岩手県盛岡市にあるござ九は、江戸後期から明治にかけて燈明用の燈心売や藁工品などを扱った商家です。豪商の面影を今に伝えるその風貌、城壁と貼り瓦、格子戸の低い軒が続く建物は、次々と建て増しを行い、それぞれの時代を窺い知ることができます。現在、「ござ九」は荒物を主に扱う雑貨屋として営業していて、その建物は盛岡市を代表する貴重な町屋建築でもあります。
ござ九ってどんなところ?
盛岡市の中津川、その中の橋に近い場所に「ござ九」はあります。
建物は古い和風の木造建築で建物近くの説明板によると「明治、大正、昭和にそれぞれ増築された」ものということです。
街中にあるお店なのですが、ホウキ・かご・ざるといった昔ながらの商品が置かれています。
建物そのものもですが、商品にも歴史を感じさせられますね。
前述のとおりの伝統建築でありながら、普通に雑貨屋として営業していて文化13年創業という歴史の長さにも驚かされます。
歴史を感じるお店の雰囲気も良いですし、ちょっと懐かしい商品を見ているだけでも和めます。
こういう古いものが売っている商店は今ではもう少なくなってきていますね。
ここで売っている日用品は、荒物とも呼ばれているものです。
「ござ九」の母屋と裏側の土蔵7棟、川べりの土蔵は、盛岡を代表する景観となっています。
荒物ってどんなもの?
ものすごくざっくりと言うと、暮らしの道具や日用品のことを「荒物」と呼び、「粗末なもの、雑なもの」の意からほうき・ちり取り・ざるなど、簡単なつくりの家庭用品のことを指しています。
そして、そうした日々の生活で使われる道具を売っているのが「荒物屋」です。
安さこそ正義の大量消費の時代があったことにより、すっかり少なくなってしまった荒物ですが、今再び脚光を浴びつつあります。
丈夫で使いやすいものを大事に使う、そういうことがしっくりくるという層に響いているのでしょう。
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ござ九のご近所散策
「ござ九」のウェブサイトでは、この近辺を散策するコースが紹介されています。
盛岡に流れる3つの川のうちのひとつ、中津川のほとりを歩く道です。
こちらの散策コースは『ここには、古都盛岡の情緒が残っています。あなたもそろそろ、やわらかな深いふぅっとしたため息をつきにおでんせ。』と紹介されています。
周辺には
- 紺屋町のシンボル的建造物や盛岡名物「南部せんべい」のお店
- 岩手を代表する伝統工芸である「南部鉄器」のお店
- 昭和初期の重厚感ある建造物である盛岡信用金庫本店
- 明治の終わりに建てられ、国の重要文化財にも指定されている建造物である岩手銀行中ノ橋支店(旧盛岡銀行)
などといった建物があり、昔の盛岡の雰囲気を味わうことができます。
盛岡市を観光するならコチラも
○盛岡市動物公園
「盛岡市動物公園」は、様々な触れ合い体験やワークショップを開催している動物公園です。草地や水辺など多様な自然環境のなかで、約100種800頭羽の動物たちが暮らしています。
園内にはウサギやモルモットなどと触れ合い体験が楽しめる「こどもどうぶつえん」のほか、動物資料館やアスレチック広場などの施設も充実しています。
また、週末にはワークショップ体験やポニー乗馬体験など催し物が盛りだくさん。
広い芝生広場もあり、ちょっとしたピクニックも楽しめます。
また、2014年からは天然記念物のツシマヤマネコが登場して、熱い注目を浴びています。
- 住所:岩手県盛岡市新庄下八木田60-18
- 問い合わせ:019-654-8266
- 営業時間:9:30~16:30(最終入園16:00)
- アクセス:【電車】JR盛岡駅から岩手県交通バス動物公園行きまたは新庄墓園行きに乗り約40分、動物公園前下車すぐ
【車】東北自動車道盛岡ICから約40分
【バスの場合】 盛岡駅から「紺屋町バス停」下車、徒歩3分ほど
○つなぎ温泉
盛岡インターから車で約10分、市の中心部からも20分余りの距離にあり「盛岡の奥座敷」とよばれる「つなぎ温泉」。
平安末期、前9年の役のさなかにここに本陣を置いた源義家が発見したと伝わる由緒ある温泉です。
温泉郷の周辺には広大な自然を利用した観光施設や名所も集中していて、温泉を基地にしたレジャーも魅力!
すぐ近くの盛岡手づくり村や小岩井農場などは親子連れにもおすすめです。
○盛岡城跡公園(岩手公園)
不来方(こずかた)城と呼ばれる南部氏の居城跡。石川啄木や宮沢賢治もよく訪れたといわれる場所です。
日本の都市公園100選の1つである盛岡城跡公園は、盛岡城主の居城跡を利用した公園で、園内には新渡戸稲造や石川啄木、宮沢賢治などゆかりの文人達の歌碑も置かれています。
また、冬は「盛岡雪あかり」、春には「桜まつり」などさまざまなイベントが開かれています。
ござ九は盛岡市を代表する貴重な建築物!竹細工のカゴも魅力です!【岩手県盛岡市】のまとめ
今回は岩手県盛岡市にある「ござ九」をご紹介してきました。江戸後期から明治にかけて燈明用の燈心売や藁工品などを扱った商家だった「ござ九」は、現在は盛岡市を代表する貴重な町屋建築をいまに残す、趣のある雑貨店となっています。盛岡市を観光する際には、「ござ九」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?