愛媛県

庚申庵史跡庭園は住宅街の中にひっそり佇む俳句のオアシス!【愛媛県松山市】


愛媛県松山市西方にある愛媛県指定史跡(昭和24年指定)庚申庵史跡庭園は、歴史的にも文化的にも貴重な存在でしたが、建てられてから200年の歳月を重ね、老朽化が心配になってきました。そこで多くの人の努力と働きかけにより、平成12年、公有化と復元が決まります。同年から復元にとりかかり、平成15年5月に改めて開園しました。開園以降、多くの市民の皆さんや観光客が多く訪れ、松山のオアシスとして親しまれている庚申庵史跡庭園をご紹介します。

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元々の庚申庵は栗田樗堂[寛延2年(1749年)~文化11年(1814年)]が無駄な肩書きを捨て、俳諧に専念した場所です。俳人・栗田樗堂は、江戸時代の松山俳諧中興の祖といわれています。

庚申庵は、寛政12年(1800年)樗堂が52歳の時に建てた草庵で、樗堂はここで俳諧の道に精進しました。

もとは青面金剛の小祠があり、古老が古庚申と呼んでいたこの地に、庚申(かのえさる)の年に建てたので、庚申庵と名付けられたといいます。

庚申庵史跡庭園を散策!

○正面入口

目印は『庚申菴』の文字樗堂さんの句『草の戸のふるき友也梅の花』です。展示スペースに樗堂の季節の句と庭園の写真を展示しています。

○玄関から見た三畳間・四畳半間

三畳間は煎茶のための部屋水屋が備わっています。栗田樗堂が記した『庚申庵記』には「陸盧が好事の茶を煮るために 小庇をつけたり」とあります。

四畳半間は俳諧(連句)のための部屋で床の間が無いというのが特徴です。正方形の部屋で仲間と平等な立場で俳諧を楽しんだのでしょう。

二畳間は普段使いの部屋とも一対一の連句を楽しんだ部屋ともいわれています。 二畳間の天井板は創建当時のもので古材をそのまま再利用していて、いたるところに古材が再利用されています。

○圧巻の藤棚

樹齢200年以上といわれる藤庚申庵が建てられたときから植えられていたのではないかといわれています。別の藤棚には白い藤が咲き、花の見頃はだいたい4月下旬ごろです。

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栗田著堂について

○栗田樗堂には三つの顔

樗堂には三つの顔があったといわれています。一つは家業の酒造業、もう一つは町役の大年寄という公務。そしてその間に俳諧に遊びました。文化2年(1805)に彼が書いた「庚申庵記」は、子規記念博物館に保管されています。

○樗堂と一茶

樗堂はあの小林一茶との交流もあったのです。全国でも有名だった栗田樗堂を松山に訪ねた一茶を樗堂は厚くもてなしたそうです。「痩蛙まけるな一茶是に有」 有名な小林一茶の句です。

一茶は、翌年秋には再び訪れ、半年におよび松山近郊の俳人と交流しました。松山の大林寺前で見た蛙合戦から「痩蛙」の句が生まれたという説もあるほどで、その後の小林一茶の作風にも影響をおよぼしています。

連歌・俳諧・そして俳句の区別

俳諧は、正統の連歌(五・七・五・七・七)から分れて、遊戯性を高めた集団文芸です。江戸時代には松尾芭蕉以来、冒頭の発句(五・七・五)の独立性が高まり明治時代には正岡子規により創作性が重視され、二の句がつげない俳句として独立しました。

俳句の基本は、お互いに車座になり各自が投句することから始まります。久松松平初代藩主定行は、分を超えて御用商人と座を同じくし滑稽とおかしみのある俳諧を楽しみました。

元禄時代、4代藩主の定直は芭蕉門の宝井其角に入門し、藩士たちに芭蕉の俳諧が広がります

○「俳句の里 松山」

瀬戸内の美しい自然と、温暖な気候風土に恵まれた松山は、道後温泉とともに古くから開け、多くの文人墨客が訪れています

短詩形文学においても、江戸時代の栗田樗堂をはじめ、近くは短詩型文学の革新を生んだ正岡子規を中心に、柳原極堂・高浜虚子・河東碧梧桐・中村草田男・石田波郷など、多くの俳人を輩出したことから「俳都」とも呼ばれ、市内には数多くの文学碑や文学遺跡が残されています。

三庵めぐりとは?

栗田樗堂をはじめ多くの俳人を輩出したこの松山の地は俳都とも呼ばれており市内各地に俳句ポストが設置され気軽に投句が行なえるなど、今なお俳句が盛んなところであります。

その歴史を感じていただくために、江戸、明治、昭和の3つの時代に、松山ゆかりの俳人が結んだ庵を巡るのが「三庵めぐり」です。

○庚申庵(江戸時代)

栗田樗堂が名利を捨て俳諧に専念した草庵です。

  • 所在地 松山市味酒町二丁目6-7
  • 入場料 無料
  • 営業時間 午前10時~午後6時 ※季節により異なる
  • 休日 水曜(祝日の場合は翌日)
  • 電話番号 089-915-2204(庚申庵史跡庭園事務所)

愚陀佛庵(明治時代)

松山中学校に赴任した夏目漱石の下宿です。

  • 所在地 愛媛県松山市道後公園1-30
  • 入館料 個人:400円/団体(20人以上):320円 ※特別展観覧料は別に定めます。
  • 営業時間 午前9時~午後6時 ※季節により異なる
  • 休日 月曜(祝日の場合は翌日)
  • 電話番号 089-931-5566(子規記念博物館)

○一草庵(昭和時代)

種田山頭火が安住の地を求めた終の住処です。

  • 所在地 松山市御幸一丁目435-1
  • 入場料 無料
  • 営業時間 外観のみ終日(内部公開は年末年始を除く土・日祝日の午前9時~午後5時※季節により異なる。)
  • 休日 なし
  • 電話番号 089-948-6891(松山市文化財課)

庚申庵史跡庭園は住宅街の中にひっそり佇む俳句のオアシス!【愛媛県松山市】 のまとめ

松山市内には数多くの文学碑や文学遺跡が残されているとても魅力的な都市であり、歴史を残しながら未来へと変化をさせている”粋な存在”でもあります。これを機に、ぜひ松山にお越しいただき「庚申庵史跡庭園」へ足を運んでみてください。みなさまのお越しをお待ちしております!

 

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