香川県さぬき市の平賀源内記念館は、2008年(平成20年)に旧来の平賀源内先生遺品館を移転・改称のうえ、新規に開館しました。平賀源内は香川県さぬき市出身で、江戸時代に、博物学者、エンジニア、アーティスト、文士として多面的な活躍をしました。コンパクトなスペースでの展示ですが、平賀源内の業績を紹介する施設です。平賀源内記念館は、記念館本館と別館として旧邸(記念館本館から550メートルほど西に建てられています)、銅像、薬草園から構成されています。
源内の脳内世界を体感しよう!ー平賀源内の歩みと展示の概要
平賀源内が全国各地を歩いた目的は、博物学の研究、鉱山の開発と指導のためです。
平賀源内記念館は、館中央部の源内小路の両脇に、平賀源内が歩いた
- 「志度・高松」
- 「長崎」
- 「伊豆・秩父・秋田」
- 「江戸」
の4地域の展示コーナーを配しています。
源内奇才劇場
源内奇才劇場では平賀源内の天才ぶりを映像で紹介します。
源内玉手箱
源内玉手箱では驚き意外な源内人脈やできごとが展示されています。
平賀源内のクリエイティブな脳内世界を
- 各展示コーナー
- 源内小路
をめぐりながら体験できます。
館内を一巡したら、源内博士認定コーナーで知識力を診断測定することができます。
まず初めに平賀源内の略伝を眺めてみよう
平賀源内は1728年(享保13年)に現在の香川県さぬき市の白石家の三男として生まれました。源内は先祖伝来の姓である白石を平賀に改めました。
幼少の頃に掛軸の細工を行い、そのことが評判となって、藩医のもとで本草学や儒学を学びました。
その後、長崎に留学して
- オランダ語
- 医学
- 油絵
を学びました。遊学の後で藩務を辞して家督を捨てました。
その後、京都、大坂(大阪)、江戸に学び、さらに2回目の長崎留学を果たして鉱山技術や金属精錬の技術を習得しました。
この頃、伊豆で鉱床を発見して産品の仲介業を行いました。高松藩の家臣に登用された時代もありましたが、再度の辞職をして以降、幕臣も含めて仕官ができなくなり、在野の万能人の道を歩むことになります。
江戸においては源内は著名人となり、
- 杉田玄白
- 中川淳庵
らと知己になりました。
1763年(宝暦13年)には
『物類品隲』
を世に問いました。オランダ仕込みの博物学の知識の披瀝です。源内の文才も華開き、諸本を執筆しました。
並行して、各藩の起業にも携わり、
- 鉱山の開発
- 石綿の発見
は、この頃の業績です。炭焼きや通船工事にも従事をして万能人の称号をほしいままにしました。
出羽秋田藩の招かれて鉱山開発を行った折りには、秋田蘭画の種を蒔きました。長崎で入手したエレキテルを修繕したこともあります。
1779年(安永8年)、大名屋敷の修理の際に、大工を殺傷したために入獄し、享年52歳で獄中死を遂げました。
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平賀源内記念館の展示内容を順番に紹介します
平賀源内記念館の4地域の展示コーナーには、平賀源内の年譜が掲示されていますので、展示を見て源内の生涯での位置を確認することができます。
源内神出鬼没
平賀源内は日本全国をくまなく行脚し、日本各地に業績を遺しています。それぞれの地域で幅広い分野で交流を繰り返しました。
この展示は平賀源内の神出鬼没ぶりを分かり易く紹介します。
志度・高松
平賀源内は11歳の時に既に天才ぶりを発揮しています。
からくり掛軸「おみき天神」にはどんなカラクリが隠されているのでしょうか?
平賀源内は、志度の陶工に源内焼を焼かせませた。精緻な模様を特徴にしています。
「南北アメリカ地図大皿」
が展示されています。
「陶器工夫書」
からは、源内の陶工指導の原点を知ることができます。
長崎
この展示コーナーでは、ドドネウスが著した
『コロイドボック』
などの平賀源内が長崎で入手した8冊の洋書を見ることが出来ます。
伊豆・秩父・秋田
平賀源内は唯一の油彩画を描いて、江戸時代中期の画家に大きな影響を与えています。また、源内による鉱山の開発の様子も展示されています。
江戸
平賀源内は博覧会を構成しました。
博覧会の創始者とも呼ばれています。
『物類品隲』
を発刊するなどして、本草学者としても活躍をしました。また、戯作者でもありました。
展示されている
「エレキテル」
はさぬき市指定文化財です。
日本で最初に制作された摩擦による静電気の発生装置です。江戸時代の中期のエレキテルは2台が残存していますが、これはその一つです。
源内奇才劇場
この劇場では平賀源内の生涯を10分間にまとめた映像作品を見ることが出来ます。
源内通りを進んでいくと、平賀源内旧邸に至ります
平賀源内は江戸へ上る以前に1755年(宝暦4年)、平賀家の家督を妹の婿養子に譲りました。
源内の生家は、婿養子の孫の平賀松三郎が1862年(文久2年)に建て替えられましたが、現存しています。
1967年(昭和42年)に旧邸の中に遺品陳列館が設けられ、2000年(平成12年)には屋根に改修が加えられました。
平賀源内の生家は、旧志度街道(通称・源内通り)に面する町家です。
平賀源内銅像
1934年(昭和9年)には、平賀源内の銅像が平賀源内先生顕彰委員会によって建立されました。
銅像の作者は小倉右一郎です。
平賀源内記念館のアクセス情報
- JR志度駅、琴電志度駅から徒歩で5分
さぬき市の観光・お出かけスポット
さぬき市の他の見どころをまとめました。
平賀源内記念館の見どころ!源内の才能を追体験し時代の鼓動に触れる!【香川県さぬき市】のまとめ
2008年にオープンした平賀源内記念館は、多面な才能の持ち主であった平賀源内を体験型の展示で紹介するミュージアムです。ぜひ、平賀源内記念館を訪問して、源内の豊かな才能と江戸時代の雰囲気を追体験してみてください。きっと、みなさまの記憶に深く刻まれること間違いなしです!