
後藤是山の交友関係
・山田珠一
是山が卒業後入社した新聞社の社長。是山の意を察知し、東京の国民新聞社に是山を送り込んだ人物です。
・徳富蘇峰
「国民新聞社」の社長。東京に渡った是山は、蘇峰から記者として直接の指導を受けています。
・多くの文筆家・画家
高浜虚子、与謝野晶子、坪内逍遙、徳富蘆花・愛子夫妻、若山牧水・喜志子夫妻、田山花袋など数多くの著名人との交流を深めていました。
文筆家、画家が来熊した際は自ら案内役を務め、阿蘇や生まれ故郷の久住を案内していたそうです。
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後藤是山記念館のアクセス方法
所在地
- 熊本県熊本市中央区水前寺2-6-10
アクセス情報
■交通センターから:辛島町電停から路面電車(A系統健軍町行き)で約21分
国府下車 徒歩約7分
■JR熊本駅から:JR電車(豊肥本線下り)で約10分水前寺下車徒歩約6分
(注)2016年4月の熊本地震で震源に近い水前寺地区の観光施設はかなり被害を受けこの是山記念館も瓦の落下などの損傷を受けたため、「当分の間休館」と案内が表示されています。【2017年6月7日現在】
後藤是山記念館周辺のお薦めスポット
ここでは、是山記念館と合わせて訪れたい場所をご紹介します!
・水前寺成趣園
結婚式も挙げられる、美しい日本庭園をもつお寺です。
桜の季節には、多くの花見客が訪れます。
震災により、一時庭の池が干上がるなどの状況を迎えましたが、水前寺成趣園を愛する大勢のボランティアにより、景観が復活。
今また、訪れるたくさんの人達の心を癒やしています。
アクセス:熊本市中央区水前寺公園8-1
・熊本洋学校教師館ジェーンズ邸
明治4年、熊本洋学校に外国人教師ジェーンズを迎えるために建てられた建築物です。
熊本県内最古の洋館として、残されています。
ジェーンズは、言語だけでなく、男女平等や自主自立の思想を生徒たちに教えたと言われています。
また、日本赤十字発祥の地としても有名です。
アクセス:熊本市中央区水前寺公園22−16
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