青森県下北郡東通村は、日本の本州最北端がある下北半島の北東にある、漁業が盛んな田舎町です。津軽海峡と太平洋両方を望むその村は、冬は雪深く自然が豊かで、海の幸が豊富なことで知られています。都会とは全く違う姿を見せてくれる東通村でのおすすめ観光情報、そしてヒラメや東通牛といったグルメをご紹介します。
猿ヶ森埋没林
千年前のヒバが見られる観光スポット
青森県下北郡周辺は、その昔ヒバが生い茂る豊かな森林地帯でした。
しかし、約2500年前より海から吹き付けられた大量の砂によりほとんど埋まってしまい、枯れ果ててしまいました。
今もまだ残るヒバの埋没林は、1000年くらい前のものと言われています。
もう一つの原因は、かつてこの地で盛んだった製鉄活動とも言われ、人間が自然を大切にしなかったことへのしっぺ返しと訴える人もいます。
歴史だけでなく、人と自然の関わりについても考えさせられる場所です。
猿ヶ森砂丘
青森砂丘である「猿ヶ森砂丘」は、あまり知られていませんが実は日本一の規模を誇る砂丘です。
太平洋沿岸にあり、ヒバの埋没林の地となっています。
総延長は約17kmもあり、幅も1~2kmほどの広さもあるのにも関わらず、知名度はそれほど高くありません。
その理由は、現在ここは防衛装備庁の弾道試験場として使われており、一般人が砂丘に入ることはできないからです。
また以前は鳴き砂で有名でしたが、弾道試験や海岸のゴミに汚染され、鳴きにくくなってしまったともいわれています。
猿ヶ森埋没林に訪れた際は、近くまで行ってみてもいいかもしれません。
左京沼
左京沼は猿ヶ森砂丘に隣接する沼ですがこちらは訪れることができ、本州最北端のマリモの生息地として知られています。
この沼は、砂丘の砂がせき止められたことでできたと言われています。
沼手前の道は砂利道で細くなり、牧草地を抜けていきます。
観光客は少なく、地元の人ですら見かけません。
桟橋とボートのみの人気のない静かな沼は雰囲気があります。
東通村の入口にある断崖絶壁の岬です。
海は澄んでいて青いですが、崖の下には荒々しい波が見えます。
岬周辺の沿岸は釣りのスポットとして有名で、イシガレイ、クロソイ、アイナメなどが釣れます。
岬の先端にある灯台から見る海の景色も素晴らしいですが、釣りをしながら眺める岬も一味違った美しさを楽しめます。
灯台までの道がわかりにくいので、観光案内所で地図をもらうことをおすすめします。
東通村のグルメといえば「ヒラメ」!
東通村には「東通天然ヒラメ刺身重」というご当地グルメのコース料理があります。
青森県産の天然ヒラメを満喫していただける贅沢な内容で、
- 食前スープ「下北犯行・磯の香り汁」
- 歓迎の一皿「黒毛和牛 東通牛と地場産十割そばのサラダパフェ」
- お刺身「天然ヒラメの刺身5点盛り」
- 鍋物「天然ヒラメのファイヤーグルメ」
- 重もの「天然ヒラメの特製三段重」
- 食後のデザート「地場産ブルーベリーのアイスクリーム」
を召し上がっていただけます。
この”東通天然ヒラメ刺身重”を食べられるお店は、
- ログレストラン南川 TEL:0175-34-9106
- 松らく TEL:0175-46-2905
- レストランむら TEL:0175-27-2111
の3件です。
”陸の孤島”とも言われる東通村なので、間違いなく口にするには事前に予約しておきましょう。
東通村の「温泉」施設
保健福祉センター野花菖蒲の里
なかなか知られていませんが、野花菖蒲の里では、東通村唯一の温泉を楽しむことができます。
お手頃な料金で利用できるので、猿ヶ森埋没林などを観光した次にはこちらで身体を綺麗にするというのもおすすめです。
一般開放時間が限られていますので、こちらは事前に確認が必要となります。
尻屋崎
尻屋崎は、下北半島の北東端に位置する岬です。
岬に立ち、海に向かって左側が津軽海峡、右側が太平洋になります。
