青森県弘前市にある金剛山最勝院の五重塔は、国指定重要文化財です。全国で一番美しい形をした五重塔として知られており、八重桜に囲まれた美しい光景を見ることができます。桜の名所として有名な弘前城よりも観光客が少なく、ゆっくりと鑑賞することができるため隠れた名所としておすすめです。弘前城公園から徒歩10分程度ですので、あわせて最勝院五重塔もお楽しみください。
金剛山 最勝院五重塔の特徴
読み方:さいしょういんごじゅうのとう
五重塔は、金剛山 最勝院の側にあります。
現在は金剛山最勝院の所属でありますが、昔は連光山大圓寺の所属だったのです。
藩祖津軽為信の津軽統一の際に戦死した敵味方の将士らを供養するという本願を、大圓寺第六世の京海が立てました。
そしてその帰依者が、三代目藩主信義公です。
寛文7年に完成した旧大円寺の塔で方3間、総高31.2メートルです。
津軽藩3代藩主津軽信義と4代津軽信政の寄進によって、前後10年以上をかけて建立されました。
国の重要文化財指定の五重塔としては日本最北端に位置し、心柱は角柱、初層天井から立っています。
江戸時代建立の塔であるが古式を残し、軸部の逓減率が高くてバランスの取れた優美な塔です。
初層は正面のみを連子窓、他3面を丸窓とし、2層以上は窓や構造材の意匠に変化をもたせています。
また、五重塔の道に最勝院山門から本堂と最勝院境内参道と最勝院鐘楼に進むと、四季の光景を眺められます。
最勝院五重塔の魅力
五重塔には、とある伝説があります。
その昔、五重塔の中に『火の丸』と呼ばれる一振りの名刀が納められた。その刀には銘は無いのだが、天國の作とも鳥羽院の作とも伝えられ、何やらいわくの付いた話が城下に流れ出した。何時の頃か、時の殿様が和尚に申しつけてこれを見たという。
最勝院五重塔のライトアップ
最勝院では、弘前さくらまつりの会期にあわせて境内をライトアップしています。
桜と五重塔が照らされた和の世界の風景をぜひお楽しみください。
最勝院の宵宮
最勝院の宵宮は約90店舗もの出店が出ることもあり、市内で一番の人気を見せます。
「大円寺の宵宮」とも呼ばれており、浴衣を着た家族ずれや男女など多くの人が集まります。
最勝院五重塔周辺のグルメスポット
わいんぱぶためのぶ
最勝院五重塔のすぐ前に、ワインが豊富な「わいんぱぶ ためのぶ」があります。
まだ「洋食」が「舶来料理」と呼ばれていた時代、師とあがめられていた第一人者である佐藤シェフが営まれていたお店です。
中でもデミグラスソースを隠し味として使用したスパイシーな欧風カレーがおすすめです。
ゆぱんき
ゆぱんきは、最勝院すぐそばにある隠れ家のようなカフェです。
路地の中、一軒家のようにたたずむゆぱんきで楽しめる「おむすび定食」は、おむすび2個とヘルシーなおかずがついたプレートランチとなっています。
手作りのジンジャーエールは生姜が強めでスパイシーなので、大人の方におすすめです。
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最勝院五重塔周辺の観光スポット
八阪神社
最勝院のすぐ隣には感神院または祇園社と称されていた「八坂神社」があります。
境内にはたくさんの石碑が建っており、境内には大きな桜の木が佇んでいます。
八坂神社の御大典記念と記された鳥居を通して見る五重塔も、また違った景色が楽しめておすすめです。
最勝院へ訪れた際には、ぜひ八坂神社にも足をお運びください。
最勝院 東北三十六不動霊場十五番札所について
最勝院は、「金光明最勝王経」とも呼ばれています。
これは、仏教経典に由来していて、
これは、仏教経典に由来していて、
- 五穀豊穣
- 国家安穏
の深い願いが込められているそうです。
津軽藩祖為信は、天正年間(一五七三~一五九二)に津軽を統一した後、高野山から高僧宥観を招いて最勝院住職(第四世)とし深く帰衣しました。
また、江戸寛永寺開山の天海僧正と幕府からの預人慶光院は相談の上鎌倉五山、京都五山にならい津軽真言五山を制定したそうです。
津軽領内の修験、座頭、巫女等を支配し、社人頭を通じて領内の社人をも支配(千百三十三社)したと言われています。
宮家が住職を務められたのは津軽では最勝院だけであり、当時の絶大な勢力をうかがい知る事が出来ます。
これらのことを背景に、
- 戦勝
- 五穀豊饒
- 民心の安定
等を願う歴代津軽藩主の祈願所としても篤い信仰を受けて来ました。
近世に至っては明治初年の廃仏毀釈(神仏分離令)により、最勝院は弘前鬼門の地である田町より現在地の旧連光山大圓寺跡に移転しました。
旧大圓寺の総てを受け継ぎ、寺院としての発展の中で境内整備を為し、現在に至っています。
境内に建つ五重塔は、日本最北端の国指定重要文化財の五重塔があり、津軽統一の際に戦死した人々の霊魂を供養する仏塔として三代藩主信義の時世に大圓寺六世の京海が発願し、四代藩主信政に至り大圓寺七世當海代の寛文八年(一六六八)に入佛開眼供養式が厳修されました。
この五重塔は「姿が美しい」ことで有名であり、重要文化財指定説明には『實ニ東北地方第一ノ美塔ナリ』と讃えられています。
最勝院のイベント
最勝院に恒例法要があって、
- 1月1日には元朝祈願の修正会
- 2月3日には厄払いの節分会
- 3月春彼岸中日には春彼岸会
- 8月13日には盂蘭盆会
- 9月秋彼岸中日には秋彼岸会
- 10月15日には七五三祝祷会
が開催されます。
昔の旧にも、
- 3月21日には引法大師縁日の正御影共
- 4月8日には釈尊誕生会の仏生会
- 6月13日には牛頭天王尊縁日の例大祭
があります。
アクセス方法について
- 電車の場合:JR弘前駅 弘南バス弘前高校前下車徒歩約3分で着きます。
- バスの場合:弘南バスは新寺町方面行きで着きます。
- 車の場合:東北道大鰐弘前ICから国道7号バイパス経由約30分で着きます。
観光タクシー専用、大型バス専用駐車場あります。
最勝院五重塔の駐車場
すぐ横に駐車場があります。
観光タクシー専用・大型バス専用駐車場も完備されていますので便利です。
最勝院五重塔「大円寺の宵宮」は弘前市で一番大きく人気【青森県弘前市】のまとめ
最勝院五重塔では五重塔彩色の歳時記があり、春では薄紅と青、夏では緑と朱、秋では紅葉と朱、冬では白と黒、そして太陽が晴れ間から顔を覗かせると、忽ち色を甦らせる白と朱と青が彩られます。その他にも歴史的で清らかな塔と流れる四季の光景がおすすめなので、ぜひ足を運んでみてください。