愛媛県西条市にある西条市民の森は、石鎚山系の笹ヶ峰から北へ連なる尾根の端に位置する「八堂山」の東斜面にあり、四季折々美しい花が咲く、各種アスレチックを設けた美しい自然の中にある公園です。アスレチック以外にも、ウォーキングコースや考古歴史館などがあり、子供から大人までが憩い楽しむ場となっています。今回は名水「うちぬき」の産地、愛媛県西条市にある、緑豊かな西条市民の森をご紹介します!
西条市民の森とは?
愛媛県西条市は勇大荘厳な石鎚山系のふもとに位置する、日本名水百選に選ばれた「うちぬき」と呼ばれる地下水の自噴井が市内3,000箇所もあり、「水の都」として全国的に知られています。
その西条市にある、標高197mの八堂山の東斜面に位置する西条市民の森は、
- 考古学博物館
- 県木の森
- 記念の森
- 梅林園
- つばき園
- 7種類のアスレチックがある冒険広場
に分かれています。
八堂山山頂からは西条市内はもちろん、隣の新居浜市まで眺望でき、遠くには青く穏やかな瀬戸内海がのどかに広がっています。
山頂には、愛媛県西条市で暮らした弥生時代の人々の暮らしを紹介する考古歴史館があり、高床式円形倉庫と入母屋(いりもや)竪穴式住居が復元されており、ハイキングを兼ねて歴史を学ぶことができます。
また、花の名所としても地元では有名で、2月上旬~3月上旬には約1,000本20種類の梅が植えられた梅林園で梅祭りが開かれ、多くの人で賑わいます。
3月下旬~4月上旬には、八堂山の登り口から山頂前の駐車場までの山道が清楚な山桜、約1,100本に彩られます。
桜の木々がなだらかなアーチを画くように山道を囲み、その奥ゆかしい幽美な景勝は、しばし日常を忘れてしまう素晴らしさです!
他にも、椿やツツジなども咲き、新緑、秋の紅葉と四季を通じて美しい自然の姿が見られます。
また、ローラーすべり台やネット登り、とんぼ型すべり台など、7種類のアスレチックが設置された冒険広場は、平日でも親子連れのグループで賑わっています。
考古歴史館で、太古のロマンを体感!
考古歴史館は、弥生式住居の構造をもとに建てられ鉄筋コンクリート3階建てで、郷土の考古資料を収集展示し、教育・文化発展を計ることを目的に建てられた歴史文化施設です。
全国でも数少ない弥生時代後期の高地性集落遺跡(標高196.5m)として名の知れた八堂山の中腹に位置し、八堂山遺跡出土品を中心に、西条市内の他の遺跡、古墳出土品をパネル展示しています。
弥生時代の生活様式模型や映像、木の棒を回転させて火をおこす体験学習ができ、考古学を身近に感じながら学習ができます。
3階のベランダからは西条市内が展望でき、夜間の考古歴史館はライトアップされ、山の中腹に幻想的に浮かび上がって見えます。
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考古歴史館で学べること
1F
考古学関係の図書を置いた学習室があり、ビデオやスクリーン、古代壺ジグソーパズルなどで考古学についての学習ができます。20人ほど収容可能で、研修などの利用も可能です。
2F
○考古学入門クイズコーナー
古代の歴史を初級・上級に分けて、クイズ形式で学ぶことができます。
○八堂山遺跡出土品・資料展示コーナー
八堂山高地性遺跡から出土した遺物をパネルで展示し、発掘調査の流れや石器・土器などの説明を、テキストや写真、イラストを添えてわかりやすく解説しています。
○弥生時代の生活様式模型コーナー
弥生時代の竪穴住居を復元し、照明などを切り替えながら当時の昼と夜の生活の様子を音声で説明してくれます。
○体験学習コーナー
当時使われていた火おこし道具を使って、火をおこすしくみを実際に体験することができます。
○考古学ライブラリーコーナー
ビデオ映像で、縄文時代の人びとの暮らしや、古墳が作られた時期、文明など、古代歴史を学習することができます。
3F
○西条市内平坦地の遺跡・古墳の資料展示
土器、鉄器、化石、装飾品など、西条市内の天神山遺跡、氷見経塚古墳、船屋古墳、祭ヶ岡古墳からの出土品を展示しています。
○展望室
西条市街地のジオラマを設置し、ベランダから見える市街地と照らし合わせながら、地名や位置を確認することができます。
考古歴史館の基本情報
- 愛媛県西条市福武乙27番地6
- TEL:0897-55-0419
- 開館時間:9時~17時
- バス:福武沢バス停下車 徒歩約20分
- 乗用車:松山自動車道いよ西条ICから約10分
- JR:予讃線伊予西条駅下車 車で約10分
深遠なる歴史!八堂山遺跡について
八堂山遺跡は今から2000年ほど前の、弥生時代中期末から後期にかけての高地性集落跡です。
昭和43年、当時西条農業高等学校教諭であった長井數秋氏が、野外実習授業で生徒とともに八堂山登山中の山頂で、土器片を数点発見したのが遺跡発見のきっかけとなりました。
昭和46年の調査では、住居跡3箇所、円形状柱穴特殊遺構1箇所、配石遺構1箇所が発見され、弥生式土器、石器・鉄器、中世の土鍋なども出土しました。
その後の2度の調査では大型の溝が検出され、弥生土器・石器のほか、貝殻などが出土しました。
入母屋竪穴式住居
入母屋竪穴式住居は、弥生時代の後期の住宅跡に建てられていた住居を復元したもので、周囲には排水溝と思われる溝があります。
大きさは長さ約7.5メートル、幅約5.5メートルで、小判型の面積約30平方メートルの床があります。
建物内部にある炉を中心に7人ほどの人が生活していたと見られ、住居には主にクヌギを用いた棟柱が二本、主柱が8本あります。
この住居跡から出土した土器・石器などは、考古歴史館で詳細展示されています。
高床式円形倉庫
高床式円形倉庫は弥生時代の遺跡、A号住居跡上の第三層より検出されたものを、円形倉庫跡として復元したものです。
クヌギやヒノキ、スギ等を使用した直径約2.5メートル、高さ約3.5メートルの倉庫は、一般的に長方形の形状がある高床式と違い、円形体の特殊な形をしています。
食材などを貯蔵する目的の建物だったのではと推定されています。
西条市の観光・お出かけスポット
西条市の他の見どころをまとめました。
西条市民の森は考古歴史が学べるのどかな公園!【愛媛県西条市】のまとめ
今回は西条市民の森の魅力をお伝えしました。さまざまな世代の方が憩いの場とする西条市民の森ですが、お子さん連れの方を一番多く見かけます。親子で太古の歴史に想いを馳せながらトレッキングしたり、風光明媚な高台のアスレチックで体を動かして遊ぶ1日は、心を培うことができると同時に、健康な体作りにもつながります。愛媛観光の際には、愛媛県西条市にある悠久の歴史にいだかれた西条市民の森でゆっくり過ごしてみませんか?癒されながら、知的好奇心を満たすことができる有意義な時間を過ごせますよ!