津軽海峡から太平洋にかけて潮の流れが変わる場所であり、霧が頻繁に発生しやすく、船乗りにとっては危険な海域とされています。
夏から秋にかけてイカ釣りが行われ、海上に点々と灯される漁り火がとても美しいです。
岬先端には白い灯台があり、国内では最大級の明るさを誇ります。
寒立馬
寒立馬は尻屋崎周辺に放牧されている馬です。
その姿は足が短く胴が長めとなっており、競走馬のような凛々しさは感じられませんがどこか愛嬌があり、冬の厳しい寒さにじっと耐える姿はとても印象的です。
青森県天然記念物に指定され、一時期9頭まで減少しましたが、今は30頭くらいに増え、保護活動が活発に行われているのがわかります。
冬はアタカと呼ばれる放牧地に移動し過ごしますが、春には尻屋崎に戻ります。
春先には愛くるしい仔馬の姿が見ることができ、写真を撮りたくなりますが、あまりに寄りすぎると母馬が警戒するので注意してください。
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野牛川レストハウス
野牛川レストハウスは、長旅で疲れたらぜひ寄りたい休憩所です。
尻屋崎に向かう途中にある野牛沼のほとりにあります。
建物はヒバの木で造られており、一歩入ればヒバの香りが楽しめます。
野牛川レストハウスには展望塔や休憩室、売店などがあります。
そしてここでの一番人気は、東通村の名産品である東通牛を加工した食品です。
ビーフジャーキーやサラミは、ビールを飲む方だけでなく、深い味わいが大変美味しいと評判です。
他にも、特産品のブルーベリーを使用したソフトクリームやジャムが人気です。
原子力発電所PR館「トントゥビレッジ」
原発や自然、エネルギーについて学べる場所
トントゥビレッジは、原子力発電所と自然についての理解を深めてもらうために造られた施設です。
東通原子力発電所に併設されており、展望室からは発電所を見渡すことができます。
子供たちが楽しめるように、一歩施設に入ると、トントゥと言う森の妖精が住む森を通して遊びながら学んでいくという設定になっています。
すべてを見学するのに所要時間はだいたい60分です。
学習スペースやシアターもあり、イベントも行われます。
浜尻屋貝塚
浜尻屋貝塚は国の指定史跡であり、貝塚だけではなく、建物や人骨も発見されている遺跡です。
貝塚の隣で盛り上がった部分から発見された掘立柱建物は、ここで捕れた貝や魚の加工施設と考えられ、大量にアワビが発見されていることから、当時、交易されていた保存食である干しアワビの生産工場だったと推測されます。
このようなことから、この遺跡は当時の水産加工の資料として重要視されています。
桑畑山
桑畑山は、尻屋崎を見下ろすことができる、高山植物豊かな山です。
山頂は風が強いため木が少なく、草原になっています。
白い風力発電のプロペラが並んで立っており、空の青と山の緑とマッチして美しい光景が広がります。
ガスが出やすい地域なので、尻屋崎が覆われて見えないときもあります。
春ごろには、高山植物が足の踏み場もないほど咲くので、登山をするなら一番おすすめの時期です。
日本一周の旅!
東通村の次は、渓流美と”地獄”のギャップ!?恐山で有名なむつ市です!
隣り町にも足を延ばしてみよう!
東通村に来たのであれば、周辺の町もぜひ訪ねてみましょう!
東通村は北から時計回りに
の3つのまちと接しています。陸奥湾と太平洋、下北半島を横断して2つの海の景観を味わってみましょう!
青森県下北郡東通村を観光!ヒラメや東通牛のグルメと日本最大の砂丘【青森県下北郡東通村】のまとめ
自然豊かな静かな村、東通村。しかし、そこには過酷な寒さと雪国に暮らす人々の生活があります。訪れれば、津軽海峡と太平洋の恵みが私たちを歓迎してくれます。自然のなかでのんびり過ごせば、都会の喧騒を忘れることができるはず。休日を東通村で過ごしてみてはいかがですか。