香川県高松市にある寶幢山香西寺は真言宗大覚寺派の寺院です。山号は寶幢山と言います。本尊は延命地蔵と称する地蔵菩薩です。高松市北西部の勝賀山北東麓にあります。仁王門から一直線に参道を進むと、本堂があります。本堂に向かって、右側に国の重要文化財に指定されている毘沙門天立像を安置する毘沙門堂があります。更にその右には大師堂兼護摩堂があります。四国別格二十霊場のひとつで、こちらは第19番札所であります。
香西寺について
香西寺は奈良時代に僧行基により開創され、初めは勝賀山のふもとにあり、その名を
「勝賀寺」
といいました。
平安初期頃に弘法大師が再建し、現地に移しました。嵯峨天皇の勅願寺に選ばれて、寺禄貫を賜り、朱雀天皇のときに、談議所に選定されました。
鎌倉時代、この地の豪族である香西左近将監資村が、幕命をうけ堂塔を再建して、また
「香西寺」
と改称しました。
その後、細川頼之が当寺を本津に移し、十一代香西元資は寺号を地福寺と改称しました。
天正年間に戦火に見舞われ、生駒親正が国主となり、再建ののちに
「高福寺」
と名を変えました。
満治元年、またも失火のため旧寺域(現在の地)へ帰ることとなりました。寛文九年、藩主松平頼重公が新伽藍を建立落慶し、別格本山・香西寺となります。
その後、当時の七堂伽藍はほとんど失火で焼失し、現在の建造物はその一部です。
寺宝の毘沙門天立像(木造・檜一本造り、平安時代初期101センチ)は昭和16年11月、重要文化財に指定され、藤原時代弘仁佛としては、全国的にも逸品です。
四国八十八ヶ所霊場(お遍路)について
今から約1200年前、弘法大師が42歳のときに人々に災難を除くために開いた霊場が四国霊場です。
後に
大師の高弟が大師の足跡を遍歴した
のが、霊場めぐりの始まりと伝えられています。
人間には88の煩悩があり、四国霊場を八十八ヶ所巡ることによって煩悩が消え、願いがかなうといわれています。
八十八ヶ所の霊場を巡拝する四国遍路は、昔も今も人々の人生の苦しみを癒し、生きる喜びと安らぎを与えてくれる祈りの旅なのです。
現在では、インターネット上でお遍路の様子を伝える記事が掲載されていたりします。時代を感じますね。
また、寺院という事で御朱印を集めている人にもいいかもしれません。
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御朱印について
もともとは、お経を書き写して寺院に納める
「納経」
の証しとしていただくものでした。
現在の御朱印は、神職の方や住職が御朱印帳や納経帳に
- 参拝した年月日
- 寺社名
を墨書きし、朱印を押しています。
寺社によって墨書きに
- 寺社名
- ご本尊
- 御本殿の名称
などが書かれます。御朱印の魅力は、ひとつひとつ手書きされますので、その神社・寺院によって書かれる内容が違います。
同じ神社・寺院で書く内容が同じでも、書く人の筆さばきの違いにより、その味わいはさまざまです。御朱印は専用の帳面でないと授与いただけません。
持参したものがスケッチブックやスケジュール帳、メモ用紙などではお断りされてしまいます。
専用の帳面は
「御朱印帳」
などと呼ばれています。
- 寺社
- 仏具店
- 神具店
- 文房具店
- 書店
などで販売されています。
香西寺の基本情報
- 所在地:香川県高松市香西西町211番地
- アクセス:電車利用の場合、JR予讃線「香西」駅より徒歩約25分、または「高松」駅よりことでんバスで「中塚」バス停下車、徒歩約3分。
車の場合:高松自動車道「高松檀紙」ICより約15分、または「高松西」ICより約20分。
普通車は50台駐車のキャパシティーがあります。
香西寺の様子について
香西寺は何度か再建されていることもあるせいか、比較的新しく見える立派な本堂でした。通路は狭いですが、駐車場はそこそこの広さもあります。
やはり八十八か所遍路寺に比べると専用のツアーバスは出ているものの、二十霊場は閑散としている感じではあります。
境内のお庭は隣町が盆栽の本拠地である鬼無町のためか、とても美しく手入れの行き届いたものでした。
また、大師堂ではお堂の中に上がって参拝出来ました。ここでは閻魔堂に納経所があります。
納経所には売店も併設されており、ブレスレットタイプの数珠も売られています。ブレスレットのように腕に付けていると数珠と同じ効果があるので、ありがたみがありますね。
毘沙門天像について
毘沙門天像は見応えがありますが、その拝観は事前予約が必要です。
毘沙門天像はお堂の奥に接続した耐火スペースの厨子中に安置され、照明によってライトアップされており、よく拝観できます。
おとなしい印象の像ですが、そう感じるのは手を大きく振りかぶるような動作をせずに胸、腰のあたりで前に差し出しているところや、鎧や袖口によく見られる獣や鬼の模様を取り付けていないところだと感じます。
全体的に誇張を避けた堅実な姿が追求されていて、上品な姿だと思います。
しかし腰はかなりひねりが加えられ、そのために股間を守る前垂れも斜めになるなど、静的な中にも動きがある姿だと言えますね。
高松市の観光・お出かけスポット
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寶幢山香西寺の見どころをご紹介します!毘沙門天像をはじめとした趣のある寺院です!【香川県高松市】のまとめ
八十八カ所遍路寺に比べると、二十霊場であるこちらは人気が少ない印象ではありましたが、例えば寺宝の毘沙門天立像は重要文化財に指定されており、藤原時代の弘仁仏としては全国的にも逸品で見応えのあるものとなっております。ありがたみの深い寺院だと感じました。ぜひ皆さんも足を運んで見て下さいね!