福岡県福岡市の舞鶴公園は中央区にある福岡城の本丸址を中心とする公園です。福岡城はその昔、博多湾からの眺めが大空を舞う鳥の形をしていたことから別名”舞鶴城”と呼ばれていました。これが舞鶴公園の名前の由来です。今回は、春には約1000本の桜が花開く福岡城の本丸址を中心とする自然と歴史の宝庫、舞鶴公園をご紹介します。
自然の宝庫~四季折々の自然を満喫する~
舞鶴公園は、多くの花々を春から夏の間に楽しむことができます。
2月~3月は梅。3月下旬から4月上旬にかけては約1000本の桜が咲きほこり、舞鶴公園の北にある西公園と並ぶ福岡都心のお花見スポットです。
この時期は、家族・友人とのお花見や会社の歓迎会など公園のあちらこちらで宴が催されています。
福岡に生まれて、気の置けない仲間とこの時期を過ごせてよかったなあとしみじみ感じるひとときです。
晩春から初夏にかけては
- 牡丹
- ツツジ
- 芍薬
- サツキ
が美しく、梅雨が迫ってくるころには、花菖蒲やスイレン、紫陽花が見ごろを迎え、梅雨が明けたころには蓮がというように、様々な花が咲きほこります。
カメラを携えて花の香りに包まれながら、園内の花々や風景を写真に収めるのもよいですね。
福岡城の歴史探訪
舞鶴公園は福岡城の本丸跡を中心とする公園ですが、その福岡城は黒田長政が黒田52万石の城として7年の歳月をかけて築いたお城です。
「福岡」は黒田家ゆかりの地、「備前福岡」(現在の岡山県瀬戸内市長船町福岡)から名付けられたのです。
黒田長政とは、2014年の大河ドラマの主人公となった黒田官兵衛の嫡男で、ドラマでは松坂桃李さんが演じていました。
安土桃山時代から江戸時代にかけての武将・大名で、関ヶ原の戦いで東軍につき戦功をあげ徳川家康より52万石を与えられ、豊前国中津(大分県中津市)から筑前国に移り福岡藩初代藩主となりました。
長政は当初名島城に入りましたが、狭く城下町も作れないため現舞鶴公園である福崎に平山型の城を築城したのです。
その規模は、
- 総面積80万㎡(24万坪)
- 東西1km
- 南北700m
と全国でも有数のものです。
展望の素晴らしい天守台をはじめ
- 本丸
- 二の丸
- 三の丸
- 47の櫓
- 10を越える城門
がありました。
福岡城には天守閣が無かったという説があり、この点は未だ論点の一つとなっています。
展望台から福岡の街を眺めて長政が生きた時代に想いを馳せてみませんか。
多聞櫓(たもんやぐら)も必見!
櫓は城を守るために欠かせない施設のひとつで、構造により様々な櫓があります。
旧福岡城の47の櫓のうち南丸多聞櫓(たもんやぐら)は、唯一現存する櫓で国指定重要文化財です。
二層の隅櫓とそれに連なる三十間の奥行をもつ平櫓からなります。
高く積み上げられた石垣を土台に築かれ、「石落」が備えられていることから、いざというときの防御のための櫓と考えられています。
平櫓は嘉永6年(1853年)から翌年にかけて建て替えられました。このように貴重な文化財をぜひご覧ください。
歴史の舞台としての舞鶴公園
舞鶴公園は度々、歴史の舞台となった場所であります。1987年、平和台野球場の改修工事時、鴻臚館跡が発見されました。
鴻臚館
鴻臚館とは、平安時代に築かれた外交のための迎賓館です。
- 平安京(京都)
- 難波(大阪)
- 筑紫(福岡)
の3ヵ所に設けられました。
3ヵ所のうち、遺跡が確認されているのは現福岡市中央区にある筑紫の「鴻臚館」のみです。
文献上には持統2年(688)、「筑紫館(つくしのむろつみ)」として初めて現れ、平安時代になって中国風の「鴻臚館」という名に変わりました。
7世紀後半から11世紀まで約400年の間、遣唐使や新羅の使節団、商客らを迎え入れたとされます。
時代は下り、第二次大戦後の福岡市民が熱狂した野武士軍団「西鉄ライオンズ」の本拠地であった、平和台野球場も舞鶴公園にありました。
1954年のリーグ初優勝から西鉄ライオンズの黄金時代が始まり、豊田泰光、中西太、大下弘、稲尾和久(1956年入団)などが活躍したチームは、1956~1958年に読売ジャイアンツを下し日本シリーズ3連覇を飾りました。中でも1958年のシリーズは、3連敗を喫してもう後がないところまで追い詰められましたが、4試合目が雨天中止になったことがきっかけになり、4連勝を成し遂げ、奇跡の優勝を果たしました。
1987年に球場敷地の下に鴻臚館遺跡が発見されて発掘調査が必要になったことで、球場が取り壊されることが決まりました。
2002年に西鉄ライオンズOB会の方々が発起人となり、平和台球場記念碑が、平和台球場のあった付近に建立され、後世にその存在を伝えていいます。
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スポーツ施設も充実
散歩だけでも気持ちよいですが、スポーツで汗を流すのも気持ちがよいですね。
舞鶴公園内には、
- 平和台陸上競技場
- 球技テニス場
などがありスポーツ施設も充実しています。
芝生広場は都心部のビジネスマンなどの休憩やリフレッシュに、近くにお住まいの方が散歩をするなど、多くの福岡市民に親しまれている公園です。
おすすめの時「福岡城さくらまつり」
先にお伝えしたように舞鶴公園は、春から夏にかけてたくさんの花々が咲きます。
中でも、桜は約1000本にわたるため都心有数のお花見スポットです。
このお花見シーズンに開催される「福岡城さくらまつり」では、城壁と桜がライトアップされます。夜間閉場しているエリアが有料で特別解放されます。
光や音で演出された夜桜や普段は見られない場所を堪能できます。
福岡市中央区の他の見どころはこちら⇒福岡市中央区の見どころ!
舞鶴公園の見どころ!自然と歴史の宝庫!【福岡県福岡市中央区】のまとめ
舞鶴公園は、福岡市のほぼ中心に位置し、繁華街からも近くにありながら、緑豊かな自然と、歴史の息吹を感じることのできる公園です。ゆっくり自然を眺めながら散歩するのもいいですし、歴史に思いを馳せながらベンチでゆっくりもできます。都心の雑踏から少し離れて、ゆっくりした静かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。