群馬県富岡市には富岡製糸場があり世界文化遺産に登録されたことで、近年多くの方が訪れる場所となっています。富岡製糸場の歴史や世界的な養蚕業の発展に貢献した工場や関連施設についてご紹介します。
富岡製糸場の歴史
絹製品は紀元前3000年前の中国ですでに使われていたとされています。日本では弥生時代に使われ始めたようです。
富岡製糸場は群馬県富岡市に明治5年(1872年)に造られた本格的な器械製糸工場です。
群馬県富岡市はクワの栽培が盛んで日本最大のヤマグワの木が育成されていて、樹齢1500年とも言われています。
このクワの葉は養蚕業で蚕のエサとして必要なもので富岡市が最適な場所となったようです。
江戸時代から生糸は輸出品として日本の産業を支えた製品ですが粗製濫造によって日本製の生糸の評判を落としたことで官営の工場の設置が求められていたことが起源になります。
富岡製糸場はフランスの技術を採用・ベースとして造られたとされています。
この工場の設置にあたり、洋式の製糸技術導入、外国人指導者、全国から工女を採用し、伝習を終えた際は地元で指導者として活躍させるというテーマがあったとされています。
このことが日本の近代化に大きく貢献した官営模範工場となります。赤レンガの外観でフランス積みという工法となっています。
内装は木を使って日本の風土に合わせた造りとなっているようです。繭を煮る釜も300釜あり、当時のフランスの規模を倍近く上回る工場となっています。
開業当時の工女は556人という人数で大量生産が行われていたようです。
富岡製糸場は1872年から1987年まで操業されていたもので、1946年からは民営化で片倉工業株式会社が管理していました。
操業停止以降も片倉工業が管理し年間維持費1億円という費用を払って管理を行っていましたが2005年に富岡市に寄贈されました。2005年には国の史跡として指定されました。
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富岡製糸場が世界文化遺産に選定された理由
2006年、2007年に世界文化資産に公募し、2007年に近代化遺産の暫定リストに認定されて2012年にようやく世界文化遺産に登録されました。
世界遺産になるにあたり、
- 世界的な製糸産業発展
- 富岡製糸場の保存状態
- 女性が中心となって働く環境
という点の評価が高かったことが理由になります。
フランスの勤務体系である8時間労働、長期休日制度など現代に通じる礎があったのかもしれません。
富岡製糸場の内部は?
富岡製糸場は購入した繭が生糸になるまでの一連の工程を行ってます。繭の乾燥・貯蔵・操糸で大量生産ができた工場として、機械が並んでいます。
見学は急いで見学すると30分ぐらいでできますが、詳しく説明を受けることができます。
ガイドさんによる案内(200円、12回/日)も受けられますが、スマホや音声ガイド機器(レンタル)で情報を収集することができます。
富岡製糸場と絹産業遺産群で世界文化遺産になった施設は?
養蚕業において富岡製糸場と並んで日本の製糸業の近代化に大いに貢献したものが周辺にあります。
群馬県内に点在していて富岡製糸場を含めて見学するとなると移動時間がかかりますが、絹産業遺産群で世界文化遺産に登録されたものとして見学する機会があれば、立ち寄ってください。
田島弥平旧宅
田島弥平旧宅(伊勢崎市)は養蚕業で自然の気候により飼育する方法(清涼育)を開発した人物で、この「清涼育」を実践した民家となっています。
高山社跡
高山社跡は群馬県藤岡で清涼育と温暖育の折衷案を取り入れた民家になります。
荒船風穴
荒船風穴は下仁田町にある春蚕、夏秋蚕の貯蔵を分けるための構造になります。層の中は、3層構造になっていて、上に上がることで外気の温度に近付けて慣れさせるような構造と言われています。
富岡製糸場へのアクセス
電車の場合、上信電鉄上州富岡駅から徒歩20分です。高崎駅で上州富岡駅の往復乗車券と富岡製糸場の入場セット券が販売されています。
この券を購入すると別々に購入するより割引になるので高崎駅からご利用する際はこの券をご購入下さい。
お車の場合、上信越自動車道富岡ICから3キロ、約10分、周辺の駐車場に到着できます。周辺には駐車場が用意されているので、ご利用してください。
富岡製糸場を訪れた人の口コミ・感想
富岡製糸場は明治時代に造られた工場ですが近代化の一端と言える施設と言えます。訪れた皆さんは、どんなことに感動したのか教えてもらいましょう。
「世界遺産登録をきっかけに訪れました。やはり登録が決まったばかりだったためか混み合っていましたが、様々な歴史を実感しながら見学することができました。教科書だけではわからないような雰囲気を実感できて良かったです。」
「敷地内は思っていたより広く、じっくりと見て回るととても長い時間滞在することができます。昔のままの姿で雰囲気などもそのまま味わうことができました。ほとんどが当時のまま残っているようで歴史を味わうことができます。」
「歴史を学ぶことができる素晴らしい場所だと思います。見学も良いのですが、それ以外にもお土産なども非常に充実していました。製糸製品や化粧品なども販売されており、とても楽しくお土産選びをすることができました。」
富岡製糸場の基本情報
- 名称:富岡製糸場
- 住所:群馬県富岡市富岡1丁目1
- 電話番号:0274-64-0005
- アクセス方法:上信電鉄上州富岡駅徒歩20分、上信越自動車道富岡ICから3キロ
富岡製糸場の見どころ!絹製品の世界的な発展はここにあり!【群馬県富岡市】のまとめ
絹製品は、富岡製糸場が大きく関与していることが伺えます。絹製品の肌触りは他の布とは異なる感触があります。そんな質の良い絹製品は、多くの方の努力と労力で今日に至っています。機会がありましたら富岡製糸場を訪問して生糸の生産の様子を見学してみてください。