上桧木内の紙風船上げは、秋田県仙北市の祈願成就の行事でその歴史は100年以上にもなりますが、その中身にはどのような見どころがあるのでしょうか?それでは、この上桧木内の紙風船上げの概要と魅力をご紹介します。
上桧木内の紙風船上げとは?
この行事が何故行われたのかはよくわかっていませんが、その由来は江戸のカラクリ師としても有名な、平賀源内によってもたらされたものでした。
紙風船上げとは、単に紙風船のことでは無く、熱気球の原理を使った紙風船のことです。
1773年に、この近くの銅山に視察と技術指導でやって来た平賀源内は、この熱気球の原理を遊びとしてこの地に伝えたのが始まりとされています。
和紙を用いた紙風船は習字を書く半紙で作られて、当初はどんどやきで飛ばされていた正月の小さな風習だったようです。
戦争などで長い間中断されていましたが、昭和49年に地元の有志が集まり、この行事を復活させるとともに、次第にその規模も大きくなって行きました。
風船自体の規模も次第に大きくなってきており、現在では12mもの紙風船も実在するようです。
日本の和紙は独特なもので、それはティッシュの薄くて柔らかく丈夫なところにも、世界中の人が驚かされることでしょう。
現在、洋紙と和紙の定義は厳密には無いようですが、実際は見て判る程に和紙にはこだわりの技術があります。
まず材料ですが、これは各和紙の特質をもった木をいくつか吟味しており、この種類を単独、或いは組み合わせることで、それぞれの地方で独自性を持った和紙が出来上がっています。
外国ですと、綿花やパルプ等の木や皮を機械で細かく裁断して使用しています。
また外国にも手すきはありますが、日本の様に独自なつなぎを使ったり、細かく何度も揺り動かすことはしません。
また、和紙は出来上がりの手触りも重要視しており、まだらに見える紙質にもその美が見て取れますし、水にも強く和傘にも使用されてきました。
上桧木内の紙風船上げの開催地は?
上桧木内の紙風船上げは、秋田県仙北市の西木町で上桧木内字大地田という地区で行われます。
現場は田んぼで、季節的にも冬場なので、雪で踏み固められた会場を使用しています。
その為に、天候不十分の時には足元が悪い場合がありますので、足元には十分注意をしておきます。
また、車で来る方の為の臨時駐車場もありますので、詳しくは現地へお尋ねください。
なお、車以外でこちらへ来るには、秋田内陸縦貫鉄道かバスの利用が出来ます。
上桧木内の紙風船上げの見どころは?
この日のスケジュールは、午後3時の開場オープンから始まります。
この後神殿へ参拝し特設会場で紙風船に願い事を書いたり、この地方の芸能を見物したりします。
午後4時半過ぎから1時間ほど昼のうちあげ紙風船も行われます。
その後、夜の6時から本格的に紙風船が次々と夜空に登って行きます。このおまつりの最大の見どころとなる事でしょう。
紙風船の下部には、竹で作った竹輪があり、ここに「たんぽ」と呼ばれる綿に油を染み込ませたものを取り付け火を点けることで風船内部の空気を熱して、温められた内部の空気と外側の空気の気圧の違いで浮力を得ます。
紙風船には武者絵や美人画などが描かれており、祈願成就の行事らしく、
- 「家内安全」
- 「合格祈願」
- 「商売繁盛」
- 「五穀豊穣」
- 「交通安全」
などの文字が書かれたものも多く見られます。うすい和紙から灯りに透かされた武者絵・美人画はとても幻想的です。
近年では観光客用の風船もあり、観光に来た方らがそれぞれに願いを込めて書いて飛ばす風景も見られるようになっています。
沢山の紙風船が夜空に舞うその風景は、もはや仙北市の冬の風物詩と言っても過言ではなく、その情景はきらめく星か冬ホタルとも比喩できるでしょう。
恋人同士ならば、とてもロマンチックな気分にもひたれる事と思います。
上桧木内の紙風船上げを見た感想は?
上桧木内の紙風船上げを試された方々の、有益な意見や感想が見られます。実際にご覧になった方たちの口コミを見てみましょう。
「空に一斉に風船が舞い上がる風船上げ。このイベントは結構秋田の中でも凄く有名で、秋田県の人だけでなく遠くからも沢山の人が参加しています。とても綺麗な絵が書かれた沢山の風船は見応えがあって、とても綺麗です。」
「すごく見応えのある、素晴らしいイベントでした!観光の時に行ってみたのですが、本当に行ってよかったと思います。いろんな絵が書かれた紙風船が、空に一斉に舞い上がる様子はまさに絶景です。とてもよかったです。」
「夜の空に一斉に風船を放つ、すごく幻想的なイベントです。沢山の人が綺麗な色付、絵付けのしてある風船をいっせいに夜空に流すのですが、本当に幻想的で素晴らしい光景です。ぜひともまた参加したいと思っています。」
などがありました。
上桧木内の紙風船上げの基本情報
- 開催場所:西木町上桧木内字大地田(紙風船広場)
- 開催日時:毎年2月10日
- 開催時間:15時から20時30分
- 電話番号:西木町観光協会:0187-42-8480
- アクセス方法:角館駅より秋田内陸線を利用、上桧木内駅にて下車、徒歩7分(所要時間約45分)
仙北市についてのほかの情報が気になる方はこちら⇒みちのくの小京都!
上桧木内の紙風船上げとは?【秋田県仙北市】のまとめ
上桧木内の紙風船上げに、来る場合は時期的にも大変寒く、天候が荒れていたり降雪の場合が考えられますので、防寒の装備はしっかりとやっておきましょう。また、足元の悪い場合も考えて、靴などは滑らないものにしておきます。是非この機会に、上桧木内の紙風船上げへ足を運んでみましょう。