北海道函館市の観光スポットといえば、坂巡りをイメージする方も多いのでは?函館市には八幡坂をはじめ二十間坂、基坂、常盤坂など有名な坂がたくさんあります。函館と言えば、「函館山」の夜景がとても有名ですが、函館山の麓にある数々の「坂」も素敵な観光名所として人気が高いスポットです。中でも「八幡坂(はちまんさか)」は、テレビCMの撮影スポットでも登場した、美しい坂です。今回は、函館山の坂巡りにスポットを当ててご紹介いたします。
直線が美しい風景の「八幡坂」
函館山の麓にある坂と言えば、すぐにその風景がイメージできるほど有名な八幡坂。
八幡坂は、函館山の夜景にも匹敵する、全国区の観光スポットでもあります。
石畳の坂を登りきると、正面には青函連絡船の「摩周丸」が見え、坂の両歩道脇には、手すりの付いた階段やロードヒーティングなども整備されており、風景と共に綺麗に整備された観光スポットです。
八幡坂の歴史
八幡坂という坂の名前は、かつて函館八幡宮があったことに由来すると伝わっています。
しかし、その後は大火の被害に合い、1880年に函館八幡宮は現在の谷地頭町に移されましたが、「八幡」という名称だけは残され、八幡坂と現在も呼ばれ続けています。
「チャーミーグリーンの坂」として有名に
そのきっかけとなったのが、1984年に公開されたテレビCMのロケ地として使われた事が大きいです。
商品もCMもヒットし、八幡坂は「チャーミーグリーンの坂」と呼ばれるようになり、観光スポットとして一躍有名に。
年配の夫婦が、八幡坂で仲良く手を繋いでいるシーンが、当時の話題を呼びました。
ドラマのシーンでも
坂を上がり突き当たりると、演歌の大御所「北島三郎」の出身校でも知られる「北海道函館西高等学校」があります。
また、1994年に放映された、稲垣吾郎主演のTVドラマ「東京大学物語」のロケ地としても八幡坂が使われ、登校風景等で八幡坂が映し出されていました。
その他、2002年に放映されたTVドラマ「ランチの女王」でも、劇中にて函館旅行に訪れた先のシーンに、八幡坂が登場しています。
観光で訪れたい坂で1位に
NIKKEI「何でもランキング」では、全国の「観光で訪れたい坂の名所」のトップにも輝いた八幡坂。
長崎の「オランダ坂」や沖縄の「首里金城町石畳道」など、全国の数ある観光スポットの坂の中から1番に選ばれるほど、八幡坂の一直線の坂道は人々に愛されています。
- 八幡坂(はちまんさか)
- 場所:函館市末広町
- アクセス:市電「末広町」下車 徒歩1分
- 駐車場:函館市元町観光駐車場(1時間200円)
老舗レストラン「五島軒」がある「二十間坂」
過去、函館は火事による問題に悩まされており、1879年の大火事をきっかけに防火線として道幅を大きくとり、整備されました。
その道幅が二十間(約36m)あることから、こう呼ばれている坂です。また、明治時代には函館山要塞に大砲を備えるための、輸送路としても使われたそうです。
現在は朝市まで伸びる道に
地元のお客さんや観光客で賑わう「函館朝市」へと通じている坂が、この二十間坂です。
また、国内最古の鉄筋コンクリート造りの寺院「東本願寺函館別院」が見られるのも、二十間坂の観光スポットの一つとなっています。
老舗レストラン「五島軒」
カレーライスでも有名な老舗レストラン「五島軒」がある場所も、この二十間坂です。
創業はなんと明治12年の超老舗レストランで、当時はハイカラなものとして親しまれていたようです。五島軒のカレーは、レトルトカレーでも全国的に親しまれていますね。
- 二十間坂(にじゅっけんさか)
- 場所:函館市末広町
- アクセス:市電「十字街」下車 徒歩5分
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函館山の観光拠点「基坂」
坂の上には「元町公園」や「旧函館区公会堂」などがある、八幡坂と共に有名な「基坂(もといざか)」。
基坂も観光名所として、度々登場する坂のひとつです。
現在は、観光案内の拠点として存在し、元町公園内の「旧北海道庁函館支庁庁舎」の1階には観光案内所も置かれています。
坂の下からの景観も、坂の上からの景観もよい坂で、坂の脇にはベンチも置かれているので、のんびりと景色を楽しむことができる坂のひとつです。
時代と共に変化した拠点地
かつては行政の中心地として栄えてきた基坂。
古くは松前藩時代には「亀田番所」として坂の上に役所が置かれ、幕府時代には「箱館奉行所」、明治以降は「開拓使」、昭和25年までは「渡島支庁」と、時代とともに変わってきました。
このことから、「お役所坂」「御殿坂」などの呼び名もあったようです。
- 基坂(もといさか)
- 場所:函館市末広町
- アクセス:市電「末広町」下車 徒歩5分
- 駐車場:函館市元町観光駐車場(1時間200円)
現代も西洋建築が並ぶ「常盤坂」
現在は閑静な住宅街ですが、かつては付近一帯に芝居小屋などの娯楽施設なども多く、栄えていた時代は「芝居町の坂」「見返り坂」などと呼ばれていた坂です。
見返り坂と呼ばれる由縁は、坂の半ばに遊郭があり、遊女との別れを惜しむ後ろ姿からなぞらえられていたようです。
坂の名前の由来
江戸時代後期に、常盤坂の上に商人「大石忠次郎」の屋敷があり、その邸門に生えていた巨木の松「常盤の松」にちなんで付けられたと伝わっています。
坂の見どころ
歴史的な建物が点在し、純和風の古民家等が残されています。
幕末の開港以来、長崎や横浜などから急速に西洋文化が入ってきましたが、「箱館」もまた同じく、西洋建築が多く造られていきました。
レンガ造りの漆喰塗りの建物で、国指定の重要文化財「旧太刀川家住宅・店舗」もその一つで、現在は「TACHIKAWA CAFE」として親しまれています。
夏はオープンカフェとしても営業しているので、西洋建築を見ながらのんびりカフェもできます。
- 常盤坂(ときわざか)
- 場所:函館市大町
- アクセス:市電「大町」下車 徒歩5分
北海道函館市の坂巡り!八幡坂は必須!【北海道函館市】のまとめ
函館の「坂」ですが、夜景の名所函館山に負けず劣らずの観光名所がそろっています。八幡坂など観光スポットとして有名な坂の写真を撮るなら、朝早くなど人の少ない時がおすすめです。