ぎんどろ公園は岩手県花巻市にある公園です。花巻出身の詩人、童話作家、短編小説家に有名な宮沢賢治がいます。宮沢賢治の作品の中に登場する架空の理想郷に、岩手県をモチーフにした「イーハトーブ」(Ihatov、イーハトヴあるいはイーハトーヴォ (Ihatovo) 等とも)と名付けたこともあり、故郷にはとても愛着があったように思います。この「ぎんどろ公園」は岩手県を愛した宮沢賢治が教師を勤めた花巻農学校の跡地なのです。
ぎんどろ公園の由来
「ぎんどろ」という公園の名の由来は、宮沢賢治の好きだった木の銀白楊(ぎんどろ:ウラジロハコヤナギ)からきています。
ぎんどろの木は、白い幹と白い葉裏が特徴で、風にそよぐ葉の美しさと成長の早さを宮沢賢治が好んだのではないかと言われています。
宮沢賢治と花巻農学校(稗貫郡立稗貫農学校)とのかかわり
ぎんどろ公園は宮沢賢治が教師を勤めた花巻農学校の跡地と書きましたが、その関係について、いろいろと調べてみましたのでご紹介します。
宮沢賢治は家出して上京したあと、妹のトシの病気をきっかけに地元の花巻市に戻り、大正10年12月に農学校の教師になります。
その学校は、当時は稗貫郡立稗貫農学校という名称(翌年に岩手県立花巻農学校に改称)で、茅葺屋根で平屋建てのおんぼろな校舎だったといいます。
地元では桑っこ大学と呼ばれ、からかわれるような学校で、特に隣にあった花巻女学校と比較されていたようです。
精神歌
教師となった宮沢賢治は教鞭をふるいつつ、生徒たちのために歌を作り始めたそうです。
その歌は「精神歌」と呼ばれて農学校の生徒や職員に愛されつづけ、学校の行事があるたびに、全員で歌うならわしとなっていったそうです。
同僚だった堀籠文之進は、当時の学校の様子を次のように書き残しています。
- 『油がのったとでも言うのでしょうか、宮沢さんは応援歌、行進歌、農民歌、剣舞の歌など、どんどん作曲して生徒に歌わせましたので、学校は、すっかり変わってしまっておどろくほど生き生きとなってきました。生徒はよろこんで精神歌や応援歌を歌いました。』
宮沢賢治の作った歌がとても影響力があったことがわかりますね。
その歌詞をご紹介します。
日ハ君臨シ カガヤキハ
白金ノアメ ソソギタリ
ワレラハ黒キ ツチニ俯シ
マコトノクサノ タネマケリ日ハ君臨シ 穹窿ニ
ミナギリワタス 青ビカリ
ヒカリノアセヲ 感ズレバ
気圏ノキハミ 隈モナシ日ハ君臨シ 玻璃ノマド
清澄ニシテ 寂カナリ
サアレマコトヲ 索メテハ
白堊ノ霧モ アビヌベシ日ハ君臨シ カガヤキノ
太陽系ハ マヒルナリ
ケハシキタビノ ナカニシテ
ワレラヒカリノ ミチヲフム
皆さんはこちらの歌詞を読んで、どんな印象をもちましたか?
光や太陽がイメージされ、格式が高く立派な歌詞ですね。
とても粗末な校舎で歌われていたものとは思えませんし宮沢賢治の生徒への想いが詰まっているようです。
この曲の作曲者である川村悟郎は当時、盛岡高等農林学校の学生だったといい、宮沢賢治とは夜遅くまで学校のベビーオルガンで曲の手直しをしていたということも、堀籠文之進は書き残しています。
宮沢賢治の命日、9月21日に毎年開催されている「賢治祭」があります。
宮沢賢治詩碑前で献花や詩の朗読、宮沢賢治作品の歌の合唱、野外劇などが行なわれるのですがその祭の最後に、この「精神歌」を全員で合唱するそうです。
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ぎんどろ公園の見どころ
風の又三郎の群像
風の又三郎の群像は昭和56年3月に花巻市が設置しました。
ガラスのマントを着て、まさに飛び立とうとする又三郎と、6人の子供たちが遊び戯れる姿をかたどった彫刻です。
黒御影石でできたこの彫刻は、昭和59年2月に札幌彫刻美術館が2年に1回、全国の広場や公園などの公共空間に設置された彫刻を対象に選定している「本郷新賞」の第1回を受賞した作品です。
彫刻の横には、風の又三郎の一節が石碑になっています。
どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
作品「風の又三郎」は、青空文庫で一般公開されています。
賢治さんと歩く「心象ロード」
こちらの散歩道は、イギリス海岸展望広場から南の方に向かった北上川沿いの歩道のことです。
宮沢賢治ゆかりの地(イギリス海岸や宮沢賢治生家等)には由来を記した御影石の23ヵ所の案内標柱があります。
ぎんどろ公園の基本情報
- 所在地:花巻市若葉町3 ぎんどろ公園
- お問い合わせ:0198-24-2111
- 連絡先:花巻市都市整備課
- アクセス:花巻駅からはバスで約10分
400台収容可能な無料駐車場あり
ぎんどろ公園の見どころ!宮沢賢治が教師を勤めた花巻農学校の跡地!【岩手県花巻市】のまとめ
ぎんどろ公園は宮沢賢治が教師を勤めた花巻農学校の跡地場所です。週末は家族連れなどで賑わいますが、きっとここを訪れる宮沢賢治ファンも多いことでしょう。