熊本県阿蘇市にある阿蘇山は、巨大なカルデラを形成していることで世界的に著名な土地です。中央にある阿蘇山を囲う山脈の尾根沿いに道路が走り、その道路が快走路として評判が高く、阿蘇はバイク乗りや自転車乗りの聖地となっています。今回は、そんな阿蘇をご紹介させていただきます!
阿蘇って何?
阿蘇はそもそも熊本県内の一地方の地名で、阿蘇の中心に阿蘇山があります。
阿蘇山は活火山で、世界最大規模のカルデラを形成する外輪山と複数の中央火山丘からなり、大部分が国立公園に指定されています。
その地形は世界水準で興味深く貴重なものであることから、阿蘇は日本ジオパーク、さらには世界ジオパークに認定されています。
阿蘇山は太古の昔から活発な火山活動を繰り返してきており、かつての大噴火で九州全域に及ぶ火砕流や日本全土を覆う火山灰を噴出したこともあるみたいです。
現在でも火山活動は続いており、昨年4月に発生した熊本地震に伴って活発になってきているそうです。
火山の激しい活動による災害にばかり目を向けますと、阿蘇は大変過酷な土地であるようですが、火山から享受している恩恵もあります。
阿蘇は清らかで豊富に流出する湧水がたくさんの地点でみられることで有名で、地下水も豊富にあります。
この上質な水を利用した農業が盛んに行われています。
また、世界的に価値のあるカルデラ地形が生み出す景観はまさに風光明媚で、壮観です。
阿蘇山へアクセスする方法は?
阿蘇山へアクセスする方法はいくつかあります。
まず、空路ですが、阿蘇市市街地から自動車で1時間ほどのところに阿蘇くまもと空港があります。
この空港は東京、大阪、名古屋の三大都市との定期便を扱っているほか、天草や沖縄とを結ぶ定期便も就航しています。
国際線ではソウルや台湾との間の定期便があるようです。
次に鉄路があります。
もともと大分を起点として阿蘇を経由し熊本を終点とする豊肥本線(阿蘇高原線)が阿蘇へアクセス可能な鉄道でしたが、先の熊本地震で土砂崩れが発生し、鉄橋などが流失したため現在も阿蘇‐肥後大津間で運転が見合わせられています。
ですので、鉄道で阿蘇にアクセスするには、熊本側からではなく大分側から入らなければなりません。
大分駅からは九州横断鉄道が運転されており、片道運賃は3,060円(特急券代を含む)で片道の所要時間は2時間弱です。
そして、道路を通行して自動車で阿蘇にアクセスする方法が考えられますが、いくつかの主要道路では現在でも通行止め区間が散在し、阿蘇へのアクセスは一筋縄ではいかないです。
特に阿蘇大橋が流失したいるため、熊本側から国道57号線を通行して阿蘇へ向かうことができません。
逐一最新の情報を確認しながら阿蘇へ向かう必要があります。
(通行に支障のある歩道。阿蘇には随所に通行止めの道路がありました。)
(このように、修復された道路も多いので、最新情報に注意する必要があります。)
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阿蘇山の魅力は?
阿蘇山の魅力の一つに、阿蘇山山頂を訪れたら火山活動をすぐ近くで見学し、その迫力を目の当たりにできる、というのがあると思います。
しかし現在、阿蘇山の火山活動が活発になっており、火口の周辺に立ち入り規制が敷かれているため、入山することはかないません。
また別の魅力として、外輪山からの眺望が挙げられます。
阿蘇北部の外輪山の最高峰は大観峰ですが、そこからの外輪山や阿蘇山の眺望は極めて素晴らしいものでした。
私は阿蘇駅から自転車で国道212号線を通って外輪山を登りました。

大観峰までのヘアピンカーブ
上り坂が続き大変な道中でしたが、木々の隙間から垣間見える景色に励まされながら登りきることができました。
大観峰からの眺めは、壮観の一言です。

大観峰からの眺め
眼前にそびえる阿蘇山の周りを囲むカルデラは、陽の光をキラキラと反射する田畑がまぶしく、その周りを取り囲む外輪山の立体的な構造は本当に自然に作り出されたものなのか、と疑うほど均整がとれていて、素晴らしい眺望でした。
外輪山の尾根をなぞる道路(県道45号線、県道12号線、県道339号線)はミルクロードと呼ばれています(牧場の中を通る道路だからでしょうか)。
小さなアップダウンはあるものの、急な上り坂はなく、終始視界の開けたこの道路はとにかく景色のいい道路で、バイク乗りや自転車乗りの聖地となっています。

外輪山の尾根を伝う、通称ミルクロード

外輪山の景観。この立体的な眺望は写真では伝わりきれないです。
阿蘇には他にもたくさんの魅力があります。
例えば、阿蘇カルデラの南部、阿蘇山と南外輪山に囲まれた地域には白川水源があります。
1日に9万トンもの水が湧出しているそうです。この湧き水の最大の特徴は、透明度がとても高いことです。
この清らかな水に基づいた地酒の生産も行われています。まさに、火山の恵みですね。
また、阿蘇外輪山の外側の高原には前述のように牧場が広がっており、牧場にちなんだ体験施設もあり、阿蘇山を中心に阿蘇各地に温泉もあります。
阿蘇には様々な楽しみ方があります!
行くのにおすすめの時期は?
大観峰の標高は936m。真冬に訪れるのは寒いので、おすすめできません。
最もおすすめできる時期は初夏の朝です。
清々しい朝の空気を吸い込みながら青々とした阿蘇の景色を眺めるのは格別です。
一方で、夏以外の季節の魅力も阿蘇にはあります。
例えば、桜が満開を迎える4月には、阿蘇の南外輪山東部に位置する高森峠の道沿いにある高森峠千本桜が咲き誇ります。
また、山が金色に染まる秋の阿蘇の景色も絶景です。
阿蘇市の観光・お出かけスポット
阿蘇市の他の見どころをまとめました。
阿蘇山はバイク乗りの聖地!見どころをご紹介!【熊本県阿蘇市】のまとめ
これをお読みの皆さんの中には「阿蘇への旅行に興味はあるが、地震の影響がどの程度あるか分からず不安で実行に移せない」という方がいらっしゃることと思います。結論から申し上げますと、観光に大きな支障はないことと思います。確かに前述のとおり、阿蘇山山頂周辺の入山規制や一部道路の通行止めなどはいまだにありますが、訪問可能で楽しめる魅力もございますので、ぜひいらっしゃってください。皆さんの訪問が阿蘇や熊本の復興の一助になるものと確信しております。