青森県むつ市の恐山は、青森県北部の陸奥湾と津軽海峡とに挟まれた下北半島にあります。日本の三大霊場の一つで、この山には賽の河原や、あの世とこの世を繋ぐと言われる霊道もあると言われているのです。また、イタコと呼ばれる巫女も居て、神通力で奇跡を起こすとも言われます。それでは恐山の見どころをご紹介します。
下北半島の歴史
半島全体は下北半島国定公園となっており、この地は本州の最北端です。
この地の遺跡からは縄文時代のものと思われる遺跡も多数見つかっており、この厳寒の地も昔から古代人たちが住み着いて暮らしていたことがうかがい知れます。
六ヶ所村では発掘が進んでいて大規模な集落が見つかっており、200点近くもの重要文化財が出ています。
とは言え、この地は江戸時代までは日本の最北端であり、科学の発達した現在に至るまでは非常に住みにくいことは確かであり、波も荒く産業もあまりない所です。
江戸時代末期まで天皇や幕府に対する厚い忠誠心で支えて来た雄藩と言われてきた会津藩が、明治に入ると朝敵、逆賊の汚名を着せられて、新政府に壊滅させられてしまいます(戊辰戦争)。
こうして廃藩となった会津藩でしたが、一年ほどで下北半島で斗南藩としてお家再興が果たされます。しかし、現実は甘くなく会津藩時代に23万石もあった石高は、わずか3万石に削封されてしまいます。
ただでさえ過酷な土地に元合津藩の者達が集められてしまい、産業も無いこの地の生活は過酷を極めました。
海草の根を加工したり、松の木の白皮を食べたり、農家の残飯をあさってたとも言われており、栄養失調もあり冬の餓死者は、相当な人数になったと言われています。
恐山の見どころ
この恐山は、江戸時代までは宇曽利山(うそりやま)と呼ばれていたようです。これは、入り江などを意味するウソリからきており、恐山の字はごく最近の当て字と言われています。
また、恐山と言ってもその範囲はとても広く、
- 剣山
- 地蔵山
- 鶏頭山
- 円山
- 大尽山
- 小尽山
- 北国山
- 屏風山
の8つの峰々とその周囲の盆地までも含めてそう呼ばれています。
北岸一帯の随所に見られる噴出現場や、硫黄の匂いはやはり地獄を想像させるものであり、恐山の名前はしっくりとくるものがあります。
この一帯は火山帯でありますが、その跡とも言えるカルデラの跡が宇曽利湖となっています。
この湖はその周囲がおよそ12kmと言われており、ほぼ円形の湖でその色彩はエメラルドグリーンの美しい姿を見せています。
火山地帯のせいで水質は酸性で、ウグイがわずかにいるばかりと言います。
ここから北東に流れているのが三途の川で、朱塗りの太鼓橋が架けられており、この世とあの世をつなぐ境界線になっています。
湖の周囲には林道や歩道もあり、10kmほどのハイキングコースにもなっているそうです。
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まだある恐山の観光スポット
恐山菩提寺
862年に一羽の鵜に導かれてこの地に地蔵尊を祀ったのが慈覚大師円仁で、それが恐山菩提寺の始まりとされています。
こちらの境内には本殿の他に宿坊もあり、恐山温泉といわれている湯小屋はあちらこちらに見られます。
賽の河原と極楽浜
この境内から湖側には
- 荒涼とした賽の河原
- 極楽浜
と呼ばれる場所があり、死者への手向けの念が込められていると言われています。
恐山温泉
恐山温泉は様々な効能があり、共同浴場として利用されています。
この温泉に浸かって洗い清めてからのお参りが、昔から正しい参拝のやり方とされていました。
恐山を訪れた人の口コミ・感想
スピリチュアルな魅力が満載の恐山について、実際に行かれた方の口コミをまとめました。こちらからご覧ください。
- 「恐山は、なんだか異世界にいるような気分になりました……。なんとも言えない光景です、大きな岩がゴロゴロ転がっているし、ところどころ湯気のようなものも上がっていました。観光のいい思い出にはなったと思います。」
- 「観光の際に青森に来たなら絶対に行っておこうと思っていた場所なのですが、さすがは恐山、かなり沢山の人が来てました。名前と違ってそんなに怖くはなかったのですが、普通の山よりも雰囲気は異様でした。なかなかいい場所です。」
- 「なかなか楽しめたと思います。青森観光の要になると言っても過言ではない観光スポット、恐山なのですけど、なかなか、凄いお山でした。人はいるんですけど、なんというか、雰囲気がかなり普通の山とは違う気がしました。」
恐山の基本情報
- 名称:恐山寺務所
- 住所:〒035-0021 青森県むつ市大字田名部字宇曽利山3-2
- 電話番号:0175-22-3825
宿坊0175-22-3826 - アクセス方法:JR大湊駅より車で約30分
下北駅から恐山行き直通バスで43分
青森県むつ市の観光・お出かけスポット
むつ市の他の見どころをまとめました。
恐山の見どころ!日本三大霊場の1つ!【青森県むつ市】のまとめ
恐山には、7月20日から5日に渡る恐山大祭と、10月に行われる恐山秋詣りがおごそかに行われていますが、恐山大祭の期間はこの地にイタコが集まってきます。イタコは霊験のある巫女たちの総称であり、亡き人の声を口寄せするとも言われています。またニホンザルの北限生息地としても有名です